20年以上にわたり個人ボランティアによって運営され、2011年に惜しまれながら閉館した 『ともしび文庫』 が、有志グループ 『ともしび文庫をみんなで続けようプロジェクト』 の約2年にわたる粘り強い活動で Bellevue Children’s Academy などの協力を得て、同校内にて一般貸し出しを再開してから1年。今では250世帯以上が登録し、開館日は多数の利用者でにぎわうようになっている。
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10月4日に開催された再開1周年イベントには約100人が来館し、耳文庫による人形劇、紙芝居、サイレント・オークションを楽しんだ。
「再開1周年イベントにこんなにもたくさんの方が来館され、多くのボランティアのメンバーと一緒に一周年を祝えるとは、一年前には想像していませんでした。この環境にたどり着くまでにサポートしてくださったすべての方に感謝しています」と、同プロジェクトの代表を務める末吉陽子さん。「耳文庫の人形劇に子供たちが集中して見入っている姿がとても印象的でした。人形劇、紙芝居、抽選会といった、授業や親子の会話とは違う日本語環境の大切さを実感しています」。
ともしび文庫は同じくベルビューにある非営利団体 JubileeREACH での恒久的な開館に向けて2011年から寄付を募る活動を続けており、現時点で2万7千ドル以上の寄付が集まっている。「目標の JubileeREACH での開館にはまだ道半ば。これからは貸し出し業務とあわせて寄付を募る活動にも力を入れていきたい」。
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ともしび文庫の利用者の年齢層は幅広く、本を探すだけでなく、友人が出会う場、新しい友人を作る場になっているという。また、高校生から孫がいる世代まで約30名がボランティアとして登録し、世代の違うメンバー同士が会話を楽しみ、協力しあって活動している。本の寄贈も後を絶たず、本棚のスペースの確保にも苦労するほどだ。「これからの課題は、認知度の向上」と末吉さん。「ここに住む誰もが集える、みんなが知っている憩いの場所になるのが目標のひとつです」。
ともしび文庫
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掲載:2014年10月15日