アメリカ・ワシントン州の西端には、巨大なオリンピック半島があります。「見どころは?」「何ができる?」など、プランニングのお役立ち情報をまとめました。
地理 | オリンピック半島はワシントン州の西部にあり、西は太平洋、東はピュージェット湾、北はファン・デ・フカ海峡に面しています。オリンピック国立公園の面積は3,734平方キロで、奈良県とほぼ同サイズ、東京都の約1.7倍。そのほとんどは国有林に指定されています。 |
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気候 | 春から降雨量も少なくなり、晴れる日も多く、夏の気温は日中で20℃前後と過ごしやすい日が多いです。一方、冬は雪・雨・嵐など厳しい天候に見舞われる日が多くなります。 シアトルからも見えるオリンピック山脈の標高は約8千フィート(2,670m)。太平洋から吹きつける湿った暖かい風が山脈の西側斜面に大雨、頂上に大雪を降らせるので、西側の低地や谷の年間降水量は150インチ(3800mm)、山脈の頂上付近の降雪量は125フィート(38m)にもなります。 オリンピック半島の西側は冬は雨、夏は霧という気候のおかげで湿度が高いので、世界遺産に指定されている針葉樹のレインフォレスト(温帯雨林)が出来上がりました。緑の苔やヒカケノカズラに覆われたこの温帯雨林は北半球では唯一のもので、オリンピック国立公園の目玉の一つです。この地域の年間平均降雨量は米国本土最大の約140インチ(約3,550mm)で、雨が多いと言われるシアトルの約36インチ(約920mm)を遥かに超えています。 |
天候 | どんな場所でも、晴れの日と曇や雨の日とでは印象が大きく異なります。特に大自然の中に入り込むようなオリンピック半島の山間部や過疎地を走る際は、曇や雨では危険な上に、せっかくの景色も楽しめない。旅行をするなら、天候が比較的良い夏、そして晴れの予報が続く時を狙って行くようにしよう。しかし、舗装されていない道路では、晴れの日でも粉塵で視界がさえぎられるため危険度も増す。また、オリンピック半島の天気は不安定なため、ハイキングやキャンプも雨と風に対する装備が重要だ。 |
交通機関 | シアトルからは数社がオリンピック半島への日帰りツアーを定期または不定期で運行しています。でも、オリンピック半島を満喫するには、数日かけて車で移動するのがおすすめ。 車で行く場合、ワシントン州フェリーに乗って海を渡るのが近道です。シアトルの北約18マイル(約29km)の町エドモンズ(Edmonds)からキングストン(Kingston)行き(約35分)に乗ります。フェリーに乗らず、シアトルから州都オリンピア(Olympia)まで I-5 を南下してからオリンピック半島へ北上する方法もあります。ワシントン州フェリーは週末や夏場は利用客が多いので、可能であれば予約するのがおすすめです。 |
全行程にかかる日数 | 「とにかくオリンピック半島に行くこと」が目的なら、日帰りでも良いでしょう。でも、寄り道をしたり、キャンプをしたり、ハイキングなどのアクティビティをしたりして探検したりするなら、2泊3日がおすすめ。 |
道路事情 | オリンピック半島をほぼ一周する道路は、ハイウェイ101号線(Highway 101)があります。山間部はカーブが多く、ガードレールのない場所やセンターラインがほとんど消えているところや街灯がないところもあるので、日中でもヘッドライトをつける方が良いかもしれません。オリンピック国立公園の公式サイトやワシントン州運輸局の公式サイトなどで、道路状況を確認しましょう。 |
給油 | 各地にガス・ステーションはありますが、念のためにもガソリンは十分に入れた状態で旅行を楽しみましょう。 |
出発前の注意点 | 出発前にガソリンは満タンにし、旅行中は常に半分は入っているようにすること。 車を点検し、問題のない状態で出発すること。 イベント開催期間や夏休み期間は宿泊先を早めに予約すること。 車中泊は危険なので避けること。 キャンプをする場合、予約ができるところは予約すること。 道路状況を確認すること。 |
宿泊のオプション | ホテル、モーテル、コテージ、キャンプ、バケーションハウス、キャビン、ユルトなど、さまざまな宿泊オプションがあります。 オリンピック国立公園内の宿泊施設: レイク・クレセントの北岸:Log Cabin Resort レイク・クレセントの南岸:Lake Crescent Lodge ポート・エンジェルスの西:Sol Duc Hot Springs Resort(硫黄の温泉プール) ポート・エンジェルスの南西:Kalaloch Lodge |
入園パス | エントランス・パスをオンラインで購入 |
その他の許可証や費用 | ノースウェスト・フォレスト・パス フィッシング・ライセンス(釣りや潮干狩りに必要なパス) |
持参した方が良いもの | ・ ウォータープルーフのジャケットやウィンドブレーカー ・ 折りたたみ傘 ・ スマートフォンとチャージャー ・ 現金/クレジットカード ・ トイレットペーパー ・ ウェットタオル ・ 日持ちのする果物 ・ 日持ちのするスナック ・ 常備薬 ・ 応急処置用品 ・ 水着 ・ レジャーシート、ゴザ ・ 日焼け止め ・ サングラス ・ 飲料水 ・ 懐中電灯 ・ 余分の電池 ・ パンクしたタイヤの取替えに必要な器具 ・ 一時停車する際の表示に使用する器具 その他、テントを使ってキャンプをするなら、エアマットレス、防水シート、小型 BBQ グリル、炭(charcoal)などを準備して出かけましょう。 |
犯罪に巻き込まれないために | 町と町を結ぶ道路は、夜間は特に人も車もほとんど通行していません。夜間に過疎地を走行するのは避けるのがおすすめです。また、車上狙いは田舎でも発生します。車に貴重品を置いて離れないようにしましょう。 |
事故・違反 | 事故の際は警察(911)に通報し、人身事故なら救急車も呼ぶこと。万が一、交通規則違反で捕まった場合は、警察の指示に従うこと。とにかく安全運転を心がけましょう。 |
野生動物 | 豊かな自然に恵まれたオリンピック半島には、たくさんの野生動物が生息しています。野生動物に餌をやらないこと。 各地のゴミ箱はクマを寄せ付けないよう特別仕様になっています。キャンプをする際は食べ物は高い木にぶら下げ、テント内に置かず、料理をする場所はテントから離れたところにするなどの注意が必要です。 |
役立つリンク | ・オリンピック国立公園 ・ワシントン州 州立公園 ・ワシントン州運輸局 ・ワシントン州フェリー ・ワシントン州魚類野生動物局 |