シアトル・マリナーズの本拠地、T-Mobile Park やスターバックス本社のあるエリアとして馴染み深い「ソードー」(SoDo: South of Downtown)。コロナ禍を経て、巨大なブルワリーレストラン、アートギャラリーや倉庫型ショップなどを中心に、トレンディなお店が戻りつつあります。
シアトル・マリナーズの本拠地 T-Mobile Park
シアトル・マリナーズの本拠地 T-Mobile Park は、総工費1700万ドルをかけて建設され、1999年7月15日にオープンしました。1999年シーズンから2018シーズンまでは、命名権(ネーミングライツ)を購入したシアトルの保険会社 Safeco 社の名前をとって、「Safeco Field」(セーフコ・フィールド)という名称でした。2018年末、同社が契約を更新しなかったことから、シアトルの東にあるベルビュー市に本社を置く T-Mobile USA が命名権で合意に至り、新しい名称は T-Mobile Park に決定。T-Mobile は日本ではカタカナで「ティーモバイル」と読まれていますが、アメリカ英語では「ティーモーボー」に近い発音です。
シアトル・シーホークス、サウンダーズ、レインの本拠地 Lumen Field
シアトル・マリナーズの本拠地 T-Mobile Park の横にあるルーメン・フィールドは、男子サッカーのシアトル・サウンダーズ、女子サッカーのシアトル・レイン、アメリカンフットボールのシアトル・シーホークスの本拠地です。客席数はが68,000席。スポーツの試合がない時は、食のイベントやホリデーイベント、コンサートや大学の卒業式など、さまざまなイベントの会場にもなります。
シアトルのクラフトビールとアメリカ料理とスポーツ観戦堪能できる Hatback Bar & Grille(ハットバック・バー&グリル)
マリナーズの本拠地 T-Mobile Park の向かい側にある、にぎやかなレストラン&スポーツバー。店内に一歩入ると、吹き抜けの天井に、大きな窓から自然光がたっぷり入る、巨大なスペースが広がります。シアトルで1944年から2年のみ活動した黒人リーグのチーム 『シアトル・スティールヘッズ』 を描いた壁画で野球の歴史を伝え、どの席にすわってもスポーツの試合放送を見られるよう、合計20台のスクリーンが設置されており、ファンが集まってスポーツ観戦するというアメリカ文化にどっぷりつかることができます。
アメリカの定番をワンランクアップさせたハンバーガーやフレンチフライズ、ホットウイングなどに加えて、いろいろな国からの移民の多い北西部らしく、燻製したロックフィッシュのディップ、ツナのタルタル、白豆のハマス(フムス)、コチュジャンを使った韓国風BBQチキンウィング、全米各地に出荷されているムール貝の一種ペン・コブ・マッスル(Penn Cove Mussels)のココナッツカレー煮、味噌とバーボンのソースをかけたソッカイサーモン(紅鮭)のグリル、特注ピザオーブンで薪で焼いたピザなど、チョイスも豊富。ベジタリアンのチョイスもあります。
レストランに隣接する『Steelheads Alley』(スティールヘッズ・アレー)は、シアトル・マリナーズと米国内でも数少ない黒人経営のブルワリー『Métier Brewing Company』(メティエ・ブリューイング・カンパニー)がパートナーシップを結んだブリューパブ。かつてシアトルでプレーしていた黒人野球チームの『Seattle Steelheads』と、ニグロ・ベースボール・リーグ(※)を称える壁画を見ながら、メティエのカスタムメイドの生ビールを味わってください。
※この記事ではリーグの呼称を紹介するため、差別用語に当たる「ニグロ」を使用しています。
アメリカンシングルモルトウイスキーで超人気の蒸留所 Westland Distillery(ウエストランド・ディスティラリー)
2010年にシアトルで創業した 『Westland Distillery』 は、アメリカンシングルモルトウイスキーで超人気の蒸留所(ディスティラリー)。ワシントン州産の大麦を使ったウイスキーは、国内外のさまざまな賞を受賞し続けています。
蒸留所ツアーは、専門のスタッフが45分間にわたり案内するツアーで、製造過程や、その意図や背景を紹介します。その後、ウイスキーのテイスティングが楽しめます。詳細はこちら。
