アメリカでは、サービスに対してチップを払う習慣があります。例えば、荷物を運んでくれたタクシーやシャトルの運転手、ホテルのポーターやルームサービス、レストランのサーバーなどがそうです。チップの相場はだいたい決まっていますが、ここでは American Hotel&Lodging Association が提案している金額もあわせてご紹介します。
タクシーやライドシェア
料金の10~15%が基本のようです。現金で支払う場合、釣銭をすべてチップとして渡す場合は "Keep the change." と言います。「お釣りの10ドルのうち5ドルだけ返してほしい(つまり5ドルはチップとして渡す)」という場合は、"Five dollars back, please." などと言います。ライドシェアでもタクシーでもアプリを使って支払いをする場合は、直接手渡すということはないので気楽かもしれません。
空港シャトル
空港から出ているシャトルは、乗客それぞれの目的地を周る乗合バスのようなもの。一定料金がありますが、荷物の持ち運びのサービスもついています。Shuttle Express によると、合計金額の15%-18%をチップとして渡すと喜ばれるとのこと。ニューヨーク・タイムズは、一人につき5ドルと掲載しています。American Hotel&Lodging Association は、ホテルが運行しているシャトルなら一人あたり1~2ドル、グループなら4~5ドルと提案しています。
ホテル
ポーター:
ホテルによっては、荷物1個につき数ドルの請求が請求書に含まれていることもあります。American Hotel&Lodging Association は、荷物1個につき1~5ドルと提案しています。チェックアウトで荷物を運んでもらう時も同様です。
部屋の掃除:
ホテルがルームサービスのサービス料を請求書に含めていることもあります。USA Today は、1日あたり3~7ドルという意見を掲載しています。American Hotel&Lodging Association は、毎晩1ドルから5ドルを提案しています。「現金と一緒にお礼のメモを残して、ハウスキーピングのお金であることを明確にしておきましょう」。
ルームサービス:
ホテルによっては、、ルームサービスの合計金額の15~20%のサービス料が請求書に含まれていることもあります。含まれていない場合は、ルームサービスの合計金額の15~20%を提案しています。
ドアスタッフ:
American Hotel&Lodging Association は、タクシーを呼んでもらう場合は1~2ドルを提案しています。荷物を運んでもらう場合は、
ヴァレー・パーキング
レストランやホテル、シアターなどで、駐車係に車を駐車してもらう Valet Parking では、車を返してもらった時に3~5ドル程度のチップを渡します。
レストランやカフェ
基本的に、ランチなら10%~15%、ディナーなら15%~20%が相場とされています。サーバーのサービスによってとてもよかったと思えば20%またはそれ以上、サービスがひどかったと思った場合は15%またはそれ以下と、個人によって考えが異なります。最近はチップの代わりに15~20%のサービス料をあらかじめ請求書に含める店もあります。その場合は店側がメニューと請求書にその旨を明記することになっています。二重に支払うことがないよう(店のスタッフが二重の支払いに気づいてもあえて指摘しないことがあります)、請求書をよく確認しましょう。
支払い方法
たいていのレストランでは、頃合いを見計らってサーバーが請求書(チェック)をテーブルに持ってきます。急いでいる場合はこちらから次のように言います。
Can I have the cheque, please.
May I have the cheque, please.
Could I have the cheque, please.
支払いはテーブルで行うのが一般的です。アメリカでは現金を持ち歩くことが少なく、クレジットカードで支払うことが多いです。
現金で支払う場合:
現金の場合、テーブルに置かれた勘定書きと一緒に、テーブルに現金を置くだけです。でも、屋外席などでそのまま置いて立ち去るのが心配な場合は、現金と勘定書きをサーバーに手渡しましょう。その際に、"Keep the change." と言って、お釣りはチップであると伝えることもできます。
サーバーから "Do you need the change?"(お釣りは必要ですか?)と聞いてきた場合、お釣りをチップとして渡す場合は、"No. That’s OK."(いえ、結構です)などと答えます。お釣りをチップとして渡さない場合、またはお釣りの一部だけをチップとして渡す場合は、テーブルに運ばれてきた勘定書きと現金を一緒にサーバに渡します。そのまま座っていると、きちんとお釣りを持ってきてくれる場合がほとんどです。勘定書きと一緒に、お釣りの中からとったチップを置いて、席を立ちます。万が一お釣りを持ってきてくれない場合は、"Could you please bring the change?" (お釣りを持ってきていただけますか)と言います。
クレジットカードで支払う場合:
バインダーに挟まれた勘定書きの場合は、バインダーにクレジットカードを挟んで、テーブルに置きます。サーバーがバインダーを取りに来るまで待ってもいいですし、こちらからサーバを呼んで、持っていってもらっても構いません。
しばらく待つと、カードと一緒にクレジットカード用のレシートが運ばれてきます。レシートは通常、MERCHANT COPY (店側のレシート)と CUSTOMER COPY (自分用のレシート)があります。(1)MERCHANT COPY と書いてある店側のレシートの TIP の欄にチップの額を記入し、(2)TOTAL の欄に代金とチップを合計した額を記入し、(3)SIGNATURE の欄にサインし、そのままテーブルに残します。CUSTOMER COPY と書いてある紙(一般に下の置かれている紙)は自分の控えです。
勘定書きにある金額はクレジットカードで支払い、チップは現金で支払うこともできます。その場合、上記の手順を踏み、TIP を書き込むところに "0.00"(または "0" と書いて、斜めの線で打ち消す形にする)と書き、TOTAL(合計金額)は勘定書きと同じ金額を書いて署名します。現金のチップを店側の控えと一緒に置き、席を立ちます。
更新:2020年9月