鉄道好きにおすすめ！マウント・レーニア・シーニック・レールロード（運休中）

ボランティアによって運営されている鉄道

アメリカ人は鉄道が大好き。シアトルではまだ普段の生活に電車や鉄道がないからかもしれませんが、特に蒸気機関車にはノスタルジックな気持ちが沸き起こってくるようです。マウント・レーニア・シーニック・レールロードには、さまざまな蒸気機関車が保管され、メンテナンスされています。中には大幅な修理が必要なものもありますが、そうした作業を行っている人たちはボランティア。出発前に汽車に乗せてくれた、レトロな制服を着た車掌さんもボランティアで、平日はシアトルなどのオンライン企業や銀行で働き、息抜きに週末の鉄道ボランティアをしているそう。まさに、鉄道を愛する人たちによって運営されているなんて、さすがアメリカ。

小さくてかわいらしいエルベの駅。ギフトショップもあります。

歴史深いエルベ教会。

1906年当時から同じ祭壇が使われています。

マウント・レーニア国立公園のすぐそばから出発

出発は、マウント・レーニア国立公園の二スカリー入口までわずか13マイル（約20キロ）のところにある町、エルベ（Elbe）。シアトルからは車で片道約1時間半かかります。車を駐車した後、小さなかわいらしい駅の中にあるギフトショップや、歴史的なエルベ教会などを見てまわりました。ドイツ系移民によって建設されたもので、その名前もドイツのハンブルグの近くにある川の名前から来ているそう。1906年に建設され、現在も当時からの祭壇やオルガンが礼拝・結婚式に使われており、ボランティアによってメンテナンスされています。

出発前に機関車に乗せてもらいました。

いよいよ出発

線路にはいろいろな蒸気機関車や客車が並んでいたりするので、それに乗せてもらうこともできました。熱心に写真やビデオを撮影している人も多いです。出発の時間が迫ってくると、乗客が駅に集まり始め、大きな音とともに、煙を出し、蒸気と汽笛の音を立てながら、蒸気機関車が駅に入ってきました。いよいよです。子供たちだけでなく、大人も興奮気味。客車に乗り込むと、木製のベンチが並んでいます（すわり心地はまずまずといったところ）。

“All aboard!”

映画の中のような呼びかけが聞こえ、汽車がゆっくり動き出しました。目的地のミュージアムまでは7マイル（約11.2キロ）。その短い距離を約40分かけて、のんびりと進んでいきます。

きれいな森を抜けていきます。

道中の眺めは天候次第

住宅地を抜け、山から流れ出てくる小川に沿って走ると、森の中に入っていきます。アッパー・ニスカリー・リバー（Upper Nisqually River）を越える頃になると、心地よい振動に眠気が・・・。子供はそれまでの興奮で疲れたのか、すっかり寝てしまいました。この日は曇っていたので、残念ながら、マウント・レーニアを見ることはできませんでしたが、晴れていれば、汽車からその美しい姿を拝めるそうです。

ミュージアムにある、古い機関車の展示。

ミュージアムに到着

約40分で、ミネラル（Mineral）という町にあるミュージアムに到着。かつては木材の切り出しが盛んだったところで、『Camp Six Logging Exhibit』 として米国の史跡に指定されています。ミュージアムには、さまざまな蒸気機関車が車庫に保管されており、メンテナンスのエリアではオーバーオールを着た男性ボランティアたちが忙しく作業していました。大人も子供も蒸気機関車を見てまわり、ボランティアたちとの会話を楽しんでいます。電車には飲食物を持ち込めるので、ピクニックするのもいいですね。

昔のアメリカに迷い込んだかのような時間を過ごせるマウント・レーニア・シーニック・レイルロード。夏の遠足として、またはマウント・レーニアに行く時の楽しみの一つとして、ぜひ立ち寄ってみてください。

掲載：2015年7月