1997年の香港の中国返還を見据え、1980年代から1990年代にかけて香港からたくさんの人が移住したバンクーバー大都市圏。シアトルから車で約2時間半で到着できるバンクーバーとリッチモンドは、今や本場の中国料理や飲茶が楽しめる一大グルメ都市としての地位を確立しています。
中国茶を飲みながら、いろいろな種類の点心を食べる『飲茶』
飲茶とは、ウーロン茶やジャスミン茶などの中国茶を飲みながら、いろいろな種類の点心を食べること。活気のある飲茶を楽しみたいなら、やっぱり店員さんがアツアツの点心が入った蒸篭やお皿を乗せたカートを押しながら巡回してきてくれるスタイルでしょう。残念ながら、こうしたカート式の店は少なくなってきていますが、もしそんな店に行くことができたら、店員さんを呼び止めて食べたい点心をサーブしてもらい、みんなでわいわいにぎやかに食べると、さらにおいしく感じます。
国境とバンクーバーの手前にあるリッチモンドには、そんな飲茶のレストランが集中しています。小籠包に定評のある 『聚:Dinesty』、高級感のある香港料理店 『麒麟:Kirin』、飲茶では不動の地位を築いている 『帝国海鮮酒屋:Empire Seafood Restaurant』、帝国海鮮酒屋のすぐそばにあり飲茶も人気の上海料理店 『Shanghai River』、香港発の 『新瑞華海鮮酒家:Sun Sui Wah Seafood Restaurant』、広東料理店の 『钓鱼台海鲜酒家:Fisherman’s Terrace Seafood Restaurant』、昔ながらのカート式のスタイルを崩さない『幸運海鮮酒樓:Continental Seafood Restaurant』 などを試してみては。
また、『Chef Tony Seafood Restaurant』や『Yue Restaurant』、 『玉庭軒:Jade Seafood Restaurant』 などは、バンクーバー・マガジンによる受賞歴のある有名店です。
バンクーバーでは、朝から晩まで飲茶が楽しめるチャイナタウンの『Jade Dynasty』、高級感のある『鴻星海鮮酒家:Red Star Seafood Restaurant』、リッチモンドにも店舗のある 『新瑞華海鮮酒家:Sun Sui Wah Seafood Restaurant』、昔ながらのカート式の『Golden Swan』や『Pink Pearl』、作り立ての麺類が味わえる 『Legendary Noodle』、伝統的な飲茶にファンの多い『西湖:Western Lake』、大人数で訪れたい 『皇廷海鮮酒家:Neptune Palace Seafood Restaurant』が人気です。
予約するのをお忘れなく!
総菜パン・菓子パンのセレクションが豊富な中国系ベーカリー
日本のパンのようなふわふわのパンや蒸しパンが基本の中国系ベーカリーも、軽く食べたい時におすすめです。
アップルタルトや肉まんが観光客にも人気の 『新城:New Town Bakery & Restaurant』、野菜まんや肉まんが人気の 『Sun Fresh Bakery』、ケーキやタルトが人気の『Maxim’s Bakery & Restaurant』や『The Boss Bakery』は、おやつにも軽食にもぴったりなセレクションが揃っています。
ショッピング・モールのフード・コート
ショッピング・モールのフード・コートは、一人でも家族連れでも手軽にいろいろな味が楽しめるスポット。どういう料理が食べられるのかが見えやすく、人気のある店は行列ができていたりするのでわかりやすいのもポイントです。
バンクーバーのダウンタウンでは、アジアをはじめ世界各地の料理が楽しめるインターナショナル・フードフェア、改装されてきれいになったパシフィック・センターがあります。
リッチモンドなら、ストリートフードのような店が集まるリッチモンド・パブリック・マーケットへ。広東、四川、台湾など、幅広い料理が楽しめます。甘いものが好きな方は、バブルティーとロールケーキで不動の地位を築いている『Peanuts Bubble Tea』、ベーカリーの『Pine House』がおすすめです。
リッチモンドには他にも、大手チェーンが中心のアバディーン・センターやリッチモンド・センター、ヤオハン・センター、パーカー・プレースがあります。
アジア系が多く住むバーナビーには、クリスタル・モールやメトロポリスがあります。スカイトレインのブレントウッド・タウンセンター駅の横にオープンした TAB(The Amazing Brentwood)のフードコートには、日本食もオープン予定。
シアトルからは遠いようで近い、カナダのバンクーバー、リッチモンド、バーナビー。片道約2時間半なので、車ならシアトルを早朝に出れば、お昼前に始まる飲茶に間に合いますし、晩ご飯を食べてからアメリカに戻るという、日帰り旅行が楽しめます。車がない場合は、カナダまではアムトラックや長距離バス、市内間はスカイトレインやライドシェアで。陸続きでも外国なので、出入国に必要なパスポートなどをお忘れなく!
※2022年4月時点で、カナダへの入国にはカナダ政府の公式サイトで新型コロナウイルスのワクチン接種証明などを事前に提出する必要があります。
更新:2022年4月 写真(一部):Tourism Richmond