シアトル美術館の日本・韓国美術担当に、元プリンストン大学美術館アジア美術アソシエイト・キュレーターのシャオジン・ウー(Xiaojin Wu)さんが先月末に着任した。
ウーさんは中国出身。高校時代に日本文化に興味を持ち、北京大学で日本語と日本文化を専攻した。シンガポール国立大学へ移った後も継続して勉強を続け、日本を訪れた際は全国の美術館を巡ったという。その後、奨学金を得て2000年に渡米。「アメリカでは専門知識を得たほか、さまざまな文化に触れることで多角的な視点を身に付けることができました」とウーさんは語る。
プリンストン大学で日本美術史の修士号を取得した後、2008年にプリンストン大学美術館アジア美術アシスタント・キュレーター、2011年に博士号を取得してアソシエイト・キュレーターとなり、これまで11の展示会に携わった。その経験と知識がシアトル美術館に高く評価されたことをウーさんは謙虚に受け止め、今後の展開に意欲を示す。「シアトル美術館は全米屈指の日本美術のコレクションを誇ります。特に、現在では入手が難しい貴重な作品が多く、まだ一般公開されていないものもたくさんあります。テーマを工夫するなどして、さまざまな作品を積極的に紹介していきたいと思っています。」国内外の美術館の協力を得て作品を集めたり、セミナーやイベントを積極的に開催したりしながら、たくさんの人がより多くの作品に触れられる機会を設けていくことを予定している。
掲載: 2012年9月17日