30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。
「子供が生まれると1年のいろいろな行事を大切にするようになる(少なくとも子供が幼いうちは)」とよく言われますが、我が家もその路線をたどっています。
そもそも私の実家は基本的な日本の行事はしながらも特にこだわっていなかったので、夫とはお正月に御節とお雑煮を食べるだけで満足していました。夫側の家族も何らかの宗教を信じているわけではなく、家族親戚で一緒にやるのは独立記念日の BBQ と感謝祭とクリスマスのディナーだけ。お正月は私がやれる時だけ御節やお雑煮を用意して日本文化を体験してもらっていました。
でも、息子はアメリカで育つとしても、母親の私が日本人なのですから、幼い間は少しでも日本の文化を伝えたいなと考えていました。特に、クリスマスは盛大に家族と祝い、お正月は特に何もしないアメリカでは、お正月の過ごし方は各家庭によってさまざまですから、お正月は何か日本らしいことをしたいです。
かと言って、何をしたらいいのかなあ・・・と考えていたら、息子が通っている2-3歳のクラスで「すすはらい」「冬至」の習慣についての説明書をいただいたり、「すすはらい」体験があったりしたので、それをきっかけにうちでもその習慣についてお話しすることにしました。そして、夫も一緒に掃除をし、かぼちゃを食べ、お風呂に入る(お風呂はいつものことですが、柚子がないので仕方がない)ことに。単純ながら、これが日本文化再発見という感じで、意外に楽しいんですね。どんなことでもそうですが、見聞きするだけではただの情報。習慣化したり、自分なりに工夫したりするには、自分でやってみるに越したことないですね。
そして、クリスマスが終わるとお正月。日本人ならクリスマスより気合が入るという人が多いのではないでしょうか。私も「今年は家庭の味を」と勇んで宇和島屋に行きましたが、ひょんなことからレストランの御節を購入することになってしまいました。なので、我が家で年末にしたことと言えば、大掃除と鏡餅作り。炊飯器とブレッド・マシンで作った鏡餅はとてもやわらかく、息子はそのプニプニ感に大喜びでしたが、餅に両手をからめとられてしまい、助けを求めてきました。後は、大晦日に年越しそばと鯖寿司を食べ、元日には私の好きな胡桃とピーカンナッツ入りの田作りとお雑煮、御節、和菓子と、食べるだけ!なのに疲れてしまって初詣には行かずじまい・・・。
それでも昨年のお正月と今年のお正月は違いました。昨年はまだ1歳1ヶ月ぐらいだったのでサトイモぐらいしか食べなかった息子が、今年は田作りを手づかみでむしゃむしゃ食べ、銀鱈の粕漬けを独り占めし、「もっと」「あっち」「それ」とか言って御節をつついているのです。「成長したな~」「こりゃ来年はもっと食べるなあ」と、感心することしきりでした。何らかの行事を家庭でする目的の一つは、子供の成長を実感することなのかもしれませんね。
そんなわけで、我が家では今年はアメリカと日本の基本的な行事をカバーしてみることにしようと思います。
(2013年1月)