2011年3月11日(日本時間)に発生した東日本大震災による震災・津波・福島第一原発事故から今年で4年目を迎える。シアトルでは災害発生直後からさまざまな支援活動が継続して行われているが、今年もさまざまな催しを通じ、現状を知り、今後どのような支援を展開するべきなのか改めて考える機会が設けられた。
1923年から日米の交流活動を推進しているワシントン州日米協会は、災害を振り返り、今後の復興について話し合う催し 『Act with Japan – Moving Forward Together』 を、シアトル・アジア美術館で7日午後に開催。地元テレビ局 KING5 のローリー・マツカワ氏の司会で、被災地と連携した復興支援活動を継続している Peace Winds America や、若手のリーダー育成を行う iLEAP などの団体代表が、復興支援や今後の対策についてパネルディスカッションを行った。
このディスカッションに参加したシアトル・神戸姉妹都市委員会のカーリン・ザーグ委員長は、1995年の阪神・淡路大震災発生当時に神戸で支援活動に携わった経験を振り返った。そして、20年たった今もシアトルで追悼式を行っていることについて、「メキシコの “死者の日” は、故人を忘れていないと示すことで、故人にも幸せでいてもらおうとする意味がある。アメリカでも “He/She lives on because I carry them in my heart” のように、覚えていることで故人が生き続けると言うことがある。これは、故人が帰ってくる場所と時間を作り、”忘れていない” と表現する日本のお盆にも共通している。忘れないことで、支援し続ける工夫ができる」と述べた。このイベントでは、合唱グループの Songs of Hope が、『花は咲く』 を歌い、ボランティア・グループのなでしこ・ベーカリーが焼き菓子などを販売し、被災した子供たちへの支援金を募った。
この他にも、東北を支援する活動を日本で行っている作曲家の菅野祐悟さんが参加した東北の子供達を支援するチャリティ・イベント 『Tohoku Revive』 や、地元アーティストが中心になって開催されているアートと音楽のイベント 『Smile for Japan』 などが開催された。
東日本大震災による死者は1万5,891人、行方不明者は2,584人とされ、復興庁によると震災関連死は昨年9月末時点で3,194人と、増加の一途をたどっている。
掲載:2015年3月