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第4回 離乳食

30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。

友人から食器をいただき、生後100日目頃に「お食い初め」(おくいぞめ)に挑戦。

生まれたての赤ちゃんが最初に口にするのは母乳(breast milk)か人工乳(フォーミュラ:formula)。母親が健康なら栄養満点とされる母乳を英語では "gold liquid"(黄金の液体)と呼ぶと知ったのは、産後のことでした。なめてみたら、確かにとても自然な味。そもそも自分がおなかの中で別の人間を育てて外に出すという仕組みだけでもすごいのに、次は自分の体がその人間がこれから育つために必要な食べ物を作り出すなんて、こうして書いていてもとても不思議な感じです。

「母乳がすんなり出ないことはよくある」と聞いてましたが、私の場合がまさにそう。エバーグリーン病院の母乳コンサルタントとも何度かミーティングを重ねて吸い付かせる(ratch)角度を練習し、あまりにも痛い時は Madela 社の Nipple Sheild(乳首カバー)を使い、乳児に無害の塗り薬を塗りながら、「イタタタタ。」 にじんだ血やかさぶたを赤ちゃんが飲み込んでも大丈夫かと心配したり、「本のとおりには行かないんだよ!」とキレて号泣したりと、寝不足もたたって初めて夫婦喧嘩したのもこのあたりだったような気がします。

アカチャンホンポのおかゆを作るビーカー。こんなふうにご飯を炊く時に一緒に入れるだけで、ビーカー内のお米がお粥になります(10倍・7倍・5倍粥に対応)。

母乳を保管できる時間は「室温なら6時間、冷蔵庫なら6日、冷凍庫なら6週間」とのことで、パンプ(搾乳機)で搾乳して保存することを試みましたが、紆余曲折あり、我が家は母乳と人工乳の混合にすることに。人工乳には水で溶く粉タイプと、そのまま飲める液状タイプがあって、液状タイプのほうが割高ですが、とりあえず Dr. Brown’s の哺乳瓶(bottle)で 『Similac Sensitive』(乳糖に繊細な赤ちゃん用)の液状タイプを与えることになりました。息子は特にこだわらず、哺乳瓶も人工乳もお構いなしにガンガン飲んでくれます。この哺乳瓶のニップルにも月齢で異なるサイズがあることや、哺乳瓶を乾かすラックなど便利なものがあることなど、いろいろ勉強になりました。

アメリカの離乳食。

そして、生後6ヶ月頃に離乳食をスタート。それから5ヶ月が経過した今、息子は特に好き嫌いなく食べています。我が家では諸事情からできるだけローカル産のオーガニック食材を購入していますが、息子はファーマーズ・マーケットに出店しているオーガニック農家の滝さんの野菜が大好き。いろいろな野菜を入れた和風あんかけご飯や、かぼちゃをマッシュしたもの、トマトと卵のおじやなどはパクパク食べるようになりました。ブロッコリーは特に好きなのか、持ちやすい大きさに切って茹でて冷ましたものを花束を持つみたいに両手で持ってムシャムシャ。とは言え、マンネリにならないようにするのは一苦労ですね。日本の育児雑誌やウェブサイトに載っているレシピはなかなかおいしそうで、時間がある時に作ってみるようにしています。

Happy Baby Foods のパフは好んで食べてくれるが、このラタトゥイユは完全却下。私たちも好きではない味なので、納得。

時間がない時、予想以上に食べてしまって足りなそうな時、小腹がすいた時(赤ちゃんにそういうのがあるのかわかりませんが)のために、そのまま食べられる出来合いの離乳食もいくつか買ってみました。オーガニックの食材を使ったものがいろいろ販売されていて、息子はオレゴン州発の 『Peter Rabbit Organics』 が特に好きみたいです。ご飯にかけたりパンにつけたりしても喜んで食べます。子供用ジムに行った時、息子より数ヶ月大きい女の子がこのパッケージを持ってチューチュー吸っているのを目撃。チューチュー吸うのと、手でチューブを適度に押すのとを上手に連携するのは、今の息子にはまだまだハードルが高いので、「もう少ししたらあんなことができるようになるのね~」と感心しました。

よく、「アレルギーはないの?」と聞かれますが、幸いなことに、今のところアレルギー反応が出たものはないものの、ナッツと甲殻類・貝類・大型の魚・鶏肉以外の肉類はまだ与えていません。甲殻類・貝類・大型の魚はまだ避けたほうがいいという小児科医のアドバイスに従っていて、肉はそもそも私たち夫婦が食べないので食卓に上がることが滅多にありません。

時間があるときは、こんなふうに盛り付けてみました。トマトが大好きらしい。

それよりも、できるだけ避けているのは、精製砂糖(refined sugar)と、MSG(味の素、グルタミン酸ナトリウム)を含む化学モノ。精製砂糖を1歳未満で摂取してもいいことはないように思いますし、小児歯医者でも「あげてませんね?」といちいち確認されますが、これはとにかく本当に人それぞれ。プレイデートなどで精製砂糖入りのものを「食べる?」と差し出され、「うちは精製砂糖をあげてないから」と遠慮すると、中にはそれを自分個人に対する批判と受け取ってしまう人もいるので、角が立たないようにいただいておいて私が食べてしまうということも。「こだわりすぎ」「そんなに神経質にならなくていいんじゃないの」「最初の子供だからねえ」と、すっかりこっちが "神経質" 状態にされてしまったという体験談も聞いたことがあります。私も似たようなことを言われたことがありますが、とりあえず今のところは果汁の糖分だけでいいかな。

(2011年11月)

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