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シアトルのパブリック・アート キャピトル・ヒル編

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Black Sun:20世紀を代表する彫刻家 イサム・ノグチの 『黒い太陽』

20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)の彫刻作品 『黒い太陽』(Black Sun)。シアトルのキャピトル・ヒルにあるシアトル・アジア美術館正面に設置されている、堂々とした作品です。2008年半ばまで同美術館の東洋美術部部長を務めた白原由起子さんによると、これはノグチが黒い石(ブラジル産黒曜石)で作った初めての作品で、四国の工房で制作したものを船でシアトルまで運んで来たものです。周囲の環境はもちろん、ここからの眺めまで考慮し、この作品を設置するプラットフォームを設計したのは、訪れる人に作品を触ったり、遊んだりしてほしいという願っていたからでした。

ロサンゼルスで英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれた日系アメリカ人のノグチは幼少時代を日本で過ごし、アメリカやヨーロッパで芸術を学びました。ニューヨークを拠点に展開した制作活動は世界規模で、彫刻だけにとどまらず、環境デザインやモニュメントを多数手がけています。1969年から庵治石の産地である香川県の牟礼町にアトリエと住居を構えましたが、ここは今、イサム・ノグチ庭園美術館となっている。ノグチがキュレーターを務め、1985年にロング・アイランドにオープンしたザ・ノグチ・ミュージアムはあまりにも有名。

Cal Anderson Park 自然に溶け込みつつ、存在感を放つ公園のアート

キャピトル・ヒルの中心部にあるカル・アンダーソン・パーク内にある噴水で、公園のデザインにも関わったアーティスト、ダグラス・ホリスが手がけた作品。円錐形の噴水から流れ出た水が細い水路を通り、大きなスペースに流れ込むデザインは、シアトルの豊かな水資源を表現しています。

7.37エーカーの敷地には、水遊び場や散歩道、子供たちの遊び場、運動場などがあり、市民の憩いの場となりました。もともとこの場所には1989年にシアトルで起こった大火災後に作られた貯水池がありましたが、2000年に取り壊され、2005年に公園として市民に開放されました。2009年に Forbes.com により “全米で最も素晴らしい公園” の一つに選ばれています。

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