夜空にぽっかりと浮かぶ満月。
その姿をただ「きれい」と見上げるだけではもったいないかもしれません。
アメリカでは、1年12か月の満月すべてに「名前」がつけられているのです。
その名前には、自然とともに生きた人々の知恵や、季節を読み取る感性が込められています。
満月は、昔から “暮らしのカレンダー” だった
月の満ち欠けの周期は約29.5日。このサイクルは「月齢」と呼ばれ、世界各地で暦(こよみ)や農作業の指標として使われてきました。
アメリカで現在広く使われている満月の名前は、ネイティブ・アメリカンの部族や初期のヨーロッパ系入植者たちの呼び名が元になっています。
広大なアメリカでは気候も自然環境もさまざまなため、自然の特徴に由来する満月の呼び名は部族ごとに異なります。例えば、1月の満月の場合、北西部太平洋側のトリンギット族(Tlingit)は Goose Moon、現在のオレゴン州の太平洋側のカラプヤ族(Kalapuya)は Stay Inside という意味の名前をつけていたそうです。
それぞれの月の自然環境、動物の行動、農作物のタイミングなどを映し出しており、自然とともに生きる知恵が感じられます。
12か月の満月の名前とその由来
月 | 満月の名前 | 意味・由来 |
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1月 | ウルフムーン(Wolf Moon) | 冬の夜、オオカミの遠吠えが響く頃 |
2月 | スノームーン(Snow Moon) | 一年で最も雪が多くなる季節 |
3月 | ワームムーン(Worm Moon) | 土が緩み、ミミズなどが地表に現れ始める頃 |
4月 | ピンクムーン(Pink Moon) | フロックス(Phlox)というピンクの花が咲く頃 |
5月 | フラワームーン(Flower Moon) | 花が一斉に咲き乱れる季節 |
6月 | ストロベリームーン(Strawberry Moon) | イチゴの収穫時期 |
7月 | バックムーン(Buck Moon) | 雄ジカの新しい角が生え始める頃 |
8月 | スタージャンムーン(Sturgeon Moon) | チョウザメが成熟し、よく獲れる季節 |
9月 | コーンムーン(Corn Moon) | とうもろこしを収穫する頃 |
10月 | ハーベストムーン(Harvest Moon) ハンターズムーン(Hunter’s Moon) | 秋分に最も近い収穫の満月 狩りに適した明るい月 |
11月 | ビーバームーン(Beaver Moon) | ビーバーが冬支度を始める時期 |
12月 | コールドムーン(Cold Moon) | 本格的な寒さが訪れる頃 |
これらの満月の名前は、The Old Farmers’ Almanac や timeanddate ど、信頼性の高いアメリカの天文・暦情報サイトに掲載されており、今でも自然と月に親しむ文化の一部として親しまれています。
満月を「名前」とともに見上げると、心がちょっと温かくなる
※下記の画像の日付はアメリカの日付です。日本時間ではこの翌日になります。
満月の夜は、空を見上げてみてください。
名前を知るだけで、満月の見え方が変わります。
あなたはどの月の名前が好きですか?