シアトルと神戸の姉妹都市提携が今年で55周年を迎えたことを記念し、神戸市の矢田立郎市長を含む総勢65名の訪問団がシアトルを訪れた。
27日にシアトル港湾局で行われた祝賀会には、シアトル市のマイク・マッギン市長や神戸市の矢田立郎市長、シアトル港湾局 CEO のテイ・ヨシタニ氏、同局コミッショナーのロブ・ホーランド氏、太田清和在シアトル日本国総領事、そして両市の姉妹都市活動関係者らが出席した。
挨拶に立ったマッギン市長は、「シアトルと日本のつながりは深く、シアトルには多くの日系人が住んでいる。昨年日本で起きた大震災においてはシアトルの人々が支援を行った。前市長のニッケルズ氏は市内各地に消防署を設置することで震災後の神戸を訪問して学んだことを活用している。こうしたさまざまなことから、シアトルと神戸が55年にわたり育んできた人と人とのつながりの強さと姉妹都市関係継続の決意が現れている」と述べた。
今回が3回目のシアトル訪問となった神戸市の矢田市長は、「シアトルと神戸は姉妹都市提携55周年、シアトル港と神戸港も姉妹港として45周年を迎え、今後も両市の関係強化が期待されている」と前置きした後、港湾・教育・ビジネス・文化など多方面での交流に取り組んできたことを振り返った。また、シアトル港湾局コミッショナーのホーランド氏は、ワシントン州にとって日本は最大の貿易パートナーであり、神戸港がシアトル港の最初の姉妹港であることなど両市の歴史的・経済的な関係について触れ、神戸のマスコットである 『コーベア』 のぬいぐるみを見せながら、両市の関係発展を祈った。
太田総領事は2年間の在職中にシアトルの随所で神戸とシアトルの関係の強さを目の当たりにし、「他の姉妹都市関係の手本だと思う」と語り、第2次世界大戦後にシアトルと神戸の姉妹都市提携に尽力した故ゴードン・クリントン市長の活躍や、神戸市職員のシアトル訪問・滞在経験が豊富なこと、シアトルの人々が日本の復興支援に積極的に参加していることなどについて賞賛の言葉を述べた。
その後、神戸の生田神社の一団が、巫女2人による神楽 『豊栄舞』 を披露し、会場から大きな拍手を受けた。
翌29日には、ダウンタウン・シアトルにある YMCA で神戸の特産品などを展示紹介する神戸展が開幕。これは、シアトル市と神戸市の関係をより一層深めることを目的とするもので、挨拶に立った YMCA のボブ・ギルバートソン会長は、「姉妹都市提携はアイデアの交換、コネクションの拡大など両市に利点をもたらした。国際交流は目新しいことではないが、45年にわたりパートナー関係を組んでいる神戸とシアトルの YMCA を通して行き来している何千人もの若者が国際的に羽ばたき、今後も相乗効果をもたらしてくれることを願っている」と挨拶した。
その後、神戸市内の高校から選抜で選ばれシアトルでホームステイ中の高校生10人がスライドショーを使って神戸市の地理や特産品などを紹介。また、日本で強い人気を誇るバンド 『EXILE』 が東日本復興支援ソングとして発表したチャリティ・ソング 『Rising Sun』 のダンスを披露すると、会場から歓声と拍手がわき起こった。高校生たちは開幕式が終わった後も興奮が冷めやらぬ様子で、「シアトルはとてもいいところ。もっと長く滞在したい」「こちらの人はとても積極的。ダンスに歓声をもらってうれしかった」と、口々に語った。
同日、訪問団はシーフェアのトーチライト・パレードに参加。シアトルの中心地を行進し、両市の友好を沿道の観客にアピールした。
掲載: 2012年7月28日