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シアトルにあるワシントン大学のソメイヨシノの並木や、スカジット・バレーのチューリップ畑など、シアトル市内近郊各地にあるおすすめのお花見スポットをまとめました。春から初夏にかけて、花を見に出かけてみませんか。
3月中旬〜下旬:スカジット・バレーの水仙畑
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スカジット・バレーのラ・コナーでは、3月に水仙フェスティバルが開催されます。ラ・コナー観光協会によると、スカジット・バレーで栽培されているのは、ダッチマスター、フラワーカーペット、スタンダードバリューの3大品種。ダッチマスターは世界で最も人気のある水仙です。水仙は、チューリップが花の終わりに「トップ」と呼ばれるようになるのとは異なり、花の周期以降もそのままの状態で畑に植えられます。また、チューリップは1年ごとに植え替えられます。
3月下旬:ワシントン大学のソメイヨシノ
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ワシントン大学にあるソメイヨシノの並木は、シアトルきっての桜の名所。満開になった週末などはとても混雑するので、ゆっくり静かに眺めたい場合は、早朝や夜に行くのがおすすめです。
このソメイヨシノは、戦前の1939年にワシントン大学が購入し、当初はワシントン・パーク樹木園(Washington Park Arboretum)に植樹されたものです。その後、州道520号線の建設のため、1962年にキャンパスの中庭(The Quad)に移植されました(参考:UW Magazine)。
3月〜4月:スワード・パーク/レイク・ワシントン・ブールバード
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レイク・ワシントン沿いにあるスワード・パーク(Seward Park)のそばを通るレイク・ワシントン・ブールバード(Lake Washington Blvd )にも、見事な桜並木があります。この桜は、八重桜の代表と言われる関山(かんざん)。1976年に三木武夫首相(当時)が米国建国200周年を祝い寄贈した千本の桜の一つで、今ではシアトルの春の恒例行事となった桜祭が始まるきっかけとなりました。三木首相は学生時代に外遊した際、シアトルを訪れたことがあるそうです。「日本とシアトルの桜の深いつながり」もご一読ください。
3月〜4月:ワシントン・パーク植物園の桜&ツツジ小路
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レイク・ワシントンの湖畔からマディソン地域まで、約230エーカーの広大な敷地に広がるワシントン・パーク植物園。ニューヨークのセントラルパークなどをデザインしたことでも知られるオルムステッド兄弟が作成したシアトルの都市公園計画にもとづき、1930年代から造り始められたツツジ小路(Azalea Way)は、ツツジ、桜、マグノリア、ドッグウッドなどを始めとする花が楽しめるようになっています。2018年には植物園を歩いて回れる2マイル(約3.2キロ)のループトレイルが完成しました。毎月第1木曜には無料のツアーもあります。その他のアクティビティは公式サイト参照。ワシントン・パーク植物園は、日本庭園以外は無料です。
4月:スカジット・バレーのチューリップ畑
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シアトルから約60マイル(約100キロ)北上したところにあるラ・コナー市で、毎年4月に恒例のチューリップ・フェスティバルが開催されます。赤・黄・ピンク・紫など、色とりどりのチューリップが咲き乱れる巨大な畑は圧巻です。開花状況に関係なく毎年4月1日から30日まで開催されるので、事前にオンラインマップで開花状況を確認して計画を立てましょう。スカジット・バレーは峡谷なので、風が強く、晴れていても寒く感じる日があります。防寒グッズを忘れずに。また、チューリップ畑の周辺は非常に混雑する上、車両通行止めになっている道路もあるので、歩けるのであれば離れたところに駐車するのがおすすめ。チューリップ・タウンなどの観光スポットもあります。
5月:Rhododendron Park のシャクナゲとツツジ
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シアトルの北東のケンモア市にある、シャクナゲ公園。13エーカーの敷地の中央は芝生の広場の周囲のあちこちにシャクナゲが植えられています。
もともとは個人の邸宅とナーサリーがあったところで、趣味だったシャクナゲ栽培をビジネスにして成功した夫妻の死後、キング郡が1971年に公園として整備しました。
屋根のあるピクニックテーブル、BBQグリル、遊具のあるプレイグラウンドもあります。
3〜5月:Rhododendrons Species Botanical Garden のシャクナゲ
シアトル・タコマ国際空港の南、フェデラル・ウェイにある、世界最大のシャクナゲ種コレクションを誇るシャクナゲ原種植物園。22エーカーの庭園には、シャクナゲを中心に、ダグラスファー、ウエスタンレッドシダー、ヘムロックなどの原生植物が生い茂る森林、有名なヒマラヤ・ブルーポピー、カメリア、マグノリア、日本のモミジ、多くの珍しい植物などを見ることができます。毎年「シャクナゲ種シンポジウム」のほか、種子や花粉の配布、希少で美しい植物を多数掲載した年2回のカタログの発行、ワークショップ、ツアー、クラス、公開イベントなどを開催し、学術・研究への貢献で世界的に知られる存在でもありります。庭園内にはビジター・センター、植物を購入できる店もあります。
6〜7月:ウッドランド・パーク・ローズ・ガーデン
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ウッドランド・パーク動物園の南ゲートそばに、1924年に開園したバラ園。広さ2.5エーカーの敷地には、200種以上、3000本近いバラが栽培され、東屋や噴水などと調和した、とても落ち着く庭園となっています。1947年から2010年まで、米国のバラの交配試験場の一つとして利用されていました。2006年以降、このバラ園では殺虫剤を使っていないことから、咲き終わった花は動物園の動物たちに提供されるようになりました。ウッドランド・パーク動物園によると、特にゴリラがバラを好むそうです。
7月:スクイムのラベンダー畑
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オリンピック半島北部の街、スクイムには、Sequim Lavender Growers Association™ 会員のラベンダー農家が栽培したラベンダー畑が広がり、全米一のラベンダー栽培量を誇ります。ラベンダー農家では、ラベンダー畑、ラベンダーのブーケ、ラベンダーの鉢植え、ラベンダーで作った商品の販売などがあります。夏に開催されるラベンダー・フェスティバルは、子供からシニアまでが楽しめるアクティビティが盛りだくさん。数万人が詰めかけます。