注意事項:
- 所要時間:45分
- 参加費:25ドル(消費税、シアトル入場税、サービス料込)
- ツアー後のウイスキーのテイスティングは21歳以上のみ(アメリカで合法飲酒年齢は21歳)。
- ツアーには10歳〜17歳の子どもも参加できますが、保護者1名につき子ども1名のみで、入場者は全員チケットの購入が必要です。10歳未満の子どもはツアーに参加できません。
- 蒸留所ツアーのチケットは払い戻しできません。ただし、日程の変更は可能です。購入済みのツアーを変更する場合は、予定時刻前に info@westlanddistillery.com までご連絡ください。
- ツアー開始の10分前には到着する必要があります。
スターバックス本社1階 Starbucks Reserve Store(リザーブ・ストア1号店)
世界にカフェを展開するスターバックスの本社に2018年にオープンしたリザーブ・ストア。特別な豆を好みの淹れ方で味わえるコーヒー・バー、ミラノ発のベーカリー 『プリンチ』、イタリアのアペリティーボやカクテルが味わえるミクソロジー・バー、いろいろなグッズの販売店が併設しています。詳細はこちら。
テキサス・スタイルのバーベキュー Jack’s BBQ(ジャックス・バーベキュー)
シアトルの肉好きの間で「シアトルの No.1 バーベキュー」という声もあがる Jack’s BBQ。低温でゆっくり燻製した、本場テキサス・スタイルのバーベキューです。オススメは 『BBQ Plates with 2 Sides』 で、特に Brisket(むね肉)が人気です。コールスロー、チリ、ポテトサラダ、コロラドグリーンなどから2種類のサイドを選べます。
その他の SoDo 肉スポット
シアトルのサンドイッチといえば、独特のスパイスが効いたカリビアン・サンドイッチの『パセオ』を思い浮かべる人も多いはす。その SoDo 店は、フリーモント店と比べゆったりとしています。また、平日ランチタイムのみオープンのバーベキュースタンドの Pecos Pit Bar-B-Que もお忘れなく。限られた営業時間なのに30年以上人気を保っています。2016年にウエスト・シアトルに2号店をオープンし、夕方や休日も営業しているので、利用しやすくなっています。
ライブハウス Showbox SoDo(ショーボックス・ソード―)
Showbox SoDo は、2007年に倉庫を改装してオープンしたライブ会場。これまで、ONE OK ROCK、Kid Rock、Heart、The Pogues、M.I.A.、The Hives、Dropkick Murphys などがライブを開催してきました。ダウンタウンにある The Showbox の系列で、マリナーズの本拠地 T-Mobile Park のすぐ南にあります。
ヴィンテージ・ファッションや再生材料を使ったクラフトも Sodo Flea Market(ソードー・フリマ)
毎月第2土曜日に行われる SoDo Flea Market。家具やインテリア販売店の多いこの地域で、2016年から始まったフリーマーケットです。ヴィンテージ・モールの経営者とマルチメディア・アーティストが中心となり開催し、ヴィンテージ・ファッション、再生材料を使ったクラフトなどが販売され、フードトラックやドリンクトラックも訪れます。Living Computers Museum + Labs 周辺で、一年を通して開催(1月を除く)。
アウトドアギアのショッピング
シアトルのブランド、OR(Outdoor Research)の本社ビルにある販売店は、直営店ならではのセールも魅力。また、数年前に改装し、西部劇の世界を感じさせるアメリカンなブランド Filson も要チェック。詳しくはこちら。
人気ベーカリーのカフェ Macrina Bakery Cafe(マクリナ・ベーカリー・カフェ)
シンプル&オーガニックがウリのローカルベーカリーとして、定評のある Macrina Bakery。ソードー店で2016年まで稼働していたパン工場が手狭になったため移転しましたが、同直営店の中でも一番人気のカフェはそのまま営業中です。自然光がたっぷり入る大きな窓など、エネルギーの有効利用を考えたグリーンな建物としても認定されています。
文:編集部・渡辺菜穂子