執筆者:川合由佳子さん
1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのはワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。
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最近日本ではまれに見るマラソン・ブームだそうですね。そう言えば、日本に帰省すると、以前はあまり見かけなかったジョガーを、今では日本中どこでも見かけます。
シアトルでは、「ちょっと私も走ってみたいなあ」という方が簡単に挑戦できる 5K Run/Walk のイベントが、春先になるとたくさん出てきます。
各イベントのウェブサイトで参加登録し、約30ドルの参加費を払って、当日会場に行けばいいだけ。(当日参加もできますが、料金が5~10ドル増しになったりします。T シャツが参加費に含まれているイベントもありますが、だいたい15ドル増しぐらいです。) 5キロなので、ゆっくり走っても40分から1時間くらい。祝日にちなんだものや、寄付金を集めるためのイベントが多く、そんなに真剣な人もあまりおらず、みんな仮装したりして楽しんで走ってます。
主要道路を閉鎖してやったりするものも多いので、普段は歩いてはいけないところを走ることができるものも。たいてい朝早く始まって、終わった時は10時~11時。一日を有効に使えます。
今回は、これまで私が参加した懐かしいイベントをご紹介します。
St. Patrick’s Day Dash
【公式サイト】stpatsdash.com
会社の同僚に誘われて人生初めての 5K に挑戦。アイルランドの聖パトリック・デーの祝日にちなんだもの。人種のるつぼのアメリカではアイルランド系の人も多いようで、かなり大きなお祭りになります。
申し込んだときは考えもしませんでしたが、当日は雨ならともかく、なんと雪の天気予報・・・。お金を払ってあるのでとりあえず行ってみると、こんな天気でもこの人ごみ。きっとレースの後の緑のビールを目当てに来てる人ばっかりなのでしょう(笑)。ダッシュの後はコスチューム大会もあるようで、たくさんの人がアイリッシュをテーマにした仮装をしていました。
Furry 5K Fun Run&Walk
【公式サイト】www.furry5k.com
犬と飼い主が一緒に楽しむもので、私も愛犬ミミと一緒に毎年参加しています。会場は Seward Park。
この Dog Walk というのは単に犬の散歩というのではなく、参加者が支払う参加費をすべてホームレスペットのための基金に寄付をするチャリティ・イベントです。主催はシアトル地域のホームレスのペットを保護しているアニマル・シェルター。公園の5キロのトレイルを、ジョギングで速さを競う人と、自分のペースでゆっくり歩く人に分かれます。
車を停めて公園まで歩き出すと、ミミはすでに周りを歩いている犬達に向かってガーガー吠えまくっていました。公園に近づくにつれて犬の数もだんだん増えてきます。こんなにたくさんの種類の犬を一度に見たのは初めて。
スタートライン付近に出ているブースを見学しましたが、ものすごい犬の数。ミミを見てみると、シッポが下がったまま・・・。無料の犬ビスケットなどをもらいましたが、こういうときはミミは興奮しすぎて何も食べない。犬のマッサージなんてブースも出ていましたが、犬のカイロプラクティックや犬の針師などを見たことがあるのでさほど驚きもないですね。ミミもマッサージなど受けたら、まわりに犬がいてももうちょっとリラックスできるだろうか。でもマッサージ師にこのミミを扱えるとは思えないので、考え直しました。
スタートラインは、始まるのを待つ人と犬の大群。隣にいる犬とじゃれあう犬もいれば、飼い主の足の下で動かないシャイな犬もいる。飼い主同士も犬を通じて会話したり、とってもフレンドリーな雰囲気。
いよいよスタート!みんないっせいに歩き出した!昨日のうだるような暑さと違って、今日はちょっと曇り加減。でもそれで犬達はとっても助かったよう。ワシントン湖に接しているので、大きい犬達は途中我慢しきれずに水の中に飛び込んでいました。
オフリーシュのメリモア・パーク(レドモンド市の巨大な公園)と違って、これだけ犬がいてもみんなリーシュをつけているので、ミミもなかなかマイペースで他の犬について行っている。
ゴールが見えてきた!
