「晴れの日は、アウトドア天国のワシントン州を大いに楽しむ!」がモットーのりか・ラックさんに、大自然を満喫できるおすすめトレイルを紹介してもらいました!
りか・ラックさんのプロフィールはこちら。
Enchantment Lakes って?
今回は、りか・ラックさんの夫で同じくハイキングの経験が豊富なブライアン・ラックさんにご登場いただくことになりました。オンライン日本語学習ソフトを提供する 『Human Japanese』 の創業者として多忙な日々を送りながらも、オンとオフの切り替えを忘れず、ハイキングなどのアウトドア・アクティビティをりかさんと楽しんでいます。
「ワシントン州で最も美しいエリアのひとつ」とされる、エンチャントメント。カスケード山脈の山々の狭間に小川で結ばれた大小さまざまな湖が点在し、訪れる人を魅了します。
Nada Lake、Snow Lakes、Lake Viviane、Leprechaun Lake、Sprite Lake、Perfection Lake、Inspiration Lake、Tranquil Lake、Isolation Lake、Colchuck Lake など、キラキラ光る湖を次々と通る約18マイル(約29キロ)のトレイルは、長いだけでなく、登り下りを繰り返すことによる高低差の合計が約1万フィート(約3千メートル)あるので、決して初心者向けではありません。でも、ある程度のバックパッキングの経験があり、キャンプで2、3泊できる人なら、ぜひ一度行ってみていただきたいところです。
人数制限
この大自然を保護するため、1日に入ることのできる人数が制限されています。日帰りなら特別な許可はいりませんが、毎年5月15日から10月31日までの間に1泊以上キャンプしたい人は許可が必要です。応募者が入場可能の人数より多いので、くじ引き制となっています(記事の最後をご参照ください)。
もし当たったら、おめでとう!
忘れられない経験となるでしょう。
どこにあるの?
エンチャントメントは、ドイツ村で有名なレブンワースの近くにあります。Snow Lakes Trailhead と Stuart Lake Trailhead という2つのトレイルヘッドからアクセスできます。私たちはSnow Lakes Trailhead側から入りましたが、Stuart Lake Trailhead 側から入るほうが人気のようです。その理由は、Stuart Lake Trailhead の近くに、1マイル進む間に標高差2千フィートに達する峠があるからです。初日にそれを登ってしまえば、残りは比較的緩やかな下り道になっています。一方、私たちが入った Snow Lakes Trailhead 側から入ると、最初の登りは比較的易しいものの、最後の日にとてつもなく急な下り坂になります。どちらにしても、車2台で行き、1台を出口のトレイルヘッドに駐車し、その反対側からハイクを始めます。
トレーニング・事前準備
18マイルは生半可な距離ではないので、事前に十分体を鍛えましょう。また、方位磁石、浄水器、虫除けクリームなど、「バックパッキングに欠かせない10アイテム」を必ず携帯しましょう。
準備はできましたか?
さあ、出発しましょう!
見所がいっぱい!
1日目:約10マイル(約16キロ)登り、ヴィヴィアン湖に到着。ここからコア・ゾーンと呼ばれる、いくつもの湖が集まっているエリアが始まります。重さ35ポンド(約16キロ)のバックパックを背負って5,000フィート(約1,523メートル)登ったので相当疲れていましたが、この湖の美しさに圧倒されました。
2日目:次の目的地まで2、3マイルしかなかったので、高地でしか見られない独特の景色をのんびり楽しむことに。
数珠つなぎになっている湖のほとりを歩き、澄み切った水と空気に心が癒されます。
それぞれ異なる標高にある十個ぐらいの小さな湖が、1本の小川で繋がっています。これ以上綺麗なものはないだろうと思いきや、この後さらにすばらしい景色を見ることができました。
2日目の夜のキャンプからの眺め。入山できる人数が制限されているので、絶景のキャンプ場を見つけるのは難しくありません。向こうの崖っぷちで仲間のハイカーが夕日を眺めている姿が印象的でした。
山の上での夕焼けは、独特の寂しさを感じさせる美しさがあります。
夏はマウンテン・ゴートの親子をたくさん見かけます。人間に慣れつつあるので、それを防ぐよう、あまり近づかないようにしましょう。マウンテン・ゴートは人間の尿をなめて塩分を摂ろうと近づいてくることもあるので、用を足す時はマウンテン・ゴートが近くにいないことを確かめましょう。そうしないと用を足している最中に驚かされることもあるので要注意!
3日目:トレイルの大部分が石に覆われているので、石を積み上げた塊(ケルン)でルートが示してあります(この写真では右手前にそれが見えます)。
滑りやすく、険しくて難しい場所もあるので、くれぐれも気を付けましょう。この写真でわかるように、コンクリートのステップや鉄棒が数か所に付けられています。ここでは絶対に落ちたくないですね!
Aasgard Passという、すごい急斜面の峠に向かう前の休憩。ここの標高は7,800フィート(約2,377メートル)くらいです。
最後の一頑張り!次の1マイル(約1.6キロ)で2,000フィート(約609メートル)下山します。大体の人はこの1マイルだけで2、3時間かかります。Stuart Lake Trailhead 側からスタートした方がいいと言われる主な理由がこの峠です。最後の日、かなり歩き疲れている時に降りるのは容易ではありませんでした。一歩踏み外したら転がり落ちてしまいそうな急斜面なので、どちら側から行くにしても注意してください。遠くに見えるのは、大きくて美しいコルチャック湖です。
基本情報
ウェブサイト | www.recreation.gov | ワシントン・トレイル協会 |
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難易度 | 上級 |
ハイキング距離 | 18マイル(約29キロ) |
標高差 | 行程中に登り下りする高度差は合計約1万フィート(約3千メートル) |
必要な許可証(permit)
日帰り:Northwest Forest Pass のみ
キャンプ:毎年2月に抽選で特別許可証を配布。当日券も少数用意されているが、その入手も抽選となる。詳細はウェブサイト参照。
トレッキングやハイキングは、十分に調査・準備して行きましょう。想定外の事態が発生することもあり得ますので、素晴らしい思い出を持ち帰れるよう、できる限りの安全対策を講じて臨みましょう。『THE MOUNTAINEERS TEN ESSENTIALS』を忘れずに。