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ポート・アンジェルス&ハリケーン・リッジ:峡谷や山脈、海峡を一望

ファン・デ・フカ海峡に面したオリンピック半島北部最大の町ポート・アンジェルス(Port Angeles)。この地域はもともとネイティブ・アメリカンのスクララム、ホー、クイノルト、クイレユート、マカーといった部族が居住していた地域で、1850年代後半になって白人が入植し、港町として開発が始まりました。青森県むつ市と姉妹都市提携を結んでいます。

ポート・アンジェルスの歴史

ポート・アンジェルスという名前は、1791年にこの地を訪れたスペインの探検家が名づけたプエルト・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロス・アンジェルスを、翌年イギリスの探検家ジョージ・バンクーバーがポート・アンジェルスと英語化したのがそのまま使われています。

ポート・アンジェルスが面しているファン・デ・フカ海峡(Strait of Juan de Fuca)は、発見者のギリシャ出身パイロット、アポストロス・ヴァレリアヌスのスペイン名にちなんだものだそう。晴れていれば、海峡の向こうのカナダが見えます。

正式な街となったのは、リンカーン大統領がポート・アンジェルスの設置命令に署名した1862年。その後、長年にわたり製材業で栄えましたが、現在は歴史保存区にも指定され、オリンピック国立公園を訪れる年間約300万人が集まる観光地となっています。カナダのビクトリアとの約18マイルを往復する連絡船もここから出発しています。港付近は、この地域を拠点にしていた先住民、クララム族の居住地クララム・ビレッジの遺跡が2004年7月に発見されたことでも注目を浴びました。

シアトルのアンダーグラウンド・ツアーほど有名ではありませんが、ポート・アンジェルスにも満潮時の浸水を避けるため、1914年から建物の2階を1階にするなど、10フィートから14フィートの高さに道路を建設したことでできあがった地下の世界があります。ポート・アンジェルス観光局から出発しているヘリテージ・ツアーに参加して、歴史を自分の目で見てみましょう。

日本からの移民との歴史もあります。詳しくは日系アメリカ人のエヴリン・イリタニさんの著書 『ポート・アンジェルス―日本人とわが町』 などで知ることができます。

最大の見どころ:ハリケーン・リッジ

夏のハリケーンリッジ<br>©︎ Eiko

この地域の最大の見どころは、ポート・アンジェルスの町から約17マイル(約27km)、標高5240フィート(1597m)のところにあるハリケーン・リッジです。

曲がりくねった舗装道路を約40分ひたすら登り続けることになりますが、晴れていれば、マウント・オリンポス、オリンピック山脈、峡谷を一望できます。

ハリケーンという名の通り、夏も強風や霧に見舞われることもあるので、天候を確認してから出かけましょう。年中を通して気温が低く、天候が変わりやすいので、フリース、ウィンドブレーカー、あたたかいジャケット、帽子などをお忘れなく。

ハリケーン・リッジでのレクリエーション

真冬のハリケーンリッジからハリケーンヒルを結ぶトレイルからの眺め

ハリケーン・リッジは、夏はハイキング、冬はスノーシューやクロスカントリースキーが楽しめることで人気があります。

ポート・アンジェルスから登るハリケーン・リッジ・ロードがオープンしているかどうか確認しましょう。天候によって一時閉鎖となる場合があります。道路と天候の最新情報は Road & Weather line 電話 (360) 565-3131 と公式サイト Alerts & Conditions – Olympic National Park (U.S. National Park Serviceで確認できます。

天候に問題がなければ、朝は午前9時からオープンしますが、上り方面は午後4時に閉鎖、エントランスを出る最終時刻は午後5時となっています。標高5,242フィート(1,598m)にあるハリケーン・リッジは、冬季はスノーシューやクロスカントリースキーに人気がありますが、冬季は天候が不安定なため、限られた期間のみアクセスできるようになっています。

冬季のハリケーン・リッジでは、クロスカントリースキーとスノーシューが楽しめます。初心者向けコースから、経験者向けのバックカントリーまで多様なコースがありますが、ハリケーン・リッジの駐車場周辺よりも先に行く場合は、雪崩の可能性も考えておく必要があります。

天候と雪崩の危険性に関する最新情報は、Northwest Avalanche Center の公式サイトでご確認ください。

2023年5月に発生した火災で、ハリケーン・リッジのデイ・ロッジが全焼しました。その後は簡易トイレを設置するなどして対応していますが、2023-2024年の冬もロッジがないため、車の中で暖を取る必要があります。また、食事、飲料水、ギアの販売もないことから、全て持参する必要があります。冬は毛布や寝袋、タイヤのチェーンもお忘れなく。キャパシティの関係から、入場できる車の数に制限があります。満車の場合はエントランスで待機し、スペースが空いたら駐車できることになります。入場台数は入口のブースで勤務している公園職員が集計しています。詳細は公式サイトをご確認ください。車以外のアクセス方法には、クララム・トランジットのハリケーンリッジ・シャトルがあります。

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