4月14日・16日に発生した前震・本震により、死者49人を出した2016年熊本地震。1ヶ月を迎えた今月16日の時点で、観測された余震は1400回以上、住宅被害は8万戸以上、さらに、生活するには危険と判定された住宅は約1万4000棟と東日本大震を上回り、1万人以上が避難所や車中での避難生活を強いられている。
そんな現状をできるだけ早く改善したいとの思いを共通する日本人が中心となったイベントが、6月に開催される。
6月3日(金):ベネフィット・コンサート
Google 社のカークランド・キャンパスで開催される 『Kumamoto AID from Seattle – 平成28年(2016年)熊本地震被災地支援コンサート』。
発起人の今崎憲児氏は熊本県出身のエンジニアで、地震の一報を受けて日本関係のイベントで募金を募ったことが今回のイベントにつながったと語る。「実家は少ない被害で済んだものの、両親は余震が怖くて車中泊を続けていました。毎日電話をして状況を確認していますが、心配させたくないと思ってのことでしょう、両親はあまり状況を話してくれません。避難生活のストレスは想像を絶します。そこで、もっと大きなことをしてさらに募金を募りたいと話したところ、東日本大震災からさまざまな支援活動を行っているコーラスグループの Songs of Hope、和太鼓の演奏・教育を行っている Japan Creative Arts と太鼓の学校が協力してくれ、演奏・合唱を行うイベントの企画ができあがりました」。
当日は、和太鼓の演奏や日本語の歌の合唱などがプログラムに組まれており、集まった募金はすべて Peace Winds America による2016年熊本地震の被災地での復興支援活動に充てられる。
6月5日(日):フレンドシップ・コンサート
熊本県の玉名女子高等学校は、協議の末、ワシントン州でのフレンドシップ・コンサートを予定どおり6月5日(日)に開催することを決めた。
このコンサートを企画し、日本とワシントン州の音楽を通じた国際交流を行っている TY Music Exchange の武川美保さんによると、玉名女子高等学校は体育館の一部が壊れるなどの被害で済んだが、渡米の計画を進めるべきか話し合いがすぐにもたれた結果、「熊本県の復興に明るい光を!」と、実行が決まったという。「部員の一人は実家の被害がひどく渡米できなくなり、吹奏楽部顧問の先生は今でも車中泊しています。生徒達は、このようなさまざまな状況の方々のことを思い、毎日練習しています。アメリカで心をこめて演奏したい、ホストファミリーとの良い思い出を作りたい、言葉はうまく通じなくても、同年代のアメリカの高校生と同じ曲を演奏することによって心を通い合わせたい、と話しています」。当日は熊本県のキャラクターであるくまモンのグッズを販売し、義援金に充てることが予定されている。
掲載:2016年5月