フィニッシュ・ラインを越えようとしたら、「ユカコ&ミミ、完走おめでとう!」のアナウンスが。そうか、ゼッケン番号を見て言ってくれたんだ。順位を競わない歩く人達にも番号をくれたのはこのためだったのか。
ゴールの後は、飲み物をもらって、自由解散。
メイン会場ではすでにジョギングの表彰式は終わってしまったようで、芸のできる犬コンテストをやっていました。ミミが途中で動かなくなったらかついでいく覚悟はあったのですが、最後まで歩ききったミミにビックリ。でも、疲れきったようで、帰りの車の中ではすやすや。家に帰ってからよくやったとほめてあげて、ミミがちょっと大人になったような気がしました。
この手の Dog Walk はいろいろなアニマル・シェルターが主催して夏の間に何度か開催されています。自分の寄付でどれだけの動物が救えるのかわかりませんが、アニマル Lover の私としては、まったく何もしないでいるよりは、たとえ一匹でも助けられればそれで良いのではないかと思っています。こうして Dog Walk に集まった人達がみんなそう思っていれば、一人一匹づつで、たくさんの動物を助けることができるのですから。
Torchight 5k Run/Walk
【公式サイト】www.seafair.com
「5K は初めて」という人にお勧めなのは、Seafair(シーフェア)のイベントのひとつ、Torchight 5k Run。1ヶ月ぐらいにわたってさまざまなイベントが開催される中の一つ、シーフェア・パレードの前に同じ道で行われます。沿道はパレードを見ようと並んでいる人で一杯なので、たくさんの人に声援を受けながら走って元気が出ます。コスチューム大会もあるそうで、みんな海がテーマのシーフェアにちなみ、海賊の格好をして走ったりします。
5K を歩くイベントは何度もやって、5K がだいたいどのくらいかというのは見当がついていましたが、走るのは初めて。会社のトレッドミルで何回か走ってみたものの、30分走るのがやっと・・・。「こんなんで大丈夫かな?」と思っているうちに、とうとうこの日が来てしまったという感じでした。
結果は5K を約32分で完走!(かなり遅いペースではありますが)途中水を飲むのに立ち止まっただけで、後は全部走りきり、ゴールした時の達成感は一言では表せません。
このイベントではTシャツももらえますし、寄付を集める義務もなく、Run/Walk なので走ってる人もいるし歩いてる人もいるのでそんなにプレッシャーもない。これだったらまたやってもいいかなあ。
Winter Pineapple Classic
【公式サイト】ホームページはこちら
5Kの距離に次々と出てくる障害物を乗り越えながら、4人のチームで自分達の運ぶパイナップルを守りながら走りぬくという、白血病などの血液の癌の治療研究資金を集める目的のウィンター・パイナップル・クラシックという、ファンドレージング・イベントに参加してきました。
(なぜパイナップルなのかというのはいまだに定かではない。)
5キロの距離は7月に一度走っていたのであまり心配はしていませんでしたが、シアトルの11月に野外で行われるイベントというので今回は天気が一番心配でした。が、私達の普段の行いが良いのでしょうか、金曜日は雨、日曜日も雨の予報だったのに、当日は曇り。やった!
参加人数も多いので、各チームには事前にスタート時間が伝えられており、大きいイベントの割には結構スムーズに事が進んでいきました。
4人に一個づつのパイナップルのはずが、遅めのスタートだった私達の頃にはパイナップルが余ることが予想されたせいか、2人に一個渡されました。
最初はパイナップルくらいと思って走り出しましたが、だんだん重たくなってきました。同僚で構成されたチームメート3人は私より10歳以上若い。私はみんなに追いつくのに必死でした。
知り合いに白血病患者がいるわけではない私は、イベント好きという理由だけで参加してしまいましたが、寄付金を集めるのが目的のイベントなのですから、参加者として寄付金を集める必要があります。
今回は、コミュニケーション学科出身のチームメートが企画してハワイアン・ランチ・プレートを作って(私はスパム・チャーハン担当でした)会社で販売し、そのお金を会社がマッチングしてくれ、4人の寄付金の合計が1,000ドルにもなりました。ぴっくり。
アメリカ人は幼稚園から大学までファンドレージングの嵐で育ってきてるので、こんなのは当たり前に思えるのでしょうね。こんな所でも文化の違いを感じてしまいます。 雨降らなかったし、5K 走って気持ちよかったし、楽しかったからいいのですが。
うわさによると、夜中に走るのとか、パジャマを着て走るのとか、下着姿で走るっていうのもあるらしい。楽しそうなのが一杯です。
最初から走るのに自信がない人はまずは5K Walk をやってみて、どんな感じかまずは経験してみては?ちょっと自信がついてきたら、10K やハーフマラソンなどもたくさんやっていますよ。
Happy jogging!
掲載:2014年3月