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おすすめのパブリック・アート「シアトル・センター編」

Olympic Illiad
ロシア生まれのアメリカ人彫刻家・リーバーマン最大規模の作品

Olympic Illiad

アレクサンダー・リーバーマンはロシア生まれのアメリカ人彫刻家・出版者・編集者(1912-1999)。キエフに生まれ、パリで教育を受け、雑誌などの出版を手がけた後、第2次世界大戦中の1941年に米国に移住。以来、ニューヨークを拠点に、Conde Nast Publications でキャリアを積みながら、産業的な素材を使った彫刻家としてさまざまな作品を生み出した。リーバーマンの彫刻作品では最大規模の作品は、スペース・ニードルのすぐ西側に設置されている 『Olympic Iliad』。オレンジに近い赤一色に塗られた鋼鉄の巨大な筒をさまざまな角度で切断したものを組み合わせてあり、堂々とした雰囲気をかもし出している。

【作者】 Alexander Liberman

【制作年】 1984年

(掲載:2011年11月)

Neototems
ファウンテンの横で泳ぐ大小2頭の鯨

 

グロリア・ボーンスタインはニューヨークのハンター・カレッジでアートを学び、パリやサンディエゴでもアートの教育を受けたアーティスト。インターナショナル・ファウンテンの西側で、大小2頭の鯨が泳いでいるというこの作品は、ボーンスタインがシアトルで初めて設置したパブリック・アートだ。チルドレンズ・シアターとパシフィック・サイエンス・センターの間に設置された『Neototems Children’s Garden』 (写真下)の鯨の尻尾が、小さい方の鯨の尻尾という設定になっている。

この作品は、「地面の下を泳ぐ鯨が、エリオット湾の海水とレイク・ユニオンの淡水を結んでいる」というネイティブ・アメリカンの言い伝えにヒントを得たもの。チルドレンズ・ガーデンに飛び出した子供の鯨の尻尾は、今にも泳いでいってしまいそうだ。ボーンスタインはアートを作ることを1つのヒーリングとしてとらえ、1979年にはシアトルのアンティオック大学で心理学修士号を取得し、セラピストとしても活動している。

【作者】 Gloria Bornstein

【制作年】 1995年・2002年

(掲載:2011年11月)

Dreaming in Color
細かい網のような巨大な金属製カーテンが夜になるとライトアップで輝く

シアトル・オペラとパシフィック・ノースウェスト・バレエの公演が行なわれる劇場マッカウ・ホールが完成した2003年6月に、劇場西側に設置された作品。細かい網のような金属製のカーテン9枚が20フィート(約6メートル)間隔で12フィート(約3.65メートル)の高さに吊り下げられており、端から端までの長さは300フィート(約91.44メートル)になる。のこの遊歩道は 『Kreielsheimer Promenade』 と呼ばれ、夜になると青や紫などの光がコンピュータ・プログラムによって表示される。この空間も劇場のような雰囲気をかもし出している。American Society of Landscape Architects から 2005 General Design Award of Excellence、 Illuminating Engineering Society から the Lumen Award を受賞。

【作者】 Leni Schwendinger

【制作年】 2003年

(掲載:2011年11月)

Fountain of Seseragi
セーフコ・フィールドの彫刻 『ミット』 を製作した日系3世の作品

画家・建築家・彫刻家・教師だった日系2世のジョージ・ツタカワ(1910-1997)の息子、ジェラルド・ツタカワは10年にわたり父親から彫刻を学び、彫刻家として活躍している。2000年10月にインティマン・シアターの南側にインターナショナル・ファウンテンに面して設置されたこの 『Fountain of Seseragi』 は、ツタカワの作品には段やカーブが反復するという特徴が見られる。ジェラルド・ツタカワの作品はシアトル市内近郊に多く、セーフコ・フィールドの三塁側の入口にあるブロンズ像 『Mitt』 はよく知られている。また、2005年にはベルビュー市のリンカーン・センターに 『The Sun, The Moon, The Stars』、2008年10月30日にはパイク・プレース・マーケットのそばにオープンしたフォー・シーズンズ・ホテルの前のユニオン・プラザに 『Thunderbolt』 という作品が設置された。シリコン・ブロンズ製のこの作品の重量は300ポンド(約136キロ)もある。

ジェラルドの弟、マーカス・ツタカワ(1957~)はシアトルのガーフィールド高校で1985年からミュージック・ディレクターを務め、シアトル・ユース・シンフォニー・オーケストラのジュニア・シンフォニー・オーケストラで指揮者も務める。

【作者】 Gerard Tsutakawa
【制作年】 2000年

(掲載:2011年11月)

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