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シアトルでアウトドア: シアトルからたった2時間。砂漠に行ってみよう!

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シアトルにいるなら砂漠に行かないと!なんてまず誰も思いませんよね。確かによくテレビで見るような砂丘があるような砂漠ではありませんが、シアトルから車で2時間ほど行くと、広大で果てしなく続く地平線に浮かぶ砂漠が見られるのです。日帰りでも行ける砂漠の冒険、夏のデイトリップにいかがですか?

砂漠を目指してドライブ

ワシントン州はカスケード山脈の東側に入ると、とたんに気候が変わり、シアトル側に見られるような針葉樹が育たない乾燥気候になります。シアトルからあまり時間をかけずに砂漠への冒険を堪能するなら、I-90をひたすら東に走って、まずエレンズバーグを目指しましょう。特に夏のこの時期は暑くなる(摂氏35度を超えるようなこともしばしばです)ので、ここで軽く食事をとります。エレンズバーグでのおススメお昼ご飯は 『The Yellow Church Cafe』(イエローチャーチカフェ)。

シアトルからたった2時間。砂漠に行ってみよう!

おススメは自家製バンズのバーガー。つけあわせのポテトサラダがとてもおいしい。

古い教会をリノベーションした店内は地元の人でいつも賑わっているので、ちょっと早めのお昼をとるくらいのタイミングで行くといいでしょう。おすすめは自家製のパンがバンズになっているバーガー。大きいのでナイフで切りながら食べるくらいですが、これを食べれば砂漠の暑さのハイキングでめげることもありません。

砂漠!

エレンズバーグを出ると、すぐに車の前後の景色が一面乾燥した丘に変わります。行く手の左側に風力発電の風車が途切れることなく並ぶ風景に圧倒されながら走り続けると、30分くらいで目の前にコロンビア・リバーが広がります。コロンビア・リバーの東西には砂漠でハイキングを楽しめる場所がいくつか点在しているのですが、中でも必ず見ておきたい場所が Frenchman Coulee(フレンチマン・クーリー)と呼ばれるところです。

シアトルからたった2時間。砂漠に行ってみよう!

Frenchman Coulee(フレンチマン・クーリー)。車を降りると目の前に巨大な岩の壁。

ここはシアトルのロッククライマーならば必ず知っている場所で、夏のこの時期はいつもロッククライマーのグループが熱心に練習をしています。ロッククライミングをするためにはきちんとした準備が必要ですが、岩の隙間を歩くと岩のほぼ頂上まで行けるルートがあります。子供の足でも車から降りて10分も歩けば目の前には壮大なパノラマが。夏の空に気持ちよさそうに浮かぶ雲と無限に広がるお皿のような砂漠のコントラストは、一度見ると忘れることができない光景です。風の音以外には何も聞こえないので、いつもここに来ると、「火星ってこんなところなのかなあ」と思ったり。夏のこの時期に必ず一度は訪れますが、何も変わらないのになぜかもう一度行ってみたくなる、とても不思議な場所です。

シアトルからたった2時間。砂漠に行ってみよう!

Frenchman Coulee(フレンチマン・クーリー)から眺める砂漠。

ちょっとだけ歴史散歩

フレンチマン・クーリーでハイキングを楽しんだら、コロンビア・リバーの対岸にある州立公園 – ギンコ・ペトリフィールドフォレスト州立公園に行ってみましょう。この公園はI-90を挟み南北に広がるのですが、I-90の北側にある公園事務所には小さな資料館があり、この地域の自然がどのようにして作られたのかを知ることができるようになっています。資料館のすぐ横にはなんと木の化石がゴロゴロ。このエリアは1500万年前には針葉樹が生い茂る森だったのだそうです。木の化石をじっくり観察したらもう一度資料館に行ってビデオを見ると、どうやって木が化石になったのか、種明かしをしてくれますよ。

なお、この公園にはキャンプ場が併設されていて、一年を通してキャンプをすることができます。この辺りは民家も少ないので星の美しさは素晴らしいものです。が、周りに無数の風車がいつも動いているような場所なので、年中ものすごい勢いの風が吹きます。キャンプサイトもよく整備されていてとても好きなキャンプサイトの一つですが、もしここでキャンプをしたい場合には覚悟していきましょう。去年キャンプをしたときにはあやうくテントごと吹き飛ばされそうになり、あとでテントの支柱が元に戻せないくらいに曲がっていました。

シアトルからたった2時間。砂漠に行ってみよう!

ギンコ・ペトリフィールド州立公園にある木の化石。

いかがでしたか?この周りにはほかにもワナパム・ダム(Wanapum Dam)などがあり、デイトリップ、もしくは一泊キャンプをはさんだ週末の小旅行にはちょうどいい、でもとても不思議で何度も来たくなる場所です。ユニバーサル・スタジオのジュラシック・パークに行くなら断然こっち。何しろ目の前には本物の化石が転がっていて、昔恐竜が歩いていたと思わせるような壮大な自然が広がっているんですから。暑さ対策をしっかりして、今年の夏は砂漠に行ってみよう!

掲載:2016年6月 更新:2019年5月 写真・文:保坂隆太

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