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2017年版 星空の楽しみ方(1):8月21日はみんなで日食を見よう!

今年の8月21日は、世界中からたくさんの人がアメリカにやってきます。何のためにやってくるか?そうです、アメリカ全土の幅広い地域で皆既日食(total solar eclipse)が見られるのです。

時期が夏休みにあたる期間ということもあり、星空好きの人たちはもう1年も2年も前から心待ちにしているこのイベント、シアトルでも太陽さえ出ていれば楽しむことができます。まだ3ヶ月先?いえいえ、もう3ヶ月しかありません。人生で一度見られるかどうかくらいの大きなイベント、バッチリ準備して家族で楽しんでみませんか?

皆既日食ってなに?

皆既日食は太陽が完全に月に隠れる現象で、似たような天文現象の月食に比べると発生の条件が厳しいことから、なかなかお目にかかることのできないイベントです。たとえば日本では、2000年から2050年の間に3回しか皆既日食を見ることができません(2009年、2035年、2042年)。

世界中で見てもおおよそ1-2年に1回の頻度でしか見ることができず、また、見られる場所も非常に限定されるため、多くの人にとっては一生見られるかどうかくらいに貴重なイベントになるのです。

太陽を見るイベントなのに、なぜ "星空の楽しみ方"って?日食は皆既状態になると星空が見られるのです(それだけ空が暗くなります)。普段は太陽に隠れて見ることができない星空が一瞬だけ目の前に広がるところを想像するだけで、ワクワクして夜も眠れないくらいに待ち遠しい!

8月21日の皆既日食 – シアトルでも90%の部分日食

今回アメリカの広い範囲で見ることのできる太陽が完全に隠れる皆既日食は見ることのできる場所が限定されます。シアトルから一番近いところではオレゴン州ポートランドの少し南当たりの地域がちょうどそのエリアになっており、最大で約2分間、皆既状態を観察することができます。

シアトルでは皆既状態にはなりませんが、最大で93%太陽が隠れる部分日食を見ることができます。90%以上太陽が隠れると、空もある程度暗くなりますので、皆既状態ほどではありませんが、十分にこのイベントを楽しむことができます。

日食は午前9時に始まり、皆既状態・シアトルで部分日食が最大になるのは午前10時過ぎです。その後、部分日食が終わって太陽が普通の状態に戻るのがお昼少し前。となると、社会人は、21日はどんなにがんばっても午前中は休みをとらないといけませんね!

皆既日食を見ることのできるエリア。詳細の確認は NASA の公式サイトがおすすめです。

日食メガネを用意しよう

日食はほかの天文イベントに比べるとそれほど大がかりな用意が必要がなく、家族みんなで楽しめます。カメラや望遠鏡があればさらに楽しみが倍増しますが、肉眼だけでも十分。ただし、直接太陽を見続けるのはとても危険なので、簡易式の日食用メガネを用意しましょう。"eclipse glasses" で検索すれば、オンラインでも簡単に見つけることができますし、望遠鏡を販売しているお店(シアトルのバラードにある Cloud Break Optics は品揃えもよくお勧めです)でも購入することができます。

日食メガネ

場所を選ぼう

日食を見るのに最も大事なのは場所選び。「部分日食といっても90%も欠けるからシアトルでOK!」という人は、できるだけ高い建物のない、公園などの広い場所を選びましょう。もちろん自宅のバルコニーからでも大丈夫。午前9時から午後12時近くまで見ることになるので、簡易用の椅子などを広げることのできるような場所があればベストでしょう。

「どうしても皆既日食を見たい!」という人は、オレゴン州まで行きましょう。ただし、当日はアメリカだけではなく世界中から多くの人が押し寄せるため、皆既日食を見ることのできるエリアの宿泊施設はすでに完売状態、これから計画する人は野宿をするか、とても朝早い時間に皆既日食を見ることのできるエリアまでドライブする覚悟をしましょう。そしてとにかく確実に見たい!という人はオレゴン州の東側に行くこと。マドラス、ベイカーシティなどの町が晴天率などの点からおすすめだそうです。シアトルからだと5時間以上のドライブかつ野宿しないといけないかもしれませんが、一生に一度のイベントだと思って、珍道中を楽しむのもまたよしですね!

筆者も子供のころに部分日食を見たことがありますが、壮大なイベントはそのあとも記憶に残り、ずいぶん大きくなるまで天文学を専攻したいと思ったほどでした。今回は日にちもとても良いので、ぜひ楽しんでみてください。最近はとても良い教材も出ていますから、刻々と欠ける太陽を見ながら、太陽や月の話を家族でしてみては?

参考サイト・資料
NASA 2017年日食サイト
マドラス 日食特別サイト
オレゴン州 日食ガイド
日食メガネなど

掲載:2017年5月 文:保坂隆太

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