執筆者:川合由佳子さん
1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのはワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。
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一年を通してアウトドアを楽しめるシアトルで11月になると始まるのが、レーザー・クラム狩りです。レーザー・クラムは日本語ではマテ貝と呼ばれる大きな貝で、とても人気があります。
引き潮の時間にあわせてのスケジュールなのでシーズン始め冬の間は夕方の時間が、春になってくると朝方の時間帯が多いです。
潮の満ち引きを含め、ワシントン州でのレーザー・クラム狩りに関する情報は Washington Department of Fish and Wildlife(ワシントン州魚類野生生物局)のサイトで確認できます。
冬バージョン
まずはシアトルから車で約3時間の、太平洋に面した田舎町オーシャン・ショアまで行くことから始まります。
緯度の高いシアトルの冬は午後5時でもう真っ暗。 長靴に履き替え、防寒ジャケットを着て完全に潮が引くのを日没を見ながら待ちます。なんと言っても海岸線が延々に続いているので、暗くなった後は何にも見えなくなります。その真っ暗で、だだっぴろい、潮が引いた後の海岸で探すのは、10セント硬貨くらいの大きさの小さい貝の空気穴。 これは砂の下にいる時に空気が吸えるよう、貝が自分で開ける穴です。 それを一生懸命探すのですが、これはセーフコ・フィールドで落ちているコインを探すのと同じ、ほとんど不可能と言えるくらいの確率です。
そんなわけなので、強烈な懐中電灯を絶対に忘れないこと。そうでないと、大きい懐中電灯持ってる人の後をただついて行くだけになっちゃうから。月の光なんて全然役に立ちません。
シャベルで掘ってる人もいますが、素人だとそんなやり方では貝があっというまに逃げてしまうので、クラム・ガン(Clam Tube)を使って掘り出すのが一番!クラム・ガンはオンラインでも購入できます。20ドル未満のものから80ドル以上のものなど、さまざまです。
レーザー・クラムの掘り方はこちら。
何度も何度も掘り起こしても砂しかないときはガッカリ。腰がかなり痛くなります。それに、ずーっと下を見続けているので、すっかり首が痛くなってしまうことも。
そんなこんなで約1時間半がんばりましたが、もう寒くてギブアップ!残念ながら、チーム全体で7個ぐらいしか捕れませんでした。
また真っ暗な中をシアトルまで帰りましたが、家に着いて寝たのは午前1時半。捕った貝はその日のうちにきれいにしておかないとだめなので、翌日にみんなで食べるために貝を持って帰ってくれた人が寝た時はきっと午前3時を過ぎていたはず。ご苦労様でした。
春バージョン
春先になると、引き潮の時間もだんだん朝方になってくるので再びトライ。今度は朝6時にシアトル出発で、オーシャン・ショアを目指します。
到着時にはすでに周りは明るく、懐中電灯の必要もなし。そして、そこら中に浮き出ているクラムの穴を見て私達は狂喜乱舞!一人あたりのノルマの15個を1時間以内に掘りつくして大豊作を喜びながら帰路へと着いたのでした。朝が早かった分、家に帰ったのも早かったので、その日に貝をきれいにして、新鮮なまま料理して早い夕飯と晩酌を楽しみました。
「冬に捕れる貝のほうが味がいい」と言う人もたくさんいるらしいですが、捕ることの大変さを考えると、結論としては、春まで待った方がいいかもしれません。
注意事項
Shellfish/Seaweed License を必ず購入し、貝を捕っている間も身につけておくこと。ワシントン州の職員にライセンスを見せてくださいと言われたことがあります。自然の恵みの乱獲を防ぐためにも、この点はぜひ守ってください。
そして、出発の日にもう一度必ずワシントン州魚類野生生物局の公式サイトをチェックすること。3日前までリストされていたビーチに行って捕ろうとしたら誰もいないのでおかしいと思っていたら、案の定、職員がトラックでやってきて、「このビーチは今日閉鎖したから、10マイル先の別のビーチまで行きなさい」と言われたことがあります。
Happy Digging!
掲載:2014年3月 更新:2022年2月