Seattle Japanese Garden シアトル日本庭園(モントレイク)
【公式サイト】www.seattlejapanesegarden.org
多数の日本庭園を手がけた著名な日本庭園設計士の飯田十基氏(いいだ・じゅうき)らによってデザインされ、2020年で開園60周年を迎えた日本庭園。広さ3.5エーカーもあり、山・森・川・台地・村の景観が楽しめます。Roth tei-en Japanese Garden Journal によって、日本国外にある日本庭園のトップ10にランク入りするなど、高い評価を受けています。
日本と米国の国民の平和と友好を願い、皇太子明仁親王殿下(現 上皇陛下)が白妙の桜を、美智子妃殿下(現 上皇后さま)がカバノキ(European White Birch)を植樹されたという歴史があります。詳しくは「日本とシアトルの桜の深いつながり」をご一読ください。
Kubota Garden 窪田ガーデン(レーニア・ビーチ)
【公式サイト】www.kubotagarden.org
シアトル南部のレーニア・ビーチにある窪田ガーデンは、140種類のモミジがあることで有名な日本庭園。1907年に高知県高岡郡からサンフランシスコに渡り、シアトルに移住した窪田藤太郎氏(1879~1973)が、1927年に5エーカー(6120坪)の土地を購入して造園を開始したのがその始まりです。
独学で造園を学び、造園会社を創業した窪田氏は、ここノースウエストの美しさを日本風に表現したいという考え、シアトル地域の至る所に庭園を設計・設置しました。窪田氏が関わった庭園には、シアトル大学のキャンパスや、ベインブリッジ・アイランドのブローデル・リザーブにある日本庭園などがあります。第2次世界大戦中のアメリカ合衆国政府による日本人・日系人強制収容を生き延びた窪田一家は、戦後にシアトルに戻り、窪田ガーデンを完成させました。
1970年代にコンドミニアム建設業者が庭園を再開発する計画を立てましたが、市民がシアトル市に保護を要請し、1982年に庭園の中心となる4.5エーカーが市の歴史的建造物に指定されました。その後、シアトル市は1987年に窪田家から庭園を購入し、市の庭園として管理しています。2015年には、日本全国各地の城の石垣を築いた「穴太衆積み」の技術を世界に伝える粟田建設が手がけた石垣が完成しました。
日本政府は窪田氏の功績を称え、1972年に勲五等瑞宝章を授与しています。
入場無料。
Volunteer Park ボランティア・パーク(キャピトル・ヒル)
【公式サイト】www.volunteerparkconservatory.org
キャピトル・ヒルのボランティア・パーク内にある温室。1851年にイギリスはロンドンで開かれた第1回万国博覧会の会場として建設された水晶宮(The Crystal Palace)がモデルで、Bromeliad(アナナス)、Palm(ヤシ)、Fern(シダ)、Cactus(サボテン)、そしてSeasonal Display(季節によって変更)という5つのカテゴリに分かれており、寄贈によって始まった蘭の展示も有名です。
ボランティア・パークは、1878年にシアトル市がキャピトル・ヒル北部の土地約45エーカーを製材工場のエンジニアから買い取り、シティ・パーク(市立公園)と名づけたのがそもそもの始まり。その後、景観設計で有名なオルムステッド・ブラザーズ設計事務所によるデザインをもとに改善され、1901年に米西戦争(Spanish-American War:フィリピン領有をめぐる戦争)で戦死した志願兵(Volunteer)を讃えるため、ボランティア・パークと改名されました。
ボランティア・パークの北側にある墓地には、ブルース・リーとブランドン・リー親子の墓があります。
Woodland Park Rose Garden ウッドランド・パーク・ローズガーデン(フィニー・リッジ)
【公式サイト】www.zoo.org/roses
ウッドランド・パーク動物園の南ゲートそばに、1924年に開園したバラ園。米国内にある24の All-America Rose Selections の交配試験場の一つ。
広さ2.5エーカーの敷地に約280種類、合計5千本以上の植物が栽培され、毎年20万人が訪れます。毎年2月に行われるバラの剪定実演は一般公開されている人気のイベントです。
Carl S. English, Jr., Botanical Gardens カール・S・イングリッシュ・ジュニア・ボタニカルガーデン(バラード)
【公式サイト】www.ballardlocks.org
バラードの観光名所ハイラム・M・チッテンデン水門(通称ロックス)のそばにある広さ7エーカーの植物園。1,500種もの木・低木・花、そして珍しい植物が栽培されており、フクシア(中南米原産のアカバナ科の低木で、赤紫の花をつける)の交配試験場もあります。
この植物園を造ったのは、この水門を完成させた U.S. Army Corps of Engineers の一員だったカール・S・イングリッシュ氏。同氏は43年にわたりさまざまな植物を植えて完成させました。特にさまざまなバラが咲くバラ園は人気で、写真撮影のスポットとなっています。
