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「今回の米国ツアーを新たな出発点に」 太鼓奏者・木村優一と太鼓楽団・大地の会 シアトル公演

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生まれ育った神戸を拠点に演奏活動を展開している太鼓奏者・木村優一さんと太鼓楽団・大地の会が、4月14日にシアトルで演奏会を開催します。

高校生だった1995年に阪神淡路大震災で被災した木村さんは、被災者を激励する演奏を行ったことをきっかけに演奏活動を開始しました。初めてプロとして舞台に立ったのは、18歳の時。時勝矢一路氏による約180公演のヨーロッパツアーに参加して訪れたフランスでの演奏会でのことでした。

以来、約四半世紀にわたり、音楽のジャンルを超えた演奏活動や楽曲制作を行い、2014年から単身でアメリカを訪れ、演奏活動を行ってきました。今回、2011年に独立して創設した太鼓グループ『大地の会』のメンバーとともに初めて米国ツアーを行うことについて、お話を伺いました。

木村優一さん

― 木村さんと太鼓との出会いを公式サイトで拝読しました。その頃から今にかけて太鼓への思いに変化はありましたか。

プロとして初舞台に立ったのは18歳の時。今は42歳ですから、人生の半分以上を演奏家として過ごしてきたことになります。

最初は太鼓が大好きで始めただけでしたが、それだけで生活するのは難しく、体を酷使するスタイルなので、体のあちらこちらを痛め、正直、やめようと思ったこともあります。でも、そんなときにいつも、新しい出会いが生まれたりして、僕と太鼓を運命が切り離してくれませんでした。

今は、太鼓が僕の人生そのものです。命をかけて演奏し、ここまで育ててくれた皆さんに恩返しできるよう、がんばりたいと思っています。

木村優一さん

― 木村さんご自身が太鼓の演奏で大切にしておられることは。

僕が太鼓の演奏で常に心がけて、大切にしていることは、太鼓のリズムが歌やメロディのように聞こえる演奏をすること。

実際にはリズムだけなのですが、打つ場所やバチの角度、アクセントや音の伸び、それらのテクニックを使い分け、自分にしか出せない音色を出し、歌のように聞こえることを大切にしています。

― シアトルでは太鼓の演奏を聴く機会は少なくありませんが、木村さんの演奏にはどんな特徴がありますか。
アメリカで数多く演奏されているスタイルは、振り付けをたくさん取り入れ、舞うように演奏するというものです。もちろん、我々も振り付けを考え、みんなで合わせるところはありますが、「打ち込む」ということに重きを置いています。

すべては一音一音の音のため。さらに、演奏中に多くある演奏者のソロは、すべてアドリブです。その日、その時にしかできないソロを演奏し、次へバトンタッチする奏法はジャズと同じです。みんなが揃って同じリズムを打っているところと、演奏者のソロ部分にも注目してほしいと思います。

― シアトルでの舞台で演奏が予定されている楽曲の聴きどころは。

僕は、故郷の神戸を襲った1995年の阪神淡路大震災で、たまたま生き残った身です。災害で亡くなった方々のレクイエムと、未来への希望をコンセプトに『大地』という曲を書き下ろしました。これをシアトルを拠点に活動している『DEKOBOKO TAIKO』の皆さんに伝授し、今回の舞台で共演します。

今後、この曲を発展させ、世界の平和を願う太鼓の曲として、世界中で演奏されることがひとつの願いでもあるので、今回、神戸の姉妹都市であるシアトルで演奏できることはとても感慨深いです。ぜひ、多くの方々に聴いてもらいたいです。

― 今回のアメリカ公演での木村さんの目標を教えてください。

単身、自腹でアメリカに来たのが5年前。ほんの小さなつながりから、ようやく僕がプロデュースする太鼓グループ『大地の会』のメンバーを連れてツアーをする形にすることができました。

でも、今回のツアーは、また新たな出発点。まずはこの記念すべき初めてのアメリカツアーを何としても成功させ、多くの方々とのつながりを大切に、一回りも二回りも大きくなって、世界中の方に僕の音を届けられるよう、がんばりたいと思います。

― ありがとうございました。

【シアトル公演】
4月14日(日)
【会場】Broadway Performance Hall at Seattle Central College
(1625 Broadway Avenue, Seattle)
【公演】2pm-3:30pm
【チケット】一般 $20 学生 $10 ※チケット購入
【ワシントン州・オレゴン州の主催・問い合わせ先】兵庫県ワシントン州事務所 yuko@hyogobcc.org(担当:雑賀)

【ウィスコンシン州・ミネソタ州公演】
TaikoArts Midwest
info@taikoartsmidwest.org

木村優一 略歴
高校生だった1995年に起きた阪神淡路大震災で被災し、被災者を激励する演奏を行ったことをきっかけに演奏活動を開始。18歳でプロとなり、和太鼓奏者の林英哲氏に師事し、神戸で創設されたグループの創設メンバーとして16年にわたり演奏や演出の経験を積む。2011年に独立し、音楽のジャンルを超えた演奏活動を展開。楽曲制作、太鼓グループ『大地の会』のプロデュースし、子供向けワークショップなども行い、2014年からはアメリカで演奏活動やワークショップを展開している。
公式サイト:kimurayuichi.com

掲載:2019年2月



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