3日目の行程:フォークス→ホー温帯雨林→ルビー・ビーチ→クレイロック→クィノルト・レイク→シアトル
【午前6時30分】
テレビのニュースで現在の天気を見ると、フォークスは曇りで56Fとなっていた。シアトルは曇りで53F。モーテルの隣にある Forks Cafe まで歩き、朝ごはんを食べる。オートミールやパンケーキ($2.95)など典型的な朝ごはんメニューが並ぶ。どれもかなり安く、ウェイトレスもとてもフレンドリーだが、タバコでかなり煙たい。急いでパンケーキを食べてモーテルへ戻り、出発の準備をする。
【午前7時25分】
モーテルのオフィスに鍵を返してチェックアウトする。今日はオリンピック半島最大の見どころであるホー・レイン・フォレストが最初の目的地だ。Highway 101 を南へ向かう。
【午前7時40分】
ホーへ続く道へ左折する。「ゲートまで12.5マイル(約20キロ)、ビジター・センターまで18.5マイル(約30キロ)」という標識が出る。約10分後に、”Hard Rain Cafe” という小さなカフェのそばを通過。ここからだんだん道が細くなり、両側の木々にコケがはりついているのが見えるようになる。
【午前8時】
オリンピック国立公園への入り口に到着。ここでまたパスを見せて入園する。ここからビジター・センターまで6マイル(約10キロ)だ。約5マイル走り、キャンプやアウトドアのギアを売っている Park 6 Adventure Store のそばを通過する。
【午前8時10分】
ビジター・センターに到着。私たちの車以外はまだ2台しか停まっていない。ビジター・センターはまだ開いていないので、そのままホー・レイン・フォレストのトレイルへ向かう。ここからは4本のトレイルがあり、最短のトレイルは Mini Trail で0.25マイル、高さ200フィートのメープルの木(写真右)を見ることができる Hall of Mosses は1.5マイル(約2.4キロ)、森の中を歩く Spruce Nature Trail は1.5マイル、最長のトレイルは Hoh River Trail で17.3マイル(約28キロ)となっている。今回は Hall of Mosses と Spruce Trail を歩くことにする。私たち以外には誰もいない。まだポツポツと雨が降っており、その水滴が木にあたる音まで聞こえるほど静かだ。
温帯雨林や植物についての説明を書いたディスプレイがトレイルのあちこちに設置されており、それを読みながら進んでいく。森全体が静かに呼吸し、不思議なエネルギーに満ちているように感じ、いつまでも歩いていたい気分にさせられる。このトレイルで見かけた野生動物は小さなチップマンク(リス)だけだった。約2時間トレイルを歩き回ったが、まだまだこの広大なレイン・フォレストの一部を見ただけに過ぎない。次回来るときは、1日かけて Hoh River Trail を探検してみたい。
【午前10時10分】
ビジター・センターへ向かう。突然騒がしくなり、ふと見ると駐車場は満車で、ビジター・センターも混雑している。こんなに騒がしいまま温帯雨林を見てしまうと、エネルギーを感じるどころか、その印象すら変わってしまうだろう。やはり誰もいない早朝に出かけるのがおすすめだ。ビジター・センターには興味深い展示物がいろいろあり、レンジャーがガイドになるツアーも出発している。ここで日本の両親にこのレイン・フォレストのハガキを買う。ビジター・センターは切手を販売していないが、先ほど通り過ぎた Hard Rain Cafe で購入できるとのことで、そこに寄ることにする。車の中でハガキを書き終え、出発。
【午前10時20分】
Hard Rain Cafe に到着。ここでは軽食も食べることができ、屋外の席でチーズバーガーなどを食べている人たちがいる。切手を買うと、「ここから郵送もできるから」と、オーナー夫妻が私のハガキを Outgoing Box に入れた(それから1週間後、このハガキはちゃんと両親の元に届いている)。店内はギフトショップにもなっており、スモーク・サーモンや菓子類、土産物などを販売している(スモーク・サーモンは冷蔵庫に入れる必要があるものばかりだったので購入できなかった)。このカフェのためにフォークスで梱包されているという、ワイルド・ハックルベリー・ティー($3.95)を購入。このティーは味は普通のセイロン・ティーだがハックルベリーの香りがとてもよく、土産にいいかもしれない。同じハックルベリーのチョコレートもある。このカフェが現在売りに出されているという張り紙を見てオーナー夫妻に聞いてみると、夏の2ヶ月ぐらいで30万人が訪れるため、「もう年だから、引退したい」そうだ。夫妻はかなり若いころからこのカフェを経営しているようで、昔の写真がたくさん貼ってある。
【午前11時15分】
Highway 101 を南下し、ルビー・ビーチに到着。この名前はところどころに見える赤土に由来している。駐車場からビーチまでは数分。海岸をのんびり歩いてみる。家族連れが多く、あちこちで写真撮影大会が繰り広げられている。約40分ほど散歩をし、車に戻ってまた南下する。
【午前12時】
クレイロック・ロッジに到着。ここはロッジまたはキャビンで宿泊できるようになっている。そばにはキャンプグラウンドもあり、どれも太平洋に面しているので、かなり環境はいい。ロッジのそばにある食料品店にランチを買いに行ってみるが、スナックなどしかなかったので、クレイロック・ロッジで食べることにする。ここのダイニング・ルームからは海を見ながらの食事が楽しめる。今日のスペシャルというハリバット・サンドイッチ(写真右 $7.50)をオーダーするが、出てきたものはハリバットをフライしてバンの上に乗せた、いわゆるフィッシュ・バーガーだった。あっさりしたものが食べたい場合は、ターキー・サンドイッチ($7)などがおすすめ。
【午後12時50分】
早々にランチを終えて、Highway 101 を南下する。次の目的地はクィノルト・レイクだ。ネイティブ・アメリカンのクィノルト族の名前がそのまま使われており、クィノルト・レイクの南端はクィノルト族居住地の一部となっている。
【午後1時】
“Entering Quinault Indian Reservation” という標識が見える。数分後に Queets River を越える。
【午後1時30分】
レイク・クィノルト・ロッジに到着。周辺にはゼネラル・ストア、サーモン・ハウス・レストラン、小さなミュージアム、そして “World’s Largest Spruce Tree” などがある。湖に面したロビーから中庭へ行ってみる。太平洋の荒々しい感じとは違い、湖は穏やかで、芝生が敷き詰められた中庭ではクリケットをする親子や、ピクニック・テーブルでおしゃべりを楽しんでいるグループなどがいる。こんなのどかな場所に1泊してみたい・・・。
【午後2時】
宿泊するにせよしないにせよ、ここではクィノルト・レイン・フォレストを歩いてみるのがおすすめだ。このレイン・フォレストはオリンピック半島に現存している3つのレイン・フォレストの1つで、最も南にある。雨期はものすごい雨だろうが、この時は雨が降るどころか晴れ渡って気温が上昇し、歩いていると汗をかいた。短いトレイルは0.5マイル(約0.8キロ)だが、これではレイン・フォレストの醍醐味はあまりわからないので、4マイル(約6.4キロ)のループ・トレイルを1周してみる。しかし、フォー・レイン・フォレストと比べると、巨大な木やコケに覆われてうっそうとした森の感じがない。どうせオリンピック半島に行くなら、ホーとクィノルトの両方に行ってみるのがいいだろう。
【午後4時】
ハイキングを終え、帰路に着く。ここからシアトルまでは約150マイル(240キロ)。短いながら盛りだくさんな2泊3日だったが、オリンピック半島の見どころをチェックして、またじっくり探検するためのプランを立てるいい機会となった。太平洋岸のビーチはもちろん、ホー・レイン・フォレストの長いトレイルもぜひハイキングしてみたいし、クィノルト・レイクのロッジにも泊まってみたい。まだまだ見るところはたくさんありそうだ。