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貴重な機会を実現 – 映画『人の望みの喜びよ』上映会

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映画『人の望みの喜びよ』上映会

杉田監督との Q&A セッション

映画『人の望みの喜びよ -Joy of Man’s Desiring-』上映会と監督による Q&A セッションが、3月10日にシアトルで開催された。上映会参加者は昼の部と夕方の部を合わせて100人近くになり、SIFF Film Center の小劇場が埋まった。

震災孤児となった姉と弟を淡々と描いた本作品は、観ている者の心に強く訴えかけ、場内のあちこちから押し殺したすすり泣きが聞こえてきた。上映後に行われた杉田真一監督との Q&A セッションでは、子役の演技とその指導、撮影場所、BGM として使われたピアノ曲の役割など、多岐にわたる質問が飛び交った。また、監督と一緒にこの上映会に参加した三好保洋プロデューサーと北川喜雄撮影監督ともワイン&軽食付きのレセプションで個人的に話をする機会も設けられた。

本作をシアトルで鑑賞できたことは、大変貴重な機会だったと言える。三好プロデューサーによると「今のところ本作の DVD 化を考えていない」そうで、今後、日本でも簡単に鑑賞できる作品とはならないだろう。そもそも、本作は三好プロデューサーの個人出資により制作されるという、日本では珍しい生い立ちを持つ。しかし、だからこそ、「儲かる映画」ではなく、「作りたい映画」が完成したのだろう。また、作り手の一方的な主張にとどまることなく、ベルリン国際映画祭での受賞という快挙をも成し遂げている。

特記すべき点が、もうひとつある。今回の上映会は発案がなされてからは、実現に至るまでの企画、進行、宣伝、そして当日の上映会開催は、すべて留学生が主体となって行った。上映会に訪れた非日本人参加者は、Facebook を通して友達から友達に告知するという方法で知ったそうだ。商業映画の常識では実現し得なかっただろう貴重な上映会は、参加者を満足させる素晴らしい会となった。

映画『人の望みの喜びよ』上映会

三好プロデューサー(後列左から2番目)、杉田監督(後列左から3番目)
EN Pacific Service Inc. 藤田佳予子さん(後列右から3番目)
WA’s Kitchen 俵裕和さん(後列・右から2番目)、北川撮影監督(前列左から2番目)
ボランティアの皆さん

上映会に先駆け、杉田監督にインタビューした記事はこちら

掲載:2016年3月 取材・文:渡辺菜穂子

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