執筆者:川合由佳子さん
1年を通じてさまざまなアクティビティが楽しめるのはワシントン州ならでは。「何でもやってみよう!」という気持ちで、いろんなことにトライしています。
川合さんのプロフィールはこちら。
せっかくハイクをするなら、山の頂上だけを目指すのもいいですが、私としてはトレイルの先にきれいな滝があったり、大きな湖が目の前に広がったりすると、ご褒美をもらったような気分になるのでがんばりがいがあります。今回は、そんな私のお気に入りのトレイルのひとつ、年間を通して楽しめる Wallace Fall/Lake Trail をご紹介しましょう。
イサクアからトレイルに一番近いゴールド・バーまではちょうど車で一時間くらいでしょうか。Wallace Falls と Wallace Lake のトレイルヘッドは同じです。
ここのいい所はまず、駐車場が大きいし(と言っても人気のあるトレイルなので夏は早めに到着すること)、結構きれいなトイレが出発地点にあること。そして、どんなレベルの人でも自分のレベルに合ったトレイルを見つけることができるということ。滝を下から見るだけならあっというまに帰ってこれるし、湖まで行くとしも片道2時間くらい。さらに、よくトレイルの整備がされていて、そんなにきつくないけど、かといって簡単すぎもしない。"Moderate"がちょうどいい表現のトレイルです。
駐車場を出てトレイルに向かって歩き出すとまず気がつくのは頭の上を張りめぐるパワーラインがパチパチと音を立てていること。「うわっ、火花が飛んでこないかしら?」と、ちょっとびっくりしますが、トレイルに入ってくると、そんなこともすぐに忘れさせてくれる森の静けさが広がります。
滝を見るトレイルは Lower、Middle、Upper と分かれますが、Lower までは1.8マイル、Middle までは2.2マイル。滝の景色が一番きれいに見られるのは Middle でしょう。Upper までは片道2.7マイルですが、個人的には Middle の方がきれいに見えると思います。きれいな景色を見たい人で、特別に運動したい人でなければ Upper まで行かなくてもいいかもしれません。もちろん、Lower からでも、Upper から流れ落ちてくる滝の迫力を感じることはできます。
私は天気のいい時だけでなく、このトレイルに4月に来て雨ならぬ雪に見舞われた経験がありますが、その時の感想は、見慣れたはずのこの滝がいつもよりもっとパワフルに感じられたということ。延々と降り続く雪雨の水が、まるで、265フィートの高さから流れ落ちる滝に吸い込まれていくようで、水の流れの勢いが増しているような迫力。雨の日でも雪の日でも十分に楽しめるトレイルです。
なお、このトレイルは川や滝の水の横を歩くことが多いです。お子さんが一緒だったりするとついつい水に近づきたくなってしまいますが、夏でも水はかなり冷たく、岸は滑りやすくなっていますので、できれば水辺には近づかないほうが安全ですね。
トレイルの表示はたくさん出ていますが、表示自体は小さいので、見逃さないように。実は、女性3人で行ったとき、歩きながらのおしゃべりに夢中で表示を見逃してしまいました。曲がるべきところをまっすぐに行ってしまったおかげで、本当だったら湖を見た後は滝を上から、真ん中から、下からと三段階から見るループを歩くはずが、大周りをして滝を見られずに帰って来る羽目に。本人たちは駐車場に戻れただけでもよかったと喜びましたが・・・。
途中にピクニック・テーブルもたくさんありますが、このトレイルに行った時の甘党の私の楽しみは、帰り道にハイウェイ2沿いにある 『Sultan Bakery』 に寄ること。昔ながらのアメリカっぽいケーキが並び、どれにしようかいつも悩んでしまいます。早く帰らないといけないからとテイクアウトにしてもらっても、家に着くまで待つことができず車の中で食べてしまい、家までもったことがありません。食事も美味で、安いのにボリュームたっぷり。いつもたくさんの人でにぎわっています。
Happy hiking!
Wallace Falls
詳細情報 | Washintgon Trail Association |
---|---|
難易度 | 初級 |
ハイキング往復距離 | 5.5マイル(約8.85キロ) |
標高差 | 1,200フィート(約365メートル) |
必要なパス | Discover pass |
その他 | リーシュつきなら犬同伴も可 |
掲載:2014年4月