マウント・アダムスは、ワシントン州南中部のカスケード山脈にある火山の一つで、ワシントン州で二番目に高い標高12,281フィート(3,743m)を誇ります。
アダムス火山域の中心にある山
マウント・アダムスは、面積と体積の両方でワシントン州内最大の活火山です。米国地質調査所(USGS)によると、最後に噴火したのはおよそ3,800〜7,600年前で、最大の脅威は、噴火時や非噴火時に発生する可能性のあるラハール(火山灰、岩石、氷が混ざった泥流で、急流のコンクリートのように下流に押し寄せる現象)です。
およそ6000年前と300年前に、火山の南西側の弱くなった岩の大規模な山崩れによって発生したラハールは、トラウト・レイク地域まで到達しました。氷に覆われた山頂には、熱水作用で弱くなった岩石が大量に隠れており、将来、山崩れによって遠くまで流れるラハールが発生する可能性があるとされています。
ネイティブ・アメリカンの言い伝え
この地域に何千年も前から住んでいるネイティブ・アメリカンには、Pahto(パヒト)、または Klickitat(クリキタット)と呼ばれてきましたが、一般的には米国第2代大統領ジョン・アダムスにちなんだマウント・アダムスの名前で知られています。
部族によってさまざまな言い伝えがあるそうですが、米国地質調査所は公式サイトでそのうちの一つを紹介しています。
「大精霊 Sahale の二人の息子WyeastとKlickitatが美しい乙女 Loowit に恋しましたが、彼女はどちらかを選ぶことができなかったため、二人は争い、村や森を埋めてしまいました。怒った Sahale は三人を打ちのめし、それぞれが倒れたところに巨大な山を作りました。美しい Loowit の山(マウント・セント・ヘレンズ)はまばゆい白の 美しい左右対称の円錐形でした。Wyeast(マウント・フッド)は誇らしげに頭を上げ、Klickitat(マウント・アダムス)は雪に包まれた美しい乙女Loowitを見て泣いて頭を垂れました」
見どころ
Trout Lake Preserve Trailhead
駐車場からも、湿地帯の上にあるマウント・アダムスの素晴らしい眺めを満喫できます。さらに進むと、さまざまな高さからマウント・アダムスとスリーピング・ビューティーを見ることができます。詳細はこちら。
Gular Ice Cave
古代の火山活動による溶岩で作られた長さ650フィートの洞窟。Trout Lake の西6マイルのところにあり、Ice Caves Campgroundからアクセスできます。開拓時代は、住民が氷を切り出していたそう。防寒対策、氷の上でも滑らないようクリートをつけたハイキングブーツ、懐中電灯は必須。詳細はこちら。