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サーモン(サケ)の遡上シーズン到来!シアトルのバラード・ロックスなど観察スポットまとめ

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イサクア・クリークに遡上してきたサーモンたち(2022年10月撮影)
© Naomi

夏の終わりから秋にかけて、ワシントン州西部各地の川や小川などで、サーモン(サケ)が見られます。

このサーモンたちは、春に川や孵化場で孵化し、川を下って、1〜6年をかけて広い海を回遊して成魚となったサーモンで、産卵するために生まれ故郷の川に戻る途中なのです。

もくじ

ワシントン州で見られる主なサーモン

ワシントン州魚類野生生物局が提供している情報を簡単にまとめました。

奥からチヌーク・サーモン(キング)のオス、メス、コーホー・サーモンのオス、メス
© Naomi

チヌーク・サーモン(Chinook/King Salmon)

チヌーク・サーモンはパシフィック・サーモンの中で最大の種類。大多数は体重50ポンド(約22.5kg)未満ですが、中には体重100ポンド(約45kg)を超えるものもいます。産卵はコロンビア・リバーやスネーク・リバーなどの大河の流れの速い本流で行うことが多いですが、十分な水の流れがあれば比較的小さな川でも産卵します。稚魚は3ヶ月から1年の間に淡水で成長します。成魚になって海から戻ると、生まれ故郷の産卵地まで数百キロを遡上することもあります。

コーホー・サーモン(Coho Salmon)

コーホー・サーモンは、ピュージェット湾での釣りで非常に人気のある種類です。沿岸のほぼすべての小川や河川の支流に生息し、寒冷で清潔な水が一年中流れ込む都市部の小さな小川でも見られます。小川や支流で産卵し、中程度の水流と小~中サイズの砂利を好みます。産卵時期には、水流が増すのを待ってから遡上します。秋に川の中の砂利に産み付けられた卵は翌年の春に孵化し、約18ヶ月後に海へ向かいます。成魚の体重は約6~12ポンド(約2.7~5.4kg)、最大で体重31ポンド(約14kg)、全長2.5フィート(約76cm)になることがあります。

ソッカイ・サーモンの遡上についての展示
レイク・サマミッシュにて

ソッカイ・サーモン(Sockey Salmon / Red Salmon)/ 紅鮭(ベニザケ)

ベニザケ(ソッカイ)は、パシフィック・サーモンの中で最も風味が豊かな種類とされ、ワシントン州ではレイク・ワシントンやベーカー・レイクなどで見られます。稚魚が湖で成育するため、産卵する河川は湖に繋がっている必要があるそう。湖で1~2年間成長するので、水質の低下に影響を受けやすくなります。成魚は5~8ポンド(約2.3~3.6kg)、最大で15ポンド(約6.8kg)になることがあります。

チャム・サーモン(Chum Salmon)

チャム・サーモンは沿岸の小さな川や大河の下流域で産卵します。コーホー・サーモンと同じ川を使うことが多いですが、コーホーは上流に進んで産卵するのに対し、チャムは海に近い場所で産卵します。これはチャムの体が大きく、深い水を必要とするため、または跳躍能力がコーヒーに劣るためとされています。チャムの稚魚は淡水に数日しか留まらず、すぐに下流の河口に移動し、数ヶ月間そこに留まった後、海へ移動します。オスのチャム・サーモンは「ドッグ・サーモン(Dog Salmon)」というニックネームがありますが、産卵時に犬歯に似た大きな「歯」が発達することに由来しています。成魚は体重10〜15ポンド(4.5〜6.8kg)、最大33ポンド(約15kg)になることもあります。

ピンク・サーモン(Pink Salmon)/ カラフトマス

ピンク・サーモンは、秋に産卵するパシフィック・サーモンの中で最も小さな種類です。大きな河川の本流や支流の塩水に非常に近い場所で産卵することが多いです。孵化してすぐに海に移動するため、海に近い場所で産卵するほど有利です。移動距離が短いため、捕食のリスクが減り、生存率が向上します。時には、カラフトマスは淡水を避け、直接塩水で産卵することもあります。オスのピンク・サーモンは、産卵期に背中に大きなコブができるため、「ハンプバック・サーモン」というニックネームがあります。そのライフサイクルは非常に規則的で、2年生きた後、次世代を産卵するために戻ってくるため、ワシントン州では、ピンク・サーモンの回遊は隔年でしか発生しません。体重は3~5ポンド(約1.4~2.3キロ)、最大で12ポンド(約5.4キロ)になることもあります。

サーモンの個体数の集計

バラード・ロックスのフィッシュ・ラダー

シアトルのバラードにある水門ハイラム・M・チッテンデン・ロックス(バラード・ロックス)では、海から淡水のレイク・ワシントンに入るサーモンの個体数を1972年から毎年集計しています。

現在、この作業はワシントン州魚類野生生物局と先住民のマックルシュート族が協力して集計しており、釣りのシーズン解禁に十分な数のソッカイサーモンがいるかどうか判断されます。

ソッカイ・サーモン:毎年6月12日から7月末まで集計されます。目標数の35万匹を上回る制御が回遊していることが予測される場合、スポーツフィッシングと部族による釣りのシーズンが解禁されます。

チヌーク・サーモン:7月下旬から9月にかけて集計されます。

コーホー・サーモン:9月1日から10月初旬まで集計されます。

バラード・ロックスでのサーモンの集計数は、ワシントン州魚類野生生物局の公式サイトで見ることができます。

サーモンのライフサイクル

イサクア・クリークに遡上してきたサーモンたち

サーモンのライフサイクルは個体群や種類によって異なりますが、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、アイダホ州のサーモンのライフサイクルは、河川で始まります。ここでは、シアトル地域のサーモンについて基本的な流れを簡単にまとめました。

STEP
孵化

シアトル地域には、二つの大きな水域があります。サーモンの卵は受精して数週間から数ヶ月間、卵の状態で過ごします。孵化したサーモンは、砂利の巣の中で栄養を取ります。

  • レイク・ワシントン水域:シーダー・リバーなどレイク・ワシントンに流れ込む河川で構成される
  • サマミッシュ水域:イサクア・クリークなどレイク・サマミッシュに流れ込む河川で構成される
STEP
水門のバラード・ロックスで、淡水から海水へ

数時間から数年にわたって川に留まったサーモンは、海へ向かいます。レイク・ワシントンを通ってシアトルのバラードにある水門バラード・ロックスに到達し、ゆるやかに海へ移動できるよう作られたフィッシュ・ラダーを通ります。そして、数日から数週間、河口域で栄養を取りながら、海に入る準備をします。

STEP
ピュージェット湾、そして太平洋へ

ピュージェット湾に入ったサーモンは、数年にわたって北米の西海岸沿いを広範囲にわたって回遊する間に成魚となります。海を回遊する期間は1〜6年と、種類によって異なります。

STEP
産卵のために生まれ故郷へ

数年かけて成魚となり、繁殖する準備が整うと、サーモンは生まれ故郷の川に向かうため、海から戻ってきます。生まれ故郷の川にたどり着くまで、急流、滝、人間や野生動物、水力発電ダムなどに遭遇したりして、個体数が減っていきます。

STEP
産卵・受精

生まれ故郷の川に辿り着いた成魚のメスは、砂利に数千個の卵を産み、それをオスが受精させます。産卵後、成魚は死に、その体は生態系の栄養となります。産卵の時期は種類によって異なります。

サーモンを見られるところ

ノース・クリークは、サーモンが産卵する小川の一つ

The Salmon SEEson program(サーモン・シーソン)は、夏の終わりから秋にかけて海から戻ってくるサーモンを観察するのにおすすめの川や小川を紹介するプログラムです。

おすすめの場所はいろいろありますが、主なものとしてこちらにまとめました。The Salmon SEEson program(サーモン・シーソン)の地図でチェックしてみてください。

  • Pipers Creek in Carkeek Park(ノースシアトル)
  • Longfellow Creek(ウエストシアトル)
  • North Creek (ボセル)
  • Issaquah Creek(イサクア・クリーク)
  • Cedar River(レントン)
  • Snoqualmie River – Chinook Bend(カーネーション)
  • Raging River(フォール・シティ)
  • Swan Creek Park(タコマ)
  • Fennel Creek(ボニー・レイク)
  • Chuckanut Creek(ベリンハム)
  • Hoh River(オリンピック国立公園)

自分で行って観察できる場所や、ボランティアの自然解説員に案内してもらい、サーモンのライフサイクルや保護活動、そして生息地の復元について学ぶことができるようになっています。

サーモンは、特に先住民族にとって、文化的、経済的、環境的に非常に重要な資源なので、キング郡やピュージェット湾周辺では、地元政府、部族、コミュニティグループが協力して、生息地の保護や復元、道路やその他の硬い表面からの汚染された未処理の雨水の管理など、サーモンを保護するためにできることについての教育を提供しています。

サーモンを見ることができる場所の地図をご覧ください。

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