サイトアイコン junglecity.com

ブドウ栽培に最適な土地・ワラワラのワイナリー

フランスのボルドーと同じ北緯46度にあるワラワラは、日中は暑く夜間は涼しい夏が数ヶ月も続く、ブドウの栽培とワインの製造に最適とされる土地の一つ。ワシントン州内にある AVA の一つとして成長を続けており、今では100軒以上のワイナリーが集まり、ワシントン州産ワインを牽引するまでになった。ダウンタウンにもたくさんのテイスティング・ルームがあり、徒歩でまわることができるので、自分の好みのワインを足でまわって見つけることができるのは、ワイン好きにはうれしいことだ。また、ワイン初心者でも気軽に迎えてくれるので、堅苦しく感じる必要はない。ワラワラ・バレーの一部のワイン栽培業者とワインメーカーが作った 『Vinea』 は、サステナブルなヴィティカルチャーにホリスティックなアプローチで知られる。そのプレジデントを務めるのはスイス系のワインメーカーで3代目のジャン=フランソワ・ペレ。ペッパー・ブリッジ・ワイナリーをサステナビリティのモデルとして作り始めている。

Bergevin Lane Vineyards
バージェヴィン・レーン・ヴィンヤーズ

 

 

カリフォルニア州出身のアネット・バージェヴィンさんとアンバー・レーンさんが、「高額ではない、高品質のワインを」というスローガンの下、バドワイザーのビール製造工場だったという総面積2万平方フィートの建物にワイナリーを設立したのは2001年のこと。ブドウ栽培とワイン販売で20年の経験を持つアネットさんの父親ゲリーさんの協力を得て2005年3月に正式にオープンした。品質を自分たちで完全に管理するため、ブドウの搬入からボトル詰めまですべての行程を社内で行なっている、家族経営のワイナリーだ。「ブドウはワラワラ・バレーとコロンビア・バレーの8つのヴィンヤードから購入しています。機械で乱暴に収穫されたものよりも品質の良いものを揃えるため、ブドウはすべて手で収穫して仕分けするところにもこだわっています」というアンバーさん。ワインを寝かせるバレルはフランス製オークが60%を占めるが、最近の対ユーロのドル安には頭が痛いという。

当初は千ケースだったプロダクションは2009年夏の時点で1 1千ケースに増加し、すべてのワインがワイン・スペクテーターにより90ポイント以上を獲得、メルローの2005年ものやカベルネ・ソーヴィニヨンの2006年ものはほぼ完売という好調ぶりだ。「でも、オープンしてから値上げしたのはたったの1回だけ、それも1ドルだけなの。物価の上昇を考えたら、これがいかにすごいことかわかっていただけるでしょう?私たちのワインを購入してくれる人は私たちのその心意気を買ってくださる、ロイヤルな方々なんです。」ワインメーカーはデンマーク出身でフランス、チリ、カリフォルニア州ソノマで経験を積んだステファン・ヨルゲンセンさん。アンバーさんは、「彼が本当に繊細な舌を持っていることは、このワインが保証しています」と笑顔を見せてくれた。

同社のワインはすべて基本的に18ヶ月から24ヶ月にわたり寝かせるが、品質や状況によって毎年変更する。

住所 1215 West Poplar Street, Walla Walla (地図
電話 (509)-526-4300
公式サイト www.bergevinlane.com
ワインリスト メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ヴィオニエ、グリナッシュ、リザーブ・ボルドー・ブレンド、リザーブ・シラー
テイスティング 5ドル
購入場所 ワイン専門店、Whole Foods、Metropolitan Market、Central Market、QFC など

(掲載:2009年10月)

※記載の情報は取材時点のものであり、予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。

バージェヴィン・レーン・ヴィンヤーズで製造しているワイン

2008 Calico White
カリコ・ホワイト

16ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
44% ヴィオニエ、37% ルサンヌ、19% シャルドネ
オーク:ステンレス・スティールのタンクで50%、オークで50%醸造
2003年に製造。ロバート・パーカーが89ポイントをつけたというワイン。寿司との相性も良い。リリースされたばかりのワインだ。

2008 Viognier
ヴィオニエ

25ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
ヴィオニエ 82.5%、ルサンヌ 17.5%
2003年製造。カリコ・ホワイトよりもフル・ボディ。ペアやピーチなどのストーン・フルーツの風味。リリースされたばかりのワインだ。

2006 Calico Red
カリコ・レッド

16ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
カベルネ・ソーヴィニヨン 30%、シラー 25%、メルロー 36%、ジンファンデール 7%、カベルネ・フラン 2%
ジンファンデールをブレンドしているのはワシントン州でこれが唯一。ハーブ、スパイシー、アーシネス。NW Palate でベスト・ブレンドに選ばれた。

2005 Merlot
メルロー

16ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
メルロー 86%、カベルネ・ソーヴィニヨン 14%
オーク: フレンチ79%、イースタン・ヨーロピアン 14%、アメリカン7%
ほぼ完売。重みを加える。ダークチェリー。350ケースのみ製造。次に売りに出されるのはおそらく2011年頃。Recommended International Wine Cellar.