ここを訪れる際は、必ず水門を見ていきましょう。レイク・ワシントンとピュージェット・サウンドを行き交う船のために水位を調節する様子が見られます。鮭が川をさかのぼる時期は、フィッシュ・ラダーをチェックするのも忘れずに。
Rhododendron Park ロドデンドロン・パーク(ケンモア)
【公式サイト】www.kenmorewa.gov
シアトルの北東のケンモア市にあるシャクナゲとツツジの公園。13エーカーの敷地は、もともと趣味だったシャクナゲ栽培をビジネスにして成功した家族が邸宅とナーサリーを構えていたところで、夫妻の死後、キング郡が1971年に公園として整備しました。春になるとさまざまな種類のワシントン州の州花シャクナゲ(rhododendron)とツツジ(azalea)が咲き乱れ、中には軽く6フィート(2m)を超えるものもあります。
邸宅があった場所にはピクニックシェルターが設置され、もともとあった暖炉やレンガがシェルターの一部に使われています。
Seattle Chinese Garden 西華園(デルリッジ)
【公式サイト】www.seattlechinesegarden.org
サウス・シアトル・カレッジ内にある中国庭園。1984年にシアトルの姉妹都市となった四川省の重慶(Chongqing)とのコラボレーションで建設されました。
広さ4.6エーカーの敷地には、四川省の景観が再現され、パビリオンや茶室、中庭、池などが造られています。
Bellevue Botanical Garden ベルビュー・ボタニカル・ガーデン(ベルビュー)
【公式サイト】www.bellevuebotanical.org
広さ17エーカーを誇るベルビュー・ボタニカル・ガーデンは、ダリア・ガーデン、フクシア・ガーデンなどに分かれ、それぞれでさまざまな草花を見ることができます。秋の紅葉がきれいなことで知られる八尾庭園は、ベルビューの姉妹都市である大阪府八尾市の名前がつけられたものです。
もともと森林だったこの土地を開拓し始めたウィルバー氏の名をとってウィルバートン・ヒルと呼ばれるようになったこの丘は、白人が入植し、製材工場が設置された場所。1932年にモンタナから移住したヴォンバシャーク氏が現在のビジター・センターの横にあたる場所にログ・キャビンを建設し、1947年にこのキャビンを購入したショーツ夫妻は庭にシャクナゲを植えたのがボタニカル・ガーデンの始まりとなったと言われています。
その後、家を建て直したショーツ夫妻はさらにシャクナゲを植えて庭を拡張しましたが、1984年に庭と家をベルビュー市に寄付。庭園として発展させるためにベルビュー・ボタニカル・ガーデン・ソサエティが設立され、ベルビュー市は17エーカーをボタニカル・ガーデン、19エーカーをボタニカル・リザーブにすることを決定しました。その後、さまざまな変化を経て、1992年から無料で一般公開されています。
Bloedel Reserve ブローデル・リザーブ(ベインブリッジ・アイランド)
【公式サイト】bloedelreserve.org
シアトルからワシントン州フェリーで行くことができるベインブリッジ・アイランドにある自然公園。ロサンゼルスやサンディエゴ、シカゴなど、全米各地の主要な日本庭園をデザインしたことで知られるカリフォルニア大学のコウイチ・カワナ教授が手がけた禅庭があることでも有名です。細長い池に木々が反射する光景が美しいリフレクション・ガーデンなども風情があります。
アヒル・ギース・白鳥などが園内の池を住処にしていますが、池に放されるマスを目当てに訪れる青サギやカワセミなども見られます。
ベインブリッジ・アイランドは第2次世界大戦前までたくさんの日本人や日系アメリカ人が住んでいたところです。1941年12月に旧日本軍が真珠湾を攻撃したことを受け、ルーズベルト大統領は翌年2月19日に日本人や日系アメリカ人の強制収容を命じる大統領令9066号に署名しましたが、最初に退去を命じられたのは、このベインブリッジ・アイランドに住んでいた人たちでした。米国国立公園局はその歴史を後世に伝えるため、追悼碑『Bainbridge Island Japanese American Exclusion Memorial』を設置しています。
Rhododendrons Species Botanical Garden シャクナゲ原種植物園(フェデラル・ウェイ)
【公式サイト】rhodygarden.org
世界最大のシャクナゲ種コレクションを有する森林庭園。22エーカーの庭園では、シャクナゲを中心に、ダグラスファー、ウエスタンレッドシダー、ヘムロックなどの原生植物が生い茂る森林、有名なヒマラヤ・ブルーポピー、カメリア、マグノリア、日本のモミジ、多くの珍しい植物などを見ることができます。毎年「シャクナゲ種シンポジウム」のほか、種子や花粉の配布、希少で美しい植物を多数掲載した年2回のカタログの発行、ワークショップ、ツアー、クラス、公開イベントなどを開催し、学術・研究への貢献で世界的に知られる存在でもありります。庭園内にはビジター・センター、植物を購入できる店もあります。