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スターバックス本社社員に聞いた、スタバ流おもてなし文化の秘密 ~「働き方・生き方」iLEAP x JUNGLECITY.COM

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シアトル発祥のコーヒーショップであるスターバックスは、今では世界で最も人気のコーヒーチェーンの一つになりました。シアトルのパイク・プレース・マーケットで誕生したスターバックスは、どうしてここまで成長することができたのでしょうか?

スターバックスのミッション

スターバックスのミッション

人々の心を豊かで活力あるものにするためにー
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから

OUR VALUES
私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Values を日々体現します。

  • お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。
  • 勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスと私たちの成長のために。
  • 誠実に向き合い、威厳と尊厳をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。
  • 一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。

私たちは、人間らしさを大切にしながら成長し続けます。

www.starbucks.co.jp/company/mission.html

スターバックスの特徴は、なにより人を一番に考えていること。みなさんもスターバックスでコーヒーを買って、カップに名前を書いてもらったり、細かい気遣いをしてもらった経験をお持ちだと思います。それがスターバックスの人気の秘訣の一つでしょう。

スターバックスは、1971年に、シアトルのパイク・プレイス・マーケットに一号店をオープンさせました。パイク・プレイス・マーケットは100年以上の歴史を持つ、シアトル市民に古くから親しまれてきた市場です。
その後アメリカ、カナダで着実に人気を集め、1996年に1,000店舗を突破。その年初めて北米以外に海外展開を果たします。そのスターバックス海外一号店は、なんと日本。日本で古くから親しまれてきた喫茶店の文化が、スターバックスの雰囲気に合うと見込まれての選択でした。

海外のブランドと、厳選されたコーヒー、そしてコミュニティの場としてのカフェという考え方が日本人にマッチし、日本展開は大成功。毎年店舗数を増やし、2015年現在1,131もの店舗が日本全国に展開されています。全世界では60ヶ国以上の国と地域で、延べ22,000万店舗のコーヒーショップを展開しています。

今回は、そんな超グローバル企業となったスターバックス本社で、勤続13年の社員さんにインタビューしてきました。

カレン・ソールさん

カレンさん
2003年に契約社員として入社。その後正社員として人事部へ移動。その後社内の会合やイベントをプランニングするミーティング・プランナーとして勤務。去年からはグローバル・セーフティ・セキュリティ、サプライチェーン・セキュリティに配属。

スターバックスってどんな企業?

スターバックスに10年以上勤め続けている理由を教えてください。

2003年にスターバックスに入社して、今年の3月31日でもう13年になります。アメリカではこれだけ長く同じ会社に勤めることは少し珍しいことかもしれません。

私がほかの会社に移動しなかったのは、なによりこの会社が好きだから。この会社のカルチャーが好きで、この会社の一部でいられることを光栄に思っています。ほかの会社に行くチャンスはありますが、やっぱりここの会社にいたいと思います。

私がこの会社が好きな理由はたくさんありますが、一番は会社のミッションにもある通り、スターバックスの人を一番大切にする文化が素晴らしいと思うからです。もちろんお金を稼ぐことも大事だけど、スターバックスが一番価値と考えているのが人との関わり。人にどんな価値を提供できるかということを常に考えているのです。これはほかの会社と比べると少し独特な文化でもあるので、転職してきた人がびっくりすることもあります。アメリカの会社はドライな関係が多いですが、ここで働いている人はすごく優しいですからね。

スターバックスの文化を作ったハワード・シュルツ CEO

ソールさん

人を一番に考える企業理念を作った CEO のハワード・シュルツ氏はどんな人物ですか?

ハワードはとても尊敬できる人です。とても情熱的で、会社が社会にいい影響を与えることができると信じています。

彼の人柄を象徴するようなエピソードがあります。2、3年前に、スターバックスは同性カップルの結婚の平等を支持する方針を打ち出しました。株主総会では、なぜそれをサポートするのかという難しい議論が起こりましたが、彼は極めて単純明快な返答をしました。

「仮に株価が下がったとしても、たくさんの LGBT の人がここで働いているという事実は変わらない。それに対して正しいことをする。これは会社にとっても社員にとっても正しいことなので、この決定をするのはとても簡単なことだ」。

株主総会の場でこのような発言をすることは、とても勇気がいることです。しかし、ハワードは、「会社にとっていいこと、社会にとっていいことは何か」を常に考え、ぶれない軸を持っています。ちなみに彼は普段はとても控えめで謙虚な人物ですよ。

ハワードさんがそのような企業文化を作るに至った背景はどのようなものがあったのでしょう?

それにはハワードの原体験が大きく影響しています。彼が小さかったころに、父親がケガをして働けなくなってしまったことがありました。それでハワードは幼少期にかなり苦労したそうです。それが大きな理由の一つになって、社員の生活を保証することを重要視するようになり、人とのかかわりに重きを置く考え方が形成されたのだと思います。つまり、人権ですね。私たちはまずはそこを重要視しています。

スターバックスで働くことの価値

スターバックスは、シアトルでは社会への貢献が大きい企業だという共通認識があると聞きました。どんな活動をしているのか教えてください。

フェアトレードやホームレス問題に対する取り組み、地域コミュニティへの貢献など、挙げればきりがないですが、4月は社全体で各部署がボランティアしたり、グループチームでボランティアしたりする月間なので、そうした動きがますます活発になります。

スターバックスのミッション

3000人以上いる社員たちによるドネーションボード。
社員の誰かが病気にかかったり、災害などの被害にあったときに、
ここに集められたお金がその社員に贈られる。

スターバックスが会社単位でも個人単位でも社会貢献にここまで注力できているのには、社内環境が自由だというところが大きいと思います。会社の中でも個を尊重する考え方が強いので、ボランティアをするという申請をして、マネージャーの許可がもらえれば、出社が遅れても OK。子育てがあれば出社時間をずらしても OK。アメリカの会社は、持っているビジョンが大きいので、細かなところはほとんど気にしません。これは日本人の働き方とは少し違うところかもしれませんね。

ここで働いていて楽しいことは何ですか?

以前の部署で、リーダーシップ・カンファレンスというものがありました。私はその会の運営を担当したのですが、世界中から集まったスターバックスのバリスタたちがとても興奮しているのを見ていて幸せを感じました。それは、バリスタあってのスターバックスだから。私たち本社の人間は、お店で働いている人のサポートにすぎません。彼らがいなければスターバックスは成り立たないのです。その彼らに素晴らしい機会を提供できたのがもっとも誇らしい経験でした。これからもここで働いていきたいと思っています。

取材後記:スターバックスのおもてなし文化

社会の輪は、人とのつながりを通して広がっていきます。基本的にお金よりも人を重視する考えを持つスターバックスは、そんな人とのつながりを作るコミュニティ作りに大きく貢献しています。

個を尊重する考え方の強いアメリカでは、それぞれの人が主体的に生活しています。お金という単一的な価値基準でなく、人とのつながりや、社会への貢献、自分の趣味、家族との時間・・・というように、それぞれの人が自由で主体的な幸せの基準を持っています。また、それが尊重される社会が形成されています。
スターバックスのおもてなし文化も、そんなアメリカ人の自由な考え方から生まれたのかもしれません。

アメリカの人たちの考え方から学ぶことは多いと感じました。

カレン・ソールさんと記念撮影

インタビュー後、カレンさんと。



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