2006 Cabernet Sauvignon
カベルネ・ソーヴィニヨン

26ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
カベルネ・ソーヴィニヨン 76%、メルロー16%、キャブ・フラン5%、Petit Verdot 3%
オーク: new 50%、french oak 76%、american oak 17%、eastern European 7%
ほぼ完売。アース、スパイス、フルーツ。タンニンがたくさん入っているが、10年もエイジングすることでシルキーなフレーバーになり、後味が残らない。リリースしたばかり。

2005 Syrah
シラー

26ドル
ブドウの産地:コロンビア・バレー
100% シラー
オーク:フランス 63%、アメリカン29%、イースタン・ヨーロピアン8%
スモーキーなフレーバー。濃い色のパープルを、アンバーさんは「グラスの中のミッドナイト」と表現する。”Braised short rib” や羊肉とぴったり。ワイン・アドボケイトにより90ポイントを獲得。

2005 "Oui Deux" Syrah
"ウィ・ドゥ" シラー

32ドル
シラー92%、ヴィオニエ8% (シラーと一緒にエイジングしたもの)
ワールーク・スロープ
オーク:フレンチ90%、アメリカン10%
なじみのあるシラーよりも軽い、フレンチ・スタイルのシラー。シラーとヴィオニエのミックス。ヴィオニエのおかげで、花と柑橘系の香りがする。舌と Palate にとても軽い。ワイン・スペクテーターにより92ポイントを獲得。

 

(掲載:2009年10月)

※記載の情報は取材時点のものであり、予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。

Dunham Cellars
ダンハム・セラーズ

ワラワラで生まれ育ったマイク・ダンハムさんが経営するワイナリー。ワラワラ・ヤキマ・コロンビアという3つのバレーで栽培されたブドウを使っている。シニア・ワインメーカーのエリック・ダンハムさんとワインメーカーのダン・ワンプフラーさんが、ワシントン州ヤキマ市出身の俳優カイル・マックラックランとコラボしたカベルネ・ソーヴィニヨン 『2005 Pursued by Bear Cabernet Sauvignon』は高く評価されている。

住所 150 East Boeing Avenue, Walla Walla (地図
電話 (509) 529-4685
公式サイト www.dunhamcellars.com
ワインリスト メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、リースリング、シャルドネ

Reininger
レイニンガー

1993年に自宅でワインを作り始め、ワイン造りに「ハマッた」というオーナーのチャック・レイニンガーさん。当初はワラワラ地方空港の近くにあった古びた建物からスタートしたが、1997年に初出荷したワインが高い評価を得、2003年にはワラワラの西6マイル(約9.6キロ)の地点に現在のロケーションに移転。2009年夏にリモデルしたばかりのテイスティング・ルームでは、芝生の庭に面し、スペースを贅沢に使った空間が広がる。

住所 5858 W Highway 12, Walla Walla (地図
電話 (509) 522-1994
公式サイト www.reiningerwinery.com
ワインリスト メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー

L’Ecole No 41
レコル・ナンバー・フォーティーワン

ジーン&ベーカー・ファーガソン夫妻による家族経営のワイナリー。この地域は1800年代に多くのフランス系カナダ人が住み着きフレンチタウンと呼ばれるようになったが、当時からブドウを栽培しワインを造っていたと言われることから、フランス語で学校を意味する 『L’Ecole』 とこの地域の学区 『第41学区』 をあわせた名前がつけられた。2000年に改装したテイスティング・ルームは1915年に建てられた校舎。年間3万ケースを出荷しており、日本人にも人気が高い。同社のラベルの絵は、1984年に開催されたアート・コンテストで当時8歳だったライアン・キャンベル君が描いたもの。

住所 150 East Boeing Avenue, Walla Walla (地図
電話 (509) 525-0940
公式サイト www.lecole.com
ワインリスト セミヨン、シュナン・ブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー

Pepper Bridge
ペッパー・ブリッジ

ペッパー・ブリッジ・ヴィンヤードとセブン・ヒルズ・ヴィンヤードでサステナブルなヴィティカルチャーで栽培されたブドウを使って製造している。セブン・ヒルズ・ヴィンヤードは200エーカーあり、ペッパー・ブリッジ、レオネッティ、レコールNo.41が所有している。

住所 1704 J.B. George Road, Walla Walla (地図
電話 (509) 525-6502
公式サイト www.pepperbridge.com
ワインリスト メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ヴィオニエ、グリナッシュ、リザーブ・ボルドー・ブレンド、リザーブ・シラー

Leonetti Cellars
レオネッティ・セラーズ

1905年にこの地にイタリアから移住した母方の祖父フランク・レオネッティと祖母ローズ・レオネッティが手作りのワインを水で薄めたものを飲んだのがゲリー・フィギンズの最初のワイン体験だった。軍隊時代に何度か訪れたカリフォルニア州北部でワイナリーに通い、独学でワイン造りに励んだゲリーは、叔父たちの協力を得て一家が最初に移り住んだ丘のそばの1エーカーの土地にカベルネ・ソービニヨンと少しのリースリンを1974年に植える。ゲリーと妻のナンシーは1977年にレオネッティ・セラーズを設立し、1978年に最初のワインを自宅の地下で製造した。需要に追いつくためワイン製造に集中するようになり、1996年には2人の息子クリスがワシントン州立大学卒業後に入社。現在はヴィティカルチャリスト(ワイン栽培担当者)・ワインメーカーとして牽引している。なお、同社のワインはメーリング・リストに入っている人のみが購入できるようになっており、ワイナリーを訪れても買うことはできない。メーリング・リストは5-6年待ちとなっている。

住所 1875 Foothills Lane, Walla Walla (地図
電話 (509) 525-1428
公式サイト www.leonetticellar.com
ワインリスト メルロー、カベルネ・ソービニヨン、サンジョヴェーゼ

(掲載:2009年10月)

※記載の情報は取材時点のものであり、予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。

モバイルバージョンを終了