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シアトルでアウトドア: キャンプ三昧@シアトル – ポットホールズ州立公園

今年2回目のキャンプに選んだ場所はコロンビア・リバーの東、シアトルから車で約3時間の場所にあるポットホールズ州立公園。シアトルの夏!といえば東に行って砂漠を見るしかない!という理由だけで選んだ場所でしたが、行く途中、帰る道すがらに立ち寄った場所もなぜこんな場所が観光名所にならないの?というほどに素晴らしいところばかり。キャンプサイトも美しく、キャンプ初心者の方にもおススメの場所です。

ハンフォードリーチ:コロンビア・リバーの眺め。遠くに小さく見える人工物が核施設。

手つかずの自然をドライブ – ハンフォード・リーチ国立モニュメント

ワシントン州の東にはたくさんの手つかずの自然があり、キャンプをする楽しみの一つは、これまで行ったことのない場所を地図で探すこと。今回選んだ場所はハンフォード・リーチ国立モニュメント。I-90を東に進み、バンテージの町を過ぎたあと右に曲がり、延々と続く果樹園を過ぎたところに位置するこの場所は、ハンフォード核施設をはさんで南北に広がる広大な地域です。ハンフォード核施設があったおかげで1940年代から長い期間にわたり人の手がまったく入っておらず、エルク、ハリネズミなどさまざまな動物にも出会うことができるそうです。

筆者が訪れた週末は残念ながら動物を見つけることはできませんでしたが、コロンビア・リバーが作り上げた不思議な地形と、遠くに点在する核施設、さらにそれを取り巻く砂漠のコントラストはなんとも不思議な光景。ここで火星生活のトレーニングをしますと言われたら納得しそうな静寂もまた独特です。2000年に国立モニュメントとして指定された新しいエリアなので、観光案内所やトイレといった施設は何もありませんのでご注意ください。エリア内の道はかなりの砂利道ですので、SUV で行かれることをお勧めします。

湖の横で快適キャンプ

手つかずの自然を楽しんだあと到着したポットホールズ州立公園はポットホールズ貯水池の横に広がる広大な(240ヘクタールもあるそうです)州立公園です。この公園には RV(キャンピングカー)用とテントサイトが用意されているのですが、ここでキャンプをするのであれば迷わず RV 用サイトを選びましょう。キャンプサイト全体が芝生で覆われ、一つ一つのキャンプサイトは4~5つのテントを並べてもまだ空きがあるくらいに広いスペースがあります。さらに子供が走り回れるようなレクリエーションエリアもあり、家族向けのキャンプサイトとしてはもっともよく整ったサイトの一つです。

キャンプサイト。とにかく広いスペースと美しい芝生。

このキャンプサイト、正確にはポットホール貯水池に面して作られたサイトです。貯水池というと小さなものを想像しがちですが、人工的に作られたとは思えないほど広い湖はウォータースポーツをする人でにぎわう場所です。キャンピングカー用のサイトにはどれだけの大きさ?とびっくりするほどのボートがたくさん見つけられますが、ボートがなくても釣り、バードウォッチング、ハイキングとさまざまな楽しみ方で過ごすことができます。筆者は少し早起きしてトレイルをランニングしてみましたが、ゆったりとした湖面を眺めながら走るだけでなんだかとても得をした気分になりました。

キャンプサイト近くにも見どころがあり、車で5分ほど行ったところにあるオサリバン・ダム(O’ Sullivan Dam)は一見の価値ありです。石積みのダムとしてはアメリカでもっとも規模の大きなダムの一つだそうで、周囲のダイナミックな地形とのコントラストはなかなかのものです。

ポットホール貯水池の朝

いにしえの湖を目指してハイキング – Ancient Lake Trail

快適なキャンプを楽しんだあと、同行した友人から「せっかくだからもう一つ面白いところに行ってみる?」というなんとも不穏なお誘いが(この友人が「30分歩くハイキングです」と言ったときは必ず1時間歩くのです)。まだ朝も早い時間だったので、せっかくだから行ってみようか、ということで立ち寄った場所は、クインシーからほど近くにある Ancient Lake Trail というところです。

案の定、一時間歩かされるはめになったものの、砂漠の中に突然広がる湖と滝、そして色とりどりの花がおりなす光景は圧巻の一言。これだけの風景にも関わらずここもまったく名前が知られていないらしく、ハイキング中はたった一組のハイカーとしか会うことがないという、贅沢なハイキングでした。どれくらい素晴らしい?これが日本なら間違いなくお饅頭を売ってるはず、と言っておきましょう。それくらい美しく、ダイナミックなのです。

Ancient Lake。いくつかの湖と滝がトレイルに沿って点在している。

今回のキャンプサイト、いかがでしたか?筆者一行はどうもキャンプサイトでゆっくりすることがなく、いつも地図の上で行ったことのない場所を探してはちょっとした探検に出かけてしまうのですが、キャンプサイトでゆっくりと家族で過ごしてみるのもとてもいいですよね。ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけて、自然に囲まれた夏の週末を楽しんでください。

掲載:2016年7月 更新:2019年5月 写真・文:保坂隆太

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