執筆者:川合由佳子さん
1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのは、ワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。
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Poo Poo Point
プ―プー・ポイント
私の家から一番近いトレイル 『プープー・ポイント』 は、私がこの地球上で一番好きな場所です。
ここから天気のいい日に見えるマウント・レーニアは、何度見ても素晴らしい。逆に曇ってて見えない日はがっかり。
ここはパラグライダー達のメッカでもあります。気温が高いと空中に長い間いられるそうで、暑い日はかなりの数のパラグライダー達を見かけます。一人でパラグライダーをするにはクラスをたくさん取って訓練もたくさんしないとダメですが、経験してみたい人にはベテランのパラグライダーのお腹にくっついて一緒に飛ぶことができます。遠くに見えるのはレイク・サマミッシュ。
・WTA:Poo Poo Point
・パラグライディングができる & 見られる、プー・プー・ポイント
Rattlesnake Lake
ラトルスネイク・レイク
ラトルスネイク・リッジ・トレイルは、シアトルからそんなに遠くなく、駐車場も大きく、斜面もそんなにきつくないので、家族連れで来てる人もたくさんいます。
週末は人が多くて、トレイル渋滞が起こるほど。「こんなにたくさんの犬をトレイルで見たことがない!」と思ったのもここでした。
もうひとつの人気の理由は、頂上に到着した後のすばらしい景色でしょう。
ただ、この頂上部分、景色はいいのですが、崖のようになっていて、2、3年に一度くらい、人が滑り落ちて亡くなったというニュースを聞きます。皆さんも気をつけましょう。
ちなみに、このラトルスネイク・リッジ・トレイルから、イースト・ピーク・トレイルやスノコルミー・ポイント・トレイルまで、どんどん登り続けることもできます。
私はイースト・ピークまで行ったことがありますが、山の中を歩いているという感じで、このリッジ・トレイルよりいい景色は見えませんでした。もっと運動したいという方以外はお勧めしません。
山には登らず、ラトルスネイク・レイクの周りでピクニックや犬の散歩などをしている人もたくさんいます。
「蛇もいないのに、なんでガラガラ蛇(ラトルスネイク)なの?」と思った方もいるでしょう。昔、この辺に住んでいた先住民が、乾燥した雑草が風に打たれて作り出す音がまるでガラガラ蛇の音のようだったので名づけたとのことです。
Olympick Peninsula/Mount Ellinor
オリンピック半島のマウント・エリノア
上(Upper)のトレイルヘッドから出発すると、"たったの" 往復3.1マイル(約5km)ですが、このトレイルは距離だけでは語れません
標高差2444フィート(約745m)
最高地点5944フィート(約1812m)
短いトレイルでこれということは、見上げるようなトレイルを登っていくことになります。
しかも、オリンピック半島に位置するマウント・エリノアは、マウント・レーニアのトレイルのように、7月以降にならないと雪がなくならないのです。
マウンテニアズのスノーシュー・コースを卒業するために嫌々買ったピッケルを実際に使う日が来るとは思ってもみませんでした。
「マウンテニアズで使い方をちゃんとトレーニングしててよかった~」
Scenic Hot Springs
シーニック・ホットスプリングス
久しぶりに、スティーブンズ・パスの近くにある温泉 『シーニック・ホットスプリングス』 に行ってきました。
以前はちゃんと木でできた浴槽があったのですが、噂によると、心無い人による破壊行為が何度もあったらしく、大きな鉄製のバケツ型の湯船に変わっていました。
ここは世話人が常時滞在しているわけではないので、利用者が責任を持って利用していかないと、そのうちなくなってしまうかもしれません。
温泉への行き方の詳細はジャングルシティの記事「山登りの価値あり!景色も楽しめる天然温泉 シーニック・ホット・スプリングス」から変わっていないので、参考にして下さい。ゴールドマイヤー温泉に比べると、夏だったら行き方も簡単です。
今日は私達のグループの貸し切りだったので、みんな水着を着ていましたが、普段はここもアメリカの温泉でありがちな「水着はオプショナル」です。先客がヌードでも怖がらないように。
そしてそして、実際に行く方は、"Pack in, Pack out"(持ってきたものは全て持ち帰る)& "Leave no trace"(痕跡を残さないこと)をお忘れなく。
夕方になると虫が出てきたので、虫除けスプレーは必需品かも。
Mount Rainer/Spray Park
マウント・レーニア/スプレー・パーク
マウント・レーニアにはお気に入りのトレイルがたくさんありますが、今回選んだのはスプレー・パーク。
アバランチ・リリー満開の野原(Meadow)が広がります。
ランチを食べた後帰路についた私達でしたが、冗談で、「天気もよくて、山も出ていて、花もきれいで、完璧なハイク。これで熊が出てきたらもっと言うことないんだけどなあ〜」と言っていたら、ほんとに熊がいました。
グループでハイクしてたので安心して写真を撮っていましたが、もしも一人だったら、パニックになっていたと思います。
North Cascade National Park/Sahale Arm
ノース・カスケード国立公園/サハーレ・アーム
ノース・カスケード国立公園にある、カスケード・パスとサハーレ・アームは、どのウェブサイトでも素晴らしいトレイルのトップ3に必ず入るほど。
景色は素晴らしいのですが、最後の方はかなり急斜面を上がるので、決して簡単ではありません。
しかも、人気のトレイルなので、駐車場があっという間に一杯になるという口コミ情報も。私達が駐車場に到着した時(午前7時ちょっと前)は、まだ停められる場所が残っていました。
駐車場に到着しただけで既に景色が素晴らしい。
モンタナのグレーシャー国立公園で既に見たことがあるとはいえ、ワシントン州で初めてマウンテン・ゴートを見かけたのもここでした。しかも赤ちゃんヤギ。
途中、休憩していた私達に話しかけてきたカップルによると、遠くから私達が登ってくるのが見えたそうですが、私達の後ろをなんと熊が横切ったそう。「熊に気づいてたの?」と聞かれましたが、全然気づいていませんでした!
Maple Pass/Maple Pass Loop Trail
メープル・パス/メープル・パス・ループ・トレイル
そんなに大変ではないトレイルなのに、この景色が楽しめるので大人気。
ループになっているトレイルを、時計回りで歩くことに。紅葉がもっと感動を与えてくれます。
イサクアから運転して行くと、3時間半。ほとんどウィンスロップ(Winthrop)の近くです。遠いことは遠いですが、ボコボコ道を運転せずに目の前まで行けるので、普通車を運転してる方でも安心です。
Goat Lake Trail
ゴート・レイク・トレイル
ほとんど森の中を歩くので暑さもしのげ、距離的には長くても斜面はそんなにきつくないトレイルです。
途中、Lower(下)と Upper(上)にトレイルが分かれるのですが、ループになっていて、同じところに到着します。
私達は行きを Lower、帰りは Upper を歩きました。Lower は小川の横をずっと歩くトレイルで、Upper はちょっと遠回りして長く、小さい石のトレイルで歩きにくいので、行きも帰りも Lower でいいと思います。
森の木がいきなり Larch(カラ松)に変わる部分がありますが、そこが一番好きです。トレイルの両脇にまっすぐに伸びるカラ松達が、まるで私達を迎え入れる arch(門)みたいに見えて、その間を歩いてる時に上から差し込むお日様の光に嬉しさを感じました。
なんて美しい湖なんでしょう。湖はどこも同じに見えるなんて言ったことがありますが、訂正します。
Navaho Pass
ナバホ・パス
なんだかネイティブ・アメリカンらしい名前で、きれいなトレイルと聞いていたので、前々から一度行ってみたかったトレイルです。
でも、スノコルミー・パスをもっともっと先に行った、ほとんどウェナチーに近いワシントン州東部にあり、どうも砂漠の中にある暑くて大変なイメージがあって、今まで行ったことがありませんでした。
やっと決意して行こうという日は、普段の行いが良いのか悪いのか、シアトルでも華氏90度(32℃)近くまで上がった夏日でした。
トレイルの最初は思っていたよりもまだまだ木に囲まれている場所がたくさんあり、涼しい風が気持ちいい。
トレイルにいっぱい糞があったので、てっきり馬かと思っていたら、いきなり牛の家族に遭遇しました。「野生の牛?」と思ったのですが、いくらワシントン州東部でも、そんなはずはありません。よく見たら耳に番号の札がついていて、近くの農家が放牧している牛でした。
トレイルが長い分、急に登りにならないので、比較的なだらかに感じます。やっとメドー(meadow:牧草地)に出て、目の前にはピーク(山の頂上)が見えてきました。
ここのメドーにはキャンプグラウンドがありました。この景色と一緒に目覚めることができたらきっと素晴らしいですね。水が湧き出ているところがあるので、水の清浄機を持ってきた人はここでパンプできます。
メドーを通り過ぎると、完全にオープンな砂利道をパスに向けて歩くことになります。誰かが「アポロが着陸した月を思わせるトレイルだね」と言っていました。
ナバホパスに到着!ゴージャスな景色に大満足。頑張ったかいがありました。
この先もっと行くとナバホ・ピークまで行けるそうです。
やはり、ワシントン州西部に比べると、カラカラなトレイル。5リットルの水を持ってきていた人も、帰る時には最後の1リットルをすでに飲み始めていたと言っていました。とにかく最悪の場合を考えて、水を十分に持っていくように。そうじゃなかったら、水の清浄機を持参しましょう。
Mount Baker/Chain Lakes
マウント・ベーカー/チェーン・レイクス
トレイルヘッドの Artist Point まではくねくね道ではあるものの舗装されていて、一人でも来やすいトレイルです。
Pika(パイカ)をたくさん見かけました。ネズミかと思ったら、ナキウサギでした。
Chain Lakes Loop でいろいろな湖を通り過ぎて、駐車場の Artist Point まで戻ります。
ワイルド・ブルーベリーがあちこちに生えているので、ブルーベリー摘みするのも楽しいですね。
でも、このベリーを食べに熊が出てきているのが何度も目撃されているので、熊避けの鈴を持ってる人はつけていきましょう。
Happy Hiking!
掲載:2022年2月