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ワシントン州の大自然を遊び尽くせ! 『The Pacific Wonderland』

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アウトドアのブランド『ザ・ノース・フェース』が、プロスキーヤーの河野健児さん、プロスノーボーダーの布施智樹さんを起用して制作した、ワシントン州の雪山から太平洋岸の海岸まで大自然を遊び尽くすショートムービー 『The Pacific Wonderland』 が、先日、ネットで公開されました。

The Pacific Wonderland from THE NORTH FACE JAPAN on Vimeo.

長年にわたり雪山を舞台にした映像を手がけてきた田島継二さんと渡辺雄太さんが撮影を担当し、6月にわずか1週間という強行軍で行われましたが、短期だったおかげでこの地域の自然の豊かさ、スケールの大きさが実感できる仕上がりとなっています。今回、そのプロデューサーで、大好きなアウトドアが仕事場の田中嵐洋さんにお話を伺いました。

The Pacific Wonderland

マウント・ベーカー © Tempei Photography

– 今回のこのショートムービーは、マウント・ベーカー、マウント・レーニア、オリンピック半島で主に撮影されています。この映像を制作した理由、そしてワシントン州を撮影に選んだ理由は?
「もっと日本人に旅に出て欲しい」「スキーとスノーボードがあるだけでこんなにも旅に深みが出る」と感じて欲しくて、このショートムービーを制作しました。世界のあちこちに行っていますが、ここノースウエストほど自然をすべて遊び尽くせる場所はなかなかないと思います。一週間という短い時間の中で、雪山を滑り、ビーチでキャンプもできるのですから。本当はマウント・レーニアだけで撮影を予定していましたが、天候が悪く、3ヶ所を巡る撮影になりました。でも、そんな撮影が可能になったのは、ワシントン州だからこそだと思います。

The Pacific Wonderland

マウント・ベーカー © Tempei Photography

– 万年雪の斜面から、太平洋をのぞむオリンピック半島の海岸まで、かなり広大な地域をカバーし、移動距離もすごい。その中で感じたワシントン州の魅力は?
ワシントン州の魅力は、自然の豊富さと、住んでいる人たちの心地よさだと思います。氷河から、手つかずの森やビーチがあり、アウトドア好きな人にはうってつけの場所ですが、アウトドアを楽しまない人でも、ここの自然に触れることによって、気質も変わるのではないでしょうか。あとはやはりコーヒーショップが楽しいですね。

The Pacific Wonderland

マウント・レーニア © Tempei Photography

– 海外での撮影は予想外の展開、ハプニングがつきものだと思います。今回の撮影で、「これは驚いた!」ということは?
今回の一番難しかったことは、悪天候です。もちろん事前情報はありましたが、シアトルについてすぐに「やはり悪天候が一週間続く」ということがわかり、予定していた撮影プランを遂行できませんでした。また、マウント・ベーカーやマウント・レーニアは、思っていたよりも山が大きく、アプローチするのに大変だったこともあります。歩いても歩いても、目的地が遠い。撮影にドローンを使いましたが、標高が高く気温も低かったので、バッテリーがすぐに落ちてしまいました。それで撮影のタイミングが合わず、何度も仕切り直ししたことも。山での撮影がいかに大変か、改めて実感しました。

The Pacific Wonderland

オリンピック半島のビーチ © Tempei Photography

– 田中さんがこんなにもアウトドアが好きになったのは、幼い頃から父子で登山やスキーをしていたことがベースになっているそうですね。思い出に残っているのはどんな旅?
登山とスキーは完全に父の影響です。9歳の頃に北アルプスの名峰・剣岳を登った時、体も小さかったので、手や足が届かない所には父の膝を階段のように登っていました。今考えると怖い登り方ですが、当時は楽しかったですね。そのような経験からスリリングなことが好きになり、怖さを感じる感覚が麻痺ってしまったのかもしれません。スキーは志賀高原のアイスバーンを尻餅ついたまま上から下まで直滑降した記憶が鮮明に残っています。止まれなくて、怖かった。

その頃は自分の生活がこんなにもアウトドアと密接な関係になるとは思っていませんでしたが、父に仕事の話をした時は喜んでくれましたね。「お金が儲からない仕事だな~」って、言いながら海外の山の写真を楽しそうに見ていました。

The Pacific Wonderland

マウント・ベーカー © Tempei Photography

– お子さんにも同じようにしてあげたいと思いますか?アウトドアではどんなことをしてあげたいですか?
もちろんです。娘は3歳になったので、今シーズンからスキーを始めてもらいます!自然に触れる時間を作ってあげたい。山や森に連れて行くと、子供って、こちらが驚くような発見をしますよね。それを見て、自分も新しい自然の見方を学ばされます。

– 日本や海外でいろいろなところに出かけている田中さんが、何度でも行きたいところ、これから行きたいところのトップ3は?
シャモニーです。町からモンブランが見え、家を出るとすぐにアウトドアの世界が広がり、アルピニズムの世界にずっと漬かっていられる場所です。僕にとっては夢のような場所ですね。

これから行きたい場所は全部、スキーがテーマ。

  1. モロッコ:砂漠のアルタイ山脈にも雪が降りスキーができるそうで、いつか滑ってみたい。
  2. グルジア(ジョージア):人がまだほとんど入っていない雪山があります。ヨーロッパの秘境と言れる場所で、スキー旅をしてみたい。
  3. ノルウェーのスヴァルバード:ノルウェー北部に位置する島で、シロクマがうろついています。オーロラを見ながらテント泊をするスキー旅。
The Pacific Wonderland

マウント・ベーカー © Tempei Photography

– 最後に、田中さんの「仕事をきちんと完了する」ための心がけとは?
自分が楽しむ気持ちを入れること。そうすることで、たくさんの人に楽しんでもらえる映像やカタログなどを作れると思っています。

– ありがとうございました。

The Pacific Wonderland

田中嵐洋さん(たなか・らんよう) 略歴
三重県生まれ。幼少の頃から父とともに登山とスキーを楽しみ、大学卒業後にシアトル留学を体験し、アウトドアギアの業界へ。現在はアウトドアのブランド『ザ・ノース・フェース』の日本でのプロモーションを担当。

掲載:2017年12月 写真: Tempei Photography

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