シアトルから高速道路 I-90で東へ約4時間、ワシントン州を横断して到着するスポケーン(Spokane)は、ワシントン州で2番目に人口が多い都市。スポケーン・リバーが流れ、滝の上をゴンドラが通り、夏も冬もアウトドアアクティビティが楽しめる街に出かけてみてはいかがでしょうか。
ダウンタウンで歴史散策
スポケーン・リバー沿いに建設された街スポケーンは、セルカーク山脈の麓にあり、カナダ国境の約92マイル南、アイダホ州境から18マイル西、シアトルからは州間高速道路90号線を経由して279マイル東にあります。
大都市圏の経済と文化の中心地でもあるスポケーンは、もともと天然資源をリソースとする産業が盛んでしたが、ハイテクやバイオテク業界など、他の産業も加わって多様化しています。また、ワシントン州立大学スポケーン校やゴンザガ大学などがあるおかげで、若手の人材や専門知識が集まりやすいことも特徴の一つです。
ダウンタウンの中心部には、チャールズ・リンドバーグやジョン・F・ケネディも宿泊したことがあるダベンポート・ホテルなどがあり、周辺には歴史的な建築物が多く建ち並びます。
ダウンタウンの歴史を巡るウォーキングなら全長4.5マイル(約7.2km)の Spokane Area History walk をチェックしてみてください。 買い物をするなら、リバーフロント・パークに面したショッピング・モールのリバー・パーク・スクエアもぜひ。
ナショナル・ジオグラフィックが「アメリカで最も美しい都市公園の一つ」と評したリバーフロント・パークは、広さ100エーカーのオアシス。かつては1902年に完成したグレート・ノーザン鉄道の駅があったところですが、1974年の世界万博のために取り壊され、「シカゴの西にある最も素晴らしい駅」と言われた面影を伝えるのは時計台のみとなっています。世界万博開催後、公園はそのまま保存されましたが、2014年から大規模な工事が行われ、市民の憩いの場として再生しました。週末や祝日の夜は US Pavlion でのライトショー、山羊がゴミを食べてくれるような機械人形 Garbage Goat も大人気!中心を流れるスポケーン・リバーは、スポケーン・フォールズを真上から見ることができるゴンドラ『Numerica SkyRide』が名物となっています。園内には全長37マイル(約59キロ)のセンテニアル・トレイルもあり、ブルームズ・デー・ランという全米に名高い12キロのランニング・イベントもあります。
紅葉とアートを求めて足を延ばそう
時間があれば、サウス・ヒルと呼ばれる人気のネイバーフッドを訪れてみては。中心にはマニト・パークがあり、ルネッサンス様式のダンカン庭園で知られています。この季節は日本庭園の紅葉が目玉。また、紅葉スポットとしてはスポケーン市街の西、65エーカーを誇るフィンチ・アーボリータムも評判です。
ダウンタウン近くのゴンザガ大学は、バスケットボールのチームが全国に知られますが、同大学の美術館とアート・ギャラリーもなかなかのもの。ガラス作家、デール・チフーリを始め、著名な作家の作品を数多くコレクションしています。米国北西部の内陸地域の芸術、歴史、文化を保存し、展示することに特化したノースウェスト・ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・カルチャー(通称 MAC)も人気があります。
クラフトビールやアウトドア・アクティビティも
スポケーンのクラフトビールも外せません!20以上あるブルワリーの中で、最初にオープンしたのがノーライ・ブリューハウス。地元の原材料を使用した生ビールの数々は、さすがの味わい。学生からシニアまで、多くの市民が詰め掛けます。
年間晴天日が260日あるスポケーンは、春から秋にかけてはトレッキング、ロッククライミング、ラフティング、カヤッキングなどアウトドア・アクティビティが盛ん。ゴルフ場も33カ所あり、東へ車で約30分のアイダホ州コーダレーンには、専門誌でも評価の高いサークリング・レイベン・ゴルフ・クラブや、世界唯一のフローティング・グリーンを持つコーダレーン・リゾート・ゴルフ・コースがあります。冬はダウンタウンから片道30分のマウント・スポケーンでスキー、スノーボード、スノーシューも楽しめます。
ダウンタウンでのショッピングや散策も楽しいリゾート地、コーダレーン観光と併せてぜひお試しを!
取材・文: ハントシンガー典子、編集部