先人たちは月の動きを観察して太陰暦を作り、農業や漁業、狩猟の目安にしていたことはよく知られています。Farmers’ Almanac によると、今アメリカで使われている満月の名前は現在の米国の東部と北部に住んでいたネイティブ・アメリカンによる呼び名にちなんでいるそう。ここではそのうちの主なものを2017年のカレンダーでご紹介しましょう。
2017年の日付で見た満月
1月12日: Wolf Moon/Old Moon(狼が空腹で遠吠えをする頃)
2月10日: Snow Moon/Hunger Moon(狩猟が困難になる頃)
3月12日: Worm Moon/Sap Moon(土から虫が顔を出す頃/メープル樹液が出る頃)
4月11日: Pink Moon(フロックス/Phlox というピンクの花が咲く頃)
5月10日: Flower Moon(花が咲く頃)
6月9日: Strawberry Moon(イチゴが熟す頃)
7月9日: Buck Moon(雄ジカの枝角が伸びきる頃)
8月7日: Sturgeon Moon(チョウザメが成熟し、漁を始める頃)
9月6日: Harvest Moon(収穫の頃)/Corn Moon(とうもろこしを採取する頃)
10月5日: Hunter’s Moon(狩猟を始める頃)
11月4日: Beaver Moon(毛皮にするビーバーを捕獲するための罠を仕掛ける頃)
12月3日: Cold Moon(冬の寒さが強まり、夜が長くなる頃)
ウエスタン・ワシントン大学のウェブサイトでは、それぞれの部族が住んでいた場所や環境、体験によって異なる名前がつけられていることがわかります。例えば、1月の満月には、米国北西部の太平洋側の Tlingit 族は Goose Moon、オレゴン州の太平洋側 Kalapuya 族は "stay inside" という意味の名前をつけていました。詳しくは同大学のウェブサイトでご覧ください。
Harvest Moon って?
Harvest Moon は、一般的に「秋の始まり」と言われる秋分(autumnal equinox)の前の満月のこと。
Full Moon tonight at 4 AM UT. Called the Corn Moon, Fruit Moon, Sap Moon or Worm Moon. Sometimes it is the Harvest Moon, but not this year! pic.twitter.com/NCT4sUX4bh
— NASA Moon (@NASAMoon) September 5, 2017
通常なら9月の満月がそれにあたるのですが、2017年は9月の満月より10月の満月の方が秋分に近いことから、10月の満月が Harvest Moon と呼ばれます。"harvest" という言葉からもわかるように、収穫期の頃の満月のことです。
中秋の名月は、それとは同じ意味ではなく、月の満ち欠けにもとづいて作られた太陰暦で秋とされていた7~9月の8月15日が十五夜にあたり、この日の月が「中秋の名月」とされています。
日本では、中秋の名月を愛でながら、お月見団子やすすき、ぶどうなどのつるもの、サトイモ、サツマイモをお月様にお供えする伝統があります。細かいことを言えば個数や飾る場所などいろいろありますので、調べてみてくださいね。
ちなみに、2017年の中秋の名月は満月の2日前、10月4日(水)です。
掲載:2017年9月