冬の訪れを告げる渡り鳥、ハクチョウ。毎年11月になると、極寒のアラスカ州やカナダから、約2万羽がワシントン州の畑や沼地に越冬しにやって来ます。
どこから飛んでくるの?
ワシントン州で見られる野生のハクチョウは、極寒のアラスカ州やカナダのブリティッシュ・コロンビア州北部、ユーコン準州西部から、ワシントン州のスカジット郡、スノホミッシュ郡、ワトコム郡に飛んできます。
ワシントン州魚類野生生物局(WDFW)によると、毎年11月に飛来が始まり、だいたい3月下旬まで見られます。
ワシントン州で越冬するハクチョウは2種類
ワシントン州で越冬するハクチョウは2種類です。
コハクチョウ:Tundra Swan
ナキハクチョウ:Trumpeter Swan
観察しやすいシアトル近郊の飛来地は?
シアトル近郊で冬の風物詩のハクチョウが見られる場所を、ワシントン州魚類野生生物局やノースウエスト・スワン保護協会が紹介しています。
ハクチョウが多く見られるのは、複数の川が流れ、土地が肥沃なスカジット郡、スノホミッシュ郡、ワトコム郡。この3つの郡は農地が多い農業地帯でもあり、広大な畑と、その周りに豊かな自然が保たれている地域で、ハクチョウが多く見られます。双眼鏡などをお忘れなく。
スカジット郡: Fir Island Farms Game Reserve
ノースウエスト・スワン保護協会によると、スカジット郡は北米最大のナキハクチョウ(Trumpeter Swan)の越冬地です。また、数千羽のコハクチョウ(Tundra Swan)も飛来します。ベストシーズンは12月下旬から2月。野鳥観察に人気の高い Fir Island を車で回り、スカジット・バレーの農業地帯に出ると、2種類のハクチョウの群れが畑で餌を食べているのを見ることができます。
スカジット郡: Johnson-Debay Swan Reserve
【公式サイト】snohomishcountywa.gov
ジョンソン=ディベイ・スワン保護区は、越冬するハクチョウを見るための保護区で、2001年に官民パートナーシップを通して作られました。ワシントン州魚類野生生物局(WDFW)が所有・管理しており、毎日オープンしています。ノースウエスト・スワン保護協会によると、保護区内や隣接する畑などで、ナキハクチョウ(Trumpeter Swan)、コハクチョウ(Tundra Swan)に加え、ハクトウワシ、ハイイロチュウヒ(northern harrier)、クーパーハイタカ(Cooper’s Hawk)などの一般的な猛禽類、カナダガン、そしてマガモやオナガガモを含む数種のカモ類が何千羽も見られる可能性があります。保護区の敷地内に駐車するには、ディスカバー・パスが必要です。ディスカバー・パスは、オンライン、電話、または狩猟や釣りのライセンスを販売している店で購入できます。保護区にペットを同伴することはできません。
スノホミッシュ郡: Bob Heirman Wildlife Park at Thomas’ Eddy
【公式サイト】snohomishcountywa.gov
広さ340エーカーのボブ・ヘアマン野生動物公園は、越冬するナキハクチョウ(Trumpeter Swan)、コハクチョウ(Tundra Swan)が飛来し、さまざまな水鳥が生息する、スノホミッシュ郡でバードウォッチングに最適な場所のひとつとされています。双眼鏡をお忘れなく。
駐車場からも見えるシャドー・レイクは、ナキハクチョウ(Trumpeter Swan)とコハクチョウ(Tundra Swan)が集まるところで、駐車場からトレイルを下り、『NO HUNTING』(狩猟禁止)の標識の手前の左側に入るトレイルから湖の南岸まで歩けます(こちらの地図で、viewpointsと書かれているところ)。雨が降った後はぬかるんで、水が流れているところもあるので、レインブーツなどで行くのがおすすめ。ノースウエスト・スワン保護協会によると、特に11月下旬から12月にかけては、この湖がハクチョウたちの夜のねぐらになるそうで、日没の約1時間前と早朝の時間帯は観察に最適とのことでした。駐車は無料。野生動物公園にペットを同伴することはできません。
ハクチョウの保護のためにできること
ワシントン州魚類野生動物局は、スカジット郡、スノホミッシュ郡、ワトコム郡で、死んでいるハクチョウやケガをしているハクチョウを見つけたら、ホットラインに電話をするよう呼びかけています。
氏名、電話番号、ハクチョウの位置や状態などを含む詳細を手短にメッセージで残すと、その情報に基づき、ワシントン州魚類野生動物局、ピュージェット・サウンド・エナジー社、スノホミッシュ郡公共サービス局の職員、ノースウエスト・スワン保護協会のボランティアなどが、ハクチョウを回収または救出します。
ホットライン: (360)466-4345(内線266)
同局によると、ハクチョウは寿命の長い水鳥で、中には20歳以上になる個体も。一年間で5~15%は自然死しますが、ワシントン州西部で越冬するハクチョウの約2%は送電線に衝突したり、鉛の銃弾や釣りの重りを飲み込んだことが原因で死亡するそうです。
ワシントン州ではハクチョウの狩猟は禁止されており、ワシントン州では1991年から水鳥の狩猟に鉛の銃弾(lead shot)を使用することが禁止されていますが、浅瀬や野原などで餌を食べる際に鉛入りの物質を食べてしまう可能性があります。