ワシントン州の本土とカナダのバンクーバー島の間にあるオーカス・アイランドは、サンファン諸島最大の島。起伏は激しいですが、最高峰のマウント・コンスチチューションや、美しい淡水湖など大自然がそのまま残る、「サンファン諸島の宝石」です。
オーカス・アイランドの歴史
もともとネイティブ・アメリカンが自然と共に暮らしてきたこの島をスペイン人の探検家が発見し、『Orcas』 と名づけたのは1780年代初期のこと。南北戦争の直前の1850年代に白人が入植し、農業や漁業、狩猟、そしてこの島の最初の産業である石灰釜で働いて生活するようになりました。
1880年代半ば、この島の土が果物の栽培に適していることがわかると果樹栽培が盛んになり、1895年には19万5千ポンドのリンゴを出荷していました。その後、果物産業が衰退し始めると、オーカス・アイランドはバケーション地として開発が進められていきます。
1905年頃から1950年代はリゾート時代、そして個人の住宅や邸宅の建設ラッシュが続きました。今ではリゾート地となったロザリオは、シアトル市長を務めたこともあるロバート・モラン氏の住宅があった場所。同氏が寄付した所有地は、ワシントン州で最初の州立公園であるモラン州立公園となっています。
見どころ
モラン州立公園は、遊泳可能な淡水湖カスケード・レイクとマウンテン・レイク、そして30マイルのハイキング・トレイルのある州立公園。園内5ヶ所にテントを設置できる有料スペースが合計151ヵ所あり、トイレとシャワーも完備しています。夏季は連続10日間にわたりキャンプすることができます。鹿やアライグマなどの野生動物が生息しているので、キャンプ中の食料を正しく管理することをお忘れなく。
マウント・コンスチチューションは、オーカス・アイランドの東側にあり、標高2,409フィートを誇るサンファン諸島最高峰。モラン州立公園から車で頂上まで行くことができ、途中にはマウント・レイクやマウント・ピケット、ツイン・レイクスなどに行くトレイルもあります。頂上には1936年に完成した石塔があり、サンファン諸島の島々が一望できます。
オーカス・アイランドの道路は片側一車線のみ。自転車をレンタルしてみても。サンファン・アイランドよりも起伏が激しく、急カーブもあれば、路肩のない場所もあるので、十分な注意が必要です。上り坂には休憩所(bicycle turnout)が設けてあるので利用しましょう。
ホテルやレストラン、カフェやショップは、イーストサウンドに集中しています。すべて数ブロック内にあるので、歩いてまわることができます。オーカス・アイランド歴史博物館には約6千点の展示品があるので、オーカス・アイランドの歴史を詳しく知ると、単なる観光とは違った発見があるかもしれません。アウトルック・インなど歴史的な建物も要チェックです。夏はファーマーズ・マーケットもあるので、ローカルの食材をゲットしてみましょう。ここからアート・スタジオやゴルフコースのあるクロウ・バレーや静かなウエスト・ビーチにも簡単にアクセスできます。
アクセス方法
ワシントン州フェリー
ワシントン州フェリーには、車・徒歩・自転車で乗船できます。車で乗船する場合、ピーク・シーズンは予約がおすすめ。シアトル側から乗船する場合の発着所は、フィダルゴ・アイランドのアナコルテス市。
水上飛行機
ケンモア・エアによる水上飛行機。シアトル側から45~60分で到着。
ボート
自分でボートを操縦できる場合、島の各地にドッキングできる場所があります。人気が高いのは、ロザリオ、ウェスト・サウンド、ディア・ハーバーなど。