
Britannia Brewing Corp.
シアトルから車でI-5を北へ約2時間、国境を越えてカナダに入ったらすぐの街、リッチモンドとスティーブストンでは、数年前からバー・ホッピング・ツアーの人気が高まっていることをご存知でしょうか。貸し切りバスで昼間から数時間かけて4~5か所のブルワリーやパブをまわり、いろいろな種類のビールを楽しんだりするものから、それぞれの距離が近いのでタクシーで数軒まわる方も。今回は、その中から選りすぐりの3軒をご紹介します。
地ビールの多様性を味わうなら、ここ!
Fuggles & Warlock Craftworks
ファグルズ・アンド・ウォーロック・クラフトワークス

地ビール工場にティスティング・ルームを併設しているこのブルワリーは、メキシコ・韓国・日本などへの進出も果たした国際派。特に "ギーク・カルチャー"(オタク文化)を色濃く反映した、アニメのようなラベルやゲームのオマージュを感じさせるラベルも人気の秘密です。

ホップ香る、IPA 好きにはたまらない Destiny IPA や、ビールが苦手な女性にも大人気の The Last Strawberry Witbier(フレッシュなイチゴを使ったビールで、2016 Canadian Craft Brewing Awards のフルーツ部門ビールで3位を獲得)、地ビール好きの間でファンが増えている酸っぱいビール、Sour beer のセレクションも有名で、特に Kiwami Plum Sour(梅サワービール)は漢字の「極」が描かれた缶ビールが人気です。また、コーヒー好きなら一度は味わって欲しい、コーヒービール部門で1位を獲得した Bean Me Up Coffee Milk Stout(黒ビール)もはずせません。

ティスティング・ルームでは常時8種類のビールが楽しめますが、いろいろ試したい場合は4種類をミニグラスで味わえる Taster Rack(テイスターラック)にトライしてみては。

広々としたティスティング・ルームではローカルの各有名店から取り寄せたサモサ、ミートパイ、ドイツ風サンドイッチ、Mrs. Fuggles の薄焼きピザなど、ホットフードもあります。お子様連れの方はもちろん、ペットも入店可能です。1リットル、または2リットルのグラウラーで生ビールをテイクアウトすることもできます。
Fuggles & Warlock Craftworks
#130, 11220 Horseshoe Way, Richmond
(604) 285-7745
fuggleswarlock.com
純米酒を昔ながらの製法で少量生産。とことんこだわった地酒
YK3
ワイ・ケー・スリー

杜氏の春日井敬明さん
前出の Fuggles & Warlock Craftworks から徒歩2分のところにある YK3は、事前に予約をしないと入ることができない特別な場所。
「軟水の質が良かったから、ここに決めた」とは、杜氏の春日井敬明(かすがい・よしあき)さん。長野県、滋賀県、そしてバンクーバーで20年以上酒造りに携わり、2004年に長野で開催された Sake Technical Competition において1位を獲得したベテランで、すべて手作業で少量ずつ丹精込めて仕込みます。
米国カリフォルニア州から取り寄せた酒米をゆっくりと蒸しあげ、もろみは機械を使わずに槽搾り(ふねしぼり)という昔ながらの方法で優しく搾るそう。ゆっくりと時間をかけて絞ることで、雑味のないすっきりとした味わいの日本酒に仕上がります。

Yu 純米酒(精米歩合70%)はロサンゼルス世界ワイン大会において2015年には銅メダル、2017年には銀メダルを受賞。純米酒らしい厚みのある旨味と酸味、そして青リンゴを思わせる爽快さとナッツのような香ばしさのある香りが重なります。冷酒・燗酒のどちらの温度でもおいしくいただけるので、ぜひ試してみてください。BCリカーストアやプライベートのリカーストアで購入できます。
※一番近い BC リカーストアは隣接する Ironwood Mall 内にあります。駐車無料。
YK3 Sake Producer Inc.
Unit 23, 11151 Horseshoe Way, Richmond
(604) 821-0539
www.yk3sake.com
生ビールは常時11種類 季節限定のビールも
Britannia Brewing Corp.
ブリタニア・ブリューイング・コープ

ブリタニア・ブリューイング・コープの醸造所はすでにご紹介した2軒からすぐのところにあり、グラウラーでの生ビールの持ち帰りがメインです。ビールを飲んで食事をしたいなら、そこから車で10分ほど西へ行ったスティーブストン・ビレッジのレストランへ。生ビールは常時11種類が揃い、漁港の街スティーブストンならではのシーフードとのペアリングが楽しめます。
同ブルワリーの Adrift Blonde Ale と Ashore Rye Porter は、2018年に BC Beer Award を受賞。今の時期ならローカルのブルーベリーを使った Blueberry Garden Ale という季節限定のビールが楽しめます。
Britannia Brewing company(Taphouse/Restaurant)
12240 Second Avenue, Steveston Village
(604) 273-9379
Britannia Brewing Corp.(Brewery)
110-12500 Horseshoe Way Richmond
(604) 270-9252
www.britanniasteveston.ca
掲載:2018年12月 取材・文:ゆりえ ほよよん
写真:Fuggles & Warlock Craftworks、Britannia Brewing Corp.、YK3