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第12回 ぐらんま

30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。

ぐらんまとウッドランド・パーク動物園でペンギンを観察中。

シアトルに住んで20数年になりますが、その中でも今年の夏は特に良かった!朝から雲ひとつない青空が広がって、山も湖も川もキラキラ。カラッとしていて過ごしやすく、「これがシアトルの夏なんだよ~!」と声を大にして自慢したくなる日が多かったです。

2歳9ヶ月でも晴れてると嬉しいらしく、息子も元気一杯。とにかく早起きなのに、日照時間の長い夏はそれがさらに早くなり、

「マミー、朝だよー!起きてー!目を覚ましてー!太陽さんが出てるー!まぶしー!」

と、まだ気持ちよく寝ている私の耳元で一気にまくしたてて、たたき起こしてくれます。そして、「お水で遊びたい!」と騒ぐので、何度ビーチやウォーター・パークに足を運んだことか。おかげで私の足にはくっきりとサンダルのあとがついてます。

そして、夏と言えばアウトドア。「もうベビーじゃないし、今年の夏はワシントン州を親子で探検し直そう!」と、オーカス・アイランドでキャビン、オリンピック半島でテントのキャンプに初挑戦。大人だけのキャンプは何度もやってますが、子供連れ、それも2歳児とのキャンプって、やっぱりテントでのんびりするとか、海を見てボーッなんて時はないんですね。ま、日々の生活でもそんな時間はないので、当然と言っちゃ当然なんですが、普段以上の体力勝負となりました・・・。でも、大自然の中でそんなにはじけてくれるなんて、連れて行ったかいがあったというものです。

そんなふうにアウトドアも一緒に楽しめるようになってきたわけですが、我が家の今年の夏最大のイベントは、日本から私の母が遊びに来たこと。母は息子の出産前から産後数日にわたりシアトルに来てくれていましたし、私たちも息子が生後10ヶ月・生後20ヶ月の時にこちらから日本に行って実家で過ごし、最近はよくスカイプをしています。でも、画面だけってやっぱり物足りないですよね。ついに母が「あ~、会いたいなあ」と言い出し、シアトルでの再会が実現しました。

これまで10回以上シアトルに来ているので、今回は「孫と過ごせれば何でもいい!」とのこと。普段の孫を見たい。いつも行ってるという食料品店にも行ってみたい。よく食べてるというスープも食べてみたい。好きだという動物園にも行ってみたい。そんな感じでした。そして、息子は息子で、「ぐらんまが来る」と理解したその日から、「ぐらんまと動物園行きたい!カルーセル(メリーゴーランド)に乗りたい!」 とか、何かと言うと「ぐらんまに見せてあげたい!」「ぐらんまと行こうね~」と言い続け、空港で再会した瞬間、実際に会ったのは約1年前なのに、スカイプの延長のように即、意気投合。母も本当に幸せそうで、滞在中はパワー全開で一緒に遊び、素敵な思い出をたくさん作ることができました。

でも、楽しい時間はあっという間に終わりますね。ついに母が帰ってしまう日が明日に迫ると、息子は「xx ちゃんも行く~!」と言いはじめました。「ぐらんま、帰っちゃうの?」と悲しそうな顔で言われると、余計に辛くなりますね。でも予定は変えられません。空港へ向かう車の中でも「ひこうき乗って行く~!」と叫んでましたが、気づいたら、「ぐらんま、またねー」に切り替わってました。2歳児って、こんな状況をどう理解して折り合いをつけるんでしょうね。

でも、セキュリティのチェックポイントではずっと手を振って、「ばいばーい!ばいばーい!」と言い続け、すっきり(?)お別れしたように見えたのに