Jason Hummel / Courtesy of State of Washington Tourism
San Juan Island National Historical Park
アメリカとカナダの国境に近くに位置し、「ワシントン州の宝石」と呼ばれるワシントン州のサンファン諸島。ハロ海峡、ロザリオ海峡、ファン・デ・フカ海峡という三つの海峡に囲まれ、大小700を超える島が点在し、常緑樹の森林、オルカの群れ、そしてピュージェット湾と北部海峡地域で最後に残る数少ない原生の草原で広く知られています。
この地には長い歴史があり、先住民たちにとって重要な場所となっています。ヨーロッパからの入植者が来る以前から、彼らはこの地域で漁業や狩猟採集を行い、自然と調和した暮らしを営んでいました。
サンファン諸島の中で2番目に大きいサンファン・アイランドでは、1859年にアメリカとイギリスが島の領有権をめぐって緊張状態に陥り、戦争寸前の危機が発生しました。1872年にドイツ帝国のカイザー・ウィルヘルム1世の仲介により、国際仲裁によってサンフアン島はアメリカ合衆国に帰属することが決まり、1966年から The Pig War（ブタ戦争）として知られるこの国境紛争の歴史を保存・解説するため、サンファン・アイランド国立歴史公園が設置されています。
そして、サンファン諸島の美しい自然を開発から守ろうとする住民や政治家の長年の努力が実り、2013年3月25日にオバマ大統領によって正式にナショナル・モニュメント（国定公園）に指定されました。同年には世界最大の旅行サイト 『TripAdvisor®』 で旅行者のレビューや意見によって決められる米国の島ランキング（Travelers’ Choice 2013）にてハワイのカウアイ島やマウイ島、フロリダ州のキーウェストなどよく名の知られた島々を抑えて1位に選ばれ、観光客が激増しています。
ハイキングやサイクリング、カヤックやキャンピングなどのアクティビティ、ホエール・ウォッチングやビーチでの水遊びなど、子どもから大人までさまざまなアクティビティが手軽に楽しめるのが魅力のサンファン諸島。ここでは、これらの島々のうち最もアクセスが簡単で観光やバケーションに適しているサンファン・アイランド、オーカス・アイランド、ロペス・アイランドをご紹介します。