第二次世界大戦中の日系アメリカ人強制収容の歴史を後世に伝えることをミッションとする非営利団体 Densho が、恒例の Sushi & Sake Fest を歴史産業博物館（MOHAI）で開催。同団体の活動を支援する約400人の参加者でにぎわった。
同団体は、第二次世界大戦中に強制収容を経験した祖父母と両親を持つ日系三世のトム・イケダ氏が、日系アメリカ人強制収容の歴史をデジタルの音と映像で記録・保存し、”伝承” することを目的に、1996年に設立。18年にわたるその活動はアメリカ図書館協会のオンライン歴史賞などをはじめとする数々の賞を受賞するなど高く評価されており、現在では教育や平等を求める運動にも拡大している。
寿司を提供したのは、Hiroshi’s Catering, Take-Out & Deli、Nishino、Kozue Japanese Restaurant、I love Wasabi、Seastar Restaurant and Raw Bar の5店舗。参加者は各店舗が用意したさまざまな寿司に舌鼓を打った。また、酒のテイスティングにはワシントン州と姉妹関係にある兵庫県の日本酒をはじめとする、日本酒と日本のビールがずらりと並び、参加者にとってはさまざまな味を知る貴重な機会となった。
また、このフェストにはライブ・ペインティング・アーティストの菩須彦（BOSS HIKO）さんが日本から参加し、縦270センチ・横350センチの大きな紙に見事な龍神を筆のみを使い1時間で描ききった。今回は3度目の参加だが、「シアトルのゆったりした雰囲気のおかげで、マイペースに自分のやりたいことを見つめられる」とのこと。日本でも各地で大規模なアート・イベントを主催していることもあり、「これからは本格的なやぐらでバンドが出演するといったアート的なアプローチの盆踊りなど、前例のないことをシアトルで展開していきたい」と語る。
今年のイベントで集まった5万ドル以上の寄付金はすべて Densho の教育プログラムの運営に充てられる。
Densho 公式サイト
www.densho.org
イベントの写真ギャラリー
www.flickr.com
Photo by Kazuko Wohlers/K’s Photography
