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シアトルのパイク・プレース・マーケットの花屋経営者への追悼:在原業平の和歌が選ばれた理由

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在原業平の和歌

パイク・プレース・マーケットの入口、1st Avenue と Pike Street の角にある花屋 『Pike Place Flowers』 の前の歩道に、平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら:825~880)が詠んだ和歌の英訳が刻まれたプレートがあるのをご存じでしょうか。

I HAVE ALWAYS KNOWN
THAT AT LAST I WOULD
TAKE THIS ROAD
BUT YESTERDAY
I DID NOT KNOW
THAT IT WOULD BE TODAY.

在原業平の和歌

在原業平が詠んだ和歌はこちら。

『つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを』
(誰もが最後に行かねばならない道とは聞いていましたが、それが昨日今日だとは思いもしませんでした)

古今和歌集に収録されているもので、誰もがいつかは死ぬと知っていても、それが自分の身に迫っていることを知り驚きと嘆きを感じていることを伝えています。

これは、20年にわたり『Pike Place Flowers』を経営し、病気で他界したドレイク・サラディー氏(Drake Salladay)を追悼するために作られたもの。なんと、サラデー氏は日本が好きだったそうで、パイク・プレース・マーケット歴史委員会の委員だったデイヴ・ライト氏が、サラデー氏が好きだった桂の葉とこの和歌をあしらい、1995年に設置したそうです。ライト氏はパイク・プレース・マーケット基金の前会長で建築家でもありました。

パイク・プレース・マーケットを訪れた際は、ぜひチェックしてみてください。

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