美しいカスケード山脈やオリンピック山脈とピュージェット湾に挟まれたシアトル。その変化に富む自然と共存する街を中心とした絶景スポットから、秋冬の風景を厳選します。各スポットの所在地は記事の最後に!
マウント・ベーカーから秋の星空
雨がしとしと降る日が多くなり始める秋。しかし、雨上がりの夜は空気が澄んで星がきれいに見える。カナダとの国境沿いにあるマウント・ベーカーのピクチャー・レイクから眺める秋の星空は一級品。
写真&情報提供:中村良樹 www.SeattleDigitalPhoto.com
秋色に染まったカスケード山脈
セントラル・カスケードのラーチ・レイク
カスケード山脈の秋の色彩はやさしい。エバーグリーン・ステート(常緑の州)とも呼ばれるワシントン州は紅葉する自生の木が少なく、秋になると深みのある緑に黄色やえんじが混ざったマーブル色に山が染まる。どこを切り取っても絶景だ。
スカジットの渡り鳥
何千羽ものスノーギース(白雁)が、一斉に飛び立つ様は圧巻!スカジット・リバーとスカジット湾に囲まれた肥沃なデルタ地帯、ファーアイランド(Fir Island)はバードウォッチングのメッカ。なかでも、10月後半から4月の半ばにシベリアから南下してくるスノーギースの群れは、一度は目にしたい光景だ。
写真&情報提供:中村良樹 www.SeattleDigitalPhoto.com
オリンピック山脈の雪景色
オリンピック山脈の奥深さは、上空から見下ろさない限り想像がつかない。事実、その最高峰オリンポス山は20世紀初頭まで前人未到だった。車でアクセス可能なハリケーンリッジ・ビジターセンターからスノーシューで標高1750メートルのハリケーン・ヒルまで歩くと、真っ白に染まった広大な山脈が眼前に広がる。
世界遺産のレインフォレスト
世界遺産のオリンピック国立公園には世界的にも珍しい針葉樹の雨林がある。なぜか乾燥した夏に訪れる人が多いのだが、レインフォレストは雨の滴る時期こそ美しい。濡れた苔に覆われた樹齢数百年の樹木がうっそうと生い茂る森林は、歩を進めるごとにその表情が変わる。
ワシントン州最北端の冬の海
鉛色の空の下、暗鬱な空気を含み、生命の気配を消した冬の海。北緯48度を越えるワシントン州最北端の海岸は、オリンピック国立公園内の太平洋にそって細長く伸びた部分にあり、地の果ての情景に似つかわしい。
ワシントン州の宝石、海に浮かぶ島々
一年のうち平均247日が晴天というサンファン諸島は、冬場の手軽な避雨スポット。絶景ポイントは、海に浮かぶ島々の間を縫って進むフェリーからの眺め。諸島最高峰のマウント・コンスティテューションからも、大小の島々が水上に点在している風景を展望できる。
シアトル市街からマウント・レーニア
ワシントン州の象徴マウント・レーニアは、かつて日系人からタコマ富士と呼ばれていたように、その美しい形状と長い裾野が特徴。ビュースポットであるクイーン・アンのケリー・パークから見ると、ダウンタウン・シアトルの高層ビル群の背景にマウント・レーニアが佇む。おそらくシアトル住民が最も愛する光景だろう。
写真&情報提供:中村良樹 www.SeattleDigitalPhoto.com
黄金色の夕日と影、ゴールデン・ガーデンズ
シアトルのバラードにある絶景夕日スポット、ゴールデン・ガーデンズ公園。夏場はバーベキューやスポーツなどを楽しむ人々で賑わうビーチだが、閑散とした冬場に一日の終わりを告げる日没を眺めるのは、また格別。葉を落とした木々やオリンピック山脈のシルエットが、黄金の光に浮かび上がる。
写真&情報提供:中村良樹 www.SeattleDigitalPhoto.com
レブンワースのクリスマス・ライトアップ
カスケード山脈の山間にあるドイツ村、レブンワース。避暑&スキーリゾート地であるバイエルン地方を模した、美しいメルヘンチックな街並みだ。ホリデー・シーズンには街全体がライトアップされ、背後の広大な雪山を浮かび上がらせる。
文:渡辺菜穂子