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シアトルでイカを釣る

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イカ釣り
シアトルのダウンタウンが面しているエリオット湾でイカ釣り

シアトルの冬の釣りの歳時記にまず挙げられるのは、イカ釣りだ。

イカは一年中釣れるが、やはり秋も過ぎて寒さも厳しくなる頃の11月から1月にかけてが、サイズも大きなイカの大群が押し寄せて来て、面白い。

「大きい」といっても体長はせいぜい20センチどまりで、ヤリイカを小さくしたような程度だが、これが身も柔らかくて刺身は最高。イカフライでもイカ炒めでも、どのように料理しても美味である。

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人気のイカ釣りスポット

意外に知られていないが、このイカはシアトル近辺の桟橋や、ウォーターフロントのドックならばどこでも釣ることができる。

人気があるのは、ウエスト・シアトルならばアルカイ・ビーチの手前の Seacrest Park にある釣り桟橋。ここは、駐車場・トイレ・レストラン完備で、釣りの合間に地ビールの生に、フードトラックから実店舗を構えるまでになったレストラン 『Marination Ma Kai』 名物のカツサンドをほおばりながら、イカの群れの到来を待つこともできる。

対岸のダウンタウン側では、Shilshole Bay Marina の南端に当たる Dock A や マグノリア地域の釣り桟橋、Pier 86 などにも、冬になると多くのイカ釣り師が集まって来る。

ダウンタウンのウォーターフロントでは、大観覧車のすぐ北側の Pier 56 や、水族館から Pier 70 にかけてのドックでも釣れることが多い。

イカ釣りにはやはり夜がおススメ

イカ釣り

イカが釣れるのは、やはり陽が沈んだ後の夜である。昼間でも釣れないことはないが、夕闇が迫ってくると、イカは明るい光に誘われて集まってくることが多い。したがって、イカ釣りには集魚灯が欠かせない。年季の入ったイカ釣り師は、釣り竿にバケツはもちろんのこと、自作のカートに電源装置や集魚灯を載せてゴロゴロと運んでくるのだから、ハンパではない。

基本装備は出力1000ワット以上の発電機。音が静かで煙が出ないので、ホンダのポータブル・ジェネレーターが定番である。しかし、「これに強力な500ワットのハロゲン灯を結んで暗い海面を照射すれば、イカの群れが集まって来て、ホイホイ釣れる・・・」というのは、あくまでも理論上の話。現実には、光照らせどイカ踊らず、ということも少なくない。釣りはあくまでも運と忍耐である。

公共桟橋の多くは騒々しい発電機の使用を禁止しているので、そこでは次善の策として、車のバッテリーに LED 灯を接続した集魚灯が活用されている。バッテリーは直流の12ボルトしかないので、これにインバーターと呼ばれる、変圧器を接続して交流120ボルトに変換し、小さくても明るい LED ライトを利用するのである。これはハロゲン灯ほどのパワーはないが、それでも十分に集魚効果はあるようだ。

イカ釣りの道具

イカ釣り

エサは何ですかとよく聞かれるが、イカは写真のような長さ5~6センチの小さなジグで釣る。日本ではイカヅノと呼ばれているが、イカは動くもの、光るものに惹かれて寄ってくる習性があるので、これを糸に結んで海にポチャリと放り込み、竿をしゃくっていれば、イカが触手を絡めて引っ掛かってくれるので、すかさずこれをグイと引っ掛けて釣り上げるという訳だ。筆者の最高記録は30分で60匹。大きな群れがやってくると、次から次へとゴボウ抜きで釣れるからこたえられない。

イカのジグは凝ったものを手作りする人も多いが、T-Mobile Park の南にある Outdoor
Emporium
などでも適当なものを購入できる。

ワシントン州で魚釣りや潮干狩りをするには、ライセンスを購入する必要があります。また、量・数には制限があります。ワシントン州魚類野生動物管理局(WDFW)の公式サイトでライセンスを購入し、規則を読んでから出かけましょう。

文:光岡則夫
1952年、横須賀生まれ。小学生の時に2年間をアメリカで過ごす。東京大学卒業後に電通に入社、旅行会社への転職を経て、1981年にロサンゼルスの DENTSU AMERICA へ。その後、オイル・チェンジのバルブを販売する会社をシアトルで起業。普段は釣りや松茸狩りなど、ワシントン州の四季を満喫する日々を送っている。『ぶらぼおな人』での取材記事はこちら。ワシントン州での釣り、松茸狩り、栗拾い、山菜取りなどについてまとめた 『人生そぞろ歩き』 を文芸社から出版。

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