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日本女子バスケのエース・渡嘉敷来夢、WNBA シアトル・ストームで2シーズン目が開幕

WNBA ホーム開幕間近!日本のエース・渡嘉敷来夢選手

リオ五輪に向けて注目を集めている日本女子バスケットボール。100年に一度の逸材と言われるエース、渡嘉敷来夢(24)選手が、今年もシアトルストームでプレーしています。シアトル在住の日本人にとっては、バスケの本場、アメリカで日々進化していく渡嘉敷選手を、直接応援するチャンス!

インタビュー前に半時間ほど練習を見学させてもらった。やっていたのは、 練習用に組まれた男子チームを相手とする試合形式。アメリカ人男子プレーヤーに紛れても渡嘉敷選手は背が高い。ただ、日本でのように、唯一無二の高さではない。真剣な面持ちでプレーに取り組み、コーチのアドバイスを聞いている。

技術、センス、身長の高さを備え、日本で絶対的エースと言われる渡嘉敷選手。バスケットの本場アメリカでも、初挑戦の昨シーズンにきちんと結果を残し、シアトル・ストームとの長期契約につなげ、今年度のロースター登録(ベンチ入り)も果たした。24歳の日本のエースは、アメリカでがんばる日本人の一人だ。

練習を終えた渡嘉敷選手に今日の調子を聞くと、少し目をそらせて「まあまあです」と小さく笑った。日々挑戦の連続で、うまくいかないと感じる日もあるのだろう。193センチという背の高さに目が行きがちだが、至近距離で見る渡嘉敷選手は、とても美しい。凛々しく整った顔立ちで、何よりまっすぐに澄んだ目がきれいだ。

日米の練習の違いは、あるのだろうか。「練習内容というより、練習時間の長さが違います。日本では、基本、午前と午後の2回に分けて練習し、拘束時間が長いです。シアトル・ストームの練習は、1日1回だけの短期集中型です。1回で終わるなら、1回の方が私は好きです。日本ではコーチと個人練習もしていますが、こちらではまだやっていません。試合の様子を見て補強練習が必要だと判断したらコーチから指名されることもありますが、自らリクエストもできるので、シーズンが始まったら、やっていこうかなと思います」。

日本リーグは3月に終わったばかり。数日後に控えたアメリカのリーグ戦が始まれば、また多忙な日々がやってくる。強いて言えば比較的時間に余裕がある現在、どのような毎日を過ごしているのだろうか。「朝9時ぐらいに起きて、ストレッチしたり、ご飯を食べたりします。例えば今日は12時から練習だったのですが、練習の20分前ぐらいからウエイトトレーニングが予定されている日もあります。そして、全体練習を2時間半ぐらい。それから、お腹がすいていれば、ご飯を食べに行って、あとは部屋で今日あった出来事を書いたりとか、ストレッチをしたりとかしています。こちらではあまりやることがなく、嬉しい半分、暇ですね」。

チームプレーであるバスケット。コート外でのチームメイトとの交流で、日米の違いはどうだろう。「基本は一緒ですけど、私の母国語が違うため、練習や試合の前後は、みんなが自分を気にかけてくれているのは感じます。昨日はたまたまチームメイトとご飯に行ったんですが、プライベートの時間に遊びに行ったりは、あまりしないです。アメリカではみんな自分の時間が大事というか、バスケ以外の自分の生活があるので」。では、そんなアメリカのファンからの反応で、印象に残っていることは? 「私が日本人だと知って、日本語で話しかけてくれたりするのが嬉しいです」。

最後に、在シアトル日本人に向けてメッセージをもらった。「機会があれば、試合は見に来てほしいと思います。同じシアトルにいる日本人としてファミリーみたいな感じがするので、どこかで見かけたら声をかけていただくと嬉しいです。でも一番は、これを機会にバスケットボールに興味を持って、応援していただけたら」。その言葉は力強く、今度はまっすぐ目を合わせ、にっこりと笑顔を見せた。

「大好きなスターバックスでオーダーするものはキャラメルマキアート。好きな音楽はジャスティン・ビーバー。でも、基本的に日本の曲を聴いています。特定のアーティストの曲というよりは、その時々にランキング上位にある曲を聴きます」という、渡嘉敷選手。ホームスタジアム、キーアリーナでの初戦は、5月22日(日)。全試合スケジュールとチケット購入はこちら。8月末には昨年に続き、ジャパンナイトを企画中。

シアトル・ストームによる渡嘉敷選手の公式プロフィール(抜粋)
生年月日:1991年6月11日
身長:6フィート3インチ(193センチ)、体重:176ポンド(79キロ)
名前の発音:Rah-Moo Ta-cush-key
WNBA 経験:1シーズン

キャリアハイライト:前年度(WNBA 初年度)は、先発メンバーとして16試合出場、1試合平均8.2ポイント、3.3リバウンドを記録し、WNBA ルーキーチームに指名された。日本 NBA で MVP を3回受賞。2015-16シーズンに平均19.5ポイント。14-15シーズンに1試合平均18.7ポイント、11.4リバウンドを記録している。

パーソナル情報:コートネームは「タク」で、発音は「Tock」。英語を勉強中。音楽を聴くことが好き。

※シアトル・ストームの試合観戦情報や注目選手の情報はこちら
※昨年のインタビュー記事はこちら

掲載:2016年5月 取材・文:渡辺菜穂子

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