ノース・カスケード国立公園を通るノース・カスケード・ハイウェイを走ると、ワシントン州を東西に分断するカスケード山脈のワシントン・パス(峠)やレイク・ディアブロなど、ダイナミックな山岳地帯の風景が楽しめます。ベストシーズンは、緑あふれる7月から8月、唐松(ラーチ)などの紅葉が楽しめる9月から10月。冬季は大雪のため、一部区間が通行止めになり、初夏に再オープンするのが慣わしです。
基本情報
主な町:
ディアブロ
ニューハーレム
マーブルマウント
ロックポート
コンクリート
ノース・カスケード・ハイウェイの概要
リバティ・ベル山(約2,353m)に代表されるダイナミックな山岳地帯を走るノース・カスケード・ハイウェイ。緑あふれる7月から8月、唐松(ラーチ)などの紅葉が楽しめる9月から10月がベスト・シーズンです。
見どころは、標高5477フィート(約1670m)のワシントン・パス、標高4860フィート(約1458m)のレイニー・パス、そしてターコイズ色のディアブロ・レイクやロス・レイクなど。
ワシントン州東部から西部に向かい、ワシントン・パスを通過して下り坂を走ると、右手にロス・レイク・レクリエーション・エリアへの入口があります。このレクリエーション・エリアは広さ11万8千エーカーもあり、ノース・カスケード国立公園を体験するのにもっとも便利なところ。キャンプやハイキングも楽しめるので、夏にはとても人気があります
また、このレクリエーション・エリアに含まれているロス・レイク、ディアブロ・レイク、ゴージ・レイクという3つの貯水池(reservoir)は、シアトル・シティ・ライトの電力の源にもなっています。最大級のロス・レイク周辺ではキャンプやハイキング、ディアブロ・レイク周辺では1年を通して魚釣りやボート乗りができますが、夏季はコロニアル・クリークのそばでのキャンプも人気です。
ディアブロ・レイクの名前は、初期のスペイン人探検家に影響を受けたネイティブ・アメリカンのチヌック族の言葉で “devil” を意味する言葉に由来しているそう。ロス・レイクは緑色がかった青色、ディアブロ・レイクは深い緑色をしていますが、国立公園局によると、これは「浮遊する微細な岩石粒子が太陽光を屈折させてできる色」で、氷河の融解が起こる7月~9月の晴れた日に、最も鮮やかになります。ディアブロ・レイクの発電所のツアーや、湖を周る遊覧船によるツアーは、坂を下りきったところにあるニューハーレムのスカジット・インフォメーション・センターから毎年6月下旬から9月上旬まで運航しています。
ニューハーレムにあるノース・カスケード国立公園ビジター・センターで、公園の地図などの情報とハイキングやキャンプをするための許可証を入手しましょう。アメリカの史跡に登録されている町ニューハーレムには、手作りのファッジで有名なスカジット・ジェネラル・ストアがあります。さらに西へ進むと、広さ170万エーカーを誇るベーカー=スノコルミー国立自然保護区域に入ります。小さな町マーブルマウントで宿泊や食事もできます。
この後、Highway 20 は、ピュージェット湾へ向かって徐々に水量を増すスカジット・リバーに沿って続きます。6月から7月にかけてはラフティングが人気の川で、また、12月から1月にかけては白頭ワシが放卵中の鮭を狙ってやってくることでも知られており、1月末~2月上旬には白頭ワシのフェスティバルが開催されます。
さらに西へ進むと過疎化した町コンクリートに入ります。かつてはセメント生産の中心地として栄えたこの町は、1993年に公開された映画 『This Boy’s Life』 の舞台となったところ。映画の中にも出てくる “Welcome to Concrete” と書かれたサイロがあります。主演のレオナルド・ディカプリオが義父役のロバート・デ・ニーロ相手にすばらしい演技をしたことで高い評価を受けた作品ですが、現在の町は映画の様子と比べ、かなりさびれた感じがあります。
ノース・カスケード・ハイウェイの主な見どころ
Washington Pass Overlook
ワシントン峠 見晴台
標高5,477フィート(約1,670m)のワシントン峠の見晴台で大自然を満喫しましょう。周辺ではピクニックやハイキングも楽しめます。
ハイキング・トレイル
386マイルに及ぶトレイルが整備されており、標高が高くないトレイルは4月から10月までアクセスできることもあります。国立公園内なので、日帰りのハイキングで楽しめるトレイルは無数にありますが、ワシントン・パスから始まる初心者向けのハイキングは往復1マイル(約1.6km)のレイニー・レイク(出発点は駐車場の東側入り口横。地図番号 Green Trails 50)や、往復6.2マイルの Lake Ann/Maple Pass (地図番号 Green Trails 49 & 50)があります。
また、ニューハーレムからもたくさんの日帰り用トレイルにアクセスできます。森の中を歩いて川まで行く片道0.9マイルの River Loop や、ニューハーレム・クリークのキャンプグラウンドループCとDの間から始まる Lower Newhalem Creek といったトレイルは初心者レベルとされています。中級レベル以上とされているのは、往復7.6マイル・標高400フィートの Diablo Lake、往復4.2マイル・標高1,500フィートの Pyramid Lake。また、泊まりがけ(要許可証)のハイキングにしてもいいぐらいのトレイルは往復10.4マイル・標高2,300フィートの Thornton Lakes。ハイキングは自分にあったトレイルを選ぶことが肝心です。ノース・カスケード国立公園のサイトなどを見て、しっかり準備をしてから出かけましょう。
Northwest Forest Pass が必要なトレイルがあります。事前に必ずチェックし、パスを購入しておきましょう。
Diablo Lake Boat Tour ディアブロ・レイク・ボート・ツアー
ディアブロ湖を周る遊覧船によるツアー。ニューハーレムのスカジット・インフォメーション・センターから毎年6月下旬から9月上旬まで運航。所要時間は約2.5時間。
Skagit General Store スカジット・ジェネラル・ストア
スカジット・リバーの水力発電プロジェクトに携わっていた職員とその家族のために、1922年にオープンしたショップ。1940年代に一般市民も利用できるようになりました。手作りのファッジは人気、お土産としてもおすすめ。建物はアメリカの史跡に登録されています。
The Skagit River Bald Eagle Interpretive Center
ロックポート近郊にある白頭ワシの保護区域。広さは1,500エーカーで、毎年2月第1週末にはフェスティバルが開催されます。インタープリティブ・センターは12月中旬から2月中旬の週末と祝日に開館しています。