シアトルの短い夏をめいっぱい楽しむ近道はなんといってもキャンプ。春先に REI に行くと、「夏が来るのを待ちきれない!」と言わんばかりにところ狭しとキャンプグッズが並び、毎年便利になるキャンプグッズをついつい必要もないのに買ってしまったり。さあ夏がやってきました。今年もキャンプを楽しもう!
キャンプは州立公園で
ワシントン州でキャンプをするなら、まず州立公園をチェックしてみましょう。ワシントン州には州全体に州立公園が整備されていますが、キャンプサイトが整備されているところも多いです。
マウント・レーニアやオリンピックなどの国立公園内、民営のキャンプサイトなどもありますが、州立公園のキャンプサイトはどこも施設がよく管理されていて、キャンプ初心者でも気軽に楽しめます。予約がしやすいのも、よく利用する理由の一つ。
goingtocamp.com という名前からしてワクワクしてしまうサイトとキャンプのバイブル 『Camping Washington: The Best Public Campgrounds for Tents & Rv’s』 を片手にキャンプサイトを選び始めると、何か月も先のキャンプにもう行ったような気分になってしまいます。
今年のキャンプはコロンビア・ゴージから
さて、今年最初のキャンプに選んだのはコロンビア・ヒルズ州立公園。コロンビア・ゴージ(コロンビア渓谷)にある小さな街ダレスポート(Dallesport)にほど近い場所に位置するこの公園は シアトルから車で4時間くらい、ヤキマからゴールデンデール(Goldendale)を経由するドライブコースでは、マウント・レーニアやマウント・フッドなどを遠望できる素晴らしい風景に圧倒されます。
州立公園に入るとすぐ、Horsethief Butte と呼ばれる大きな崖が目の前に飛び込んできます。キャンプサイトはもうすぐそこですが、ここで軽くトレッキングをしてみましょう。トレイルヘッドからぐるっと一周しても1.5マイル(約2.4km)くらいの軽いコースながら、その大きさに必ず圧倒されます。Butte の上から見るマウント・フッドの姿は素晴らしいの一言。一面乾燥した砂漠のような場所から雪で覆われた山を見ると、一瞬距離感を失ってしまうような不思議な感覚になります。
なお、この Horsethief Butte にはその昔ネイティブ・アメリカンが残した壁画のようなものが残っているようです。筆者一行は見つけることができなかったのですが、先人の足跡を見つけながらトレッキングをするのもなかなかおもしろそうですので、ぜひチャレンジしてみてください。
ハイキングのあとはワイナリーで一休み
ハイキングで汗を流したあとは、ワイナリーでテイスティングを楽しんでみてはいかがでしょう。この公園の近くにはいくつかワイナリーがあり、キャンプサイトから15分くらいの距離のところでも10軒ほどあるようです。
筆者たちが訪れたワイナリーは Jacob Williams Winery。テイスティングルームからはコロンビア・リバーとマウント・フッドの雄大な眺めを一望でき、ブドウ畑を駆け抜けてゆく風の音を聞きながらついつい長居を決め込んでしまうような雰囲気のよいワイナリーです。筆者はドライブ担当なので肝心のテイスティングはできませんでしたが、同行者いわく、とてもおいしいワインを楽しめたそうです。
キャンプサイトで星を眺めよう
筆者はこの州立公園が一目でとても好きになったのですが、その理由はなんといっても、キャンプサイトからの星空の眺めが素晴らしいこと。ほんの5マイル(約8km)ほど先には飛行場もあるような場所にも関わらず、夜空は暗く、大きな崖の上に映し出される天の川の美しさは一度見たら忘れられません。
夜空を見るのにお勧めのもう一つの場所は、同じ州立公園の中にある Dalles Mountain Ranch。キャンプサイトから5マイルほど(約8km)の小高い丘の上にあるトレイルヘッドに車を止めると、360度さえぎるものがない満天の星を堪能することができます。
北の空は人工的な光が一つもない静寂そのものの空、南の空はオレゴン州側にある Dalles の町明かりに照らされたかのような天の川がそそり立ちます。立って見るだけでは全天を見ることができないので、レジャーシートを持っていってゴロンと寝ころびながらゆっくり見てみましょう。一つ一つの星がこんなにも色が違うことに気づかせてくれる星空には、なかなか他の場所ではお目にかかれません。
いかがでしたか?ようやく始まったシアトルの夏、これからでもまだまだ予約できるキャンプサイトはたくさんあります。これまでやったことのない人はテントと寝袋を車に積んで、ぜひキャンプにチャレンジしてみましょう。
キャンプに行ってアクティブにさまざまなことをやるもよし、ひたすら昼寝をするもよし。楽しみ方も人それぞれですので、自分にあった楽しみ方を見つけて、夏は毎週リフレッシュ!
掲載:2016年7月 更新:2019年5月 写真・文:保坂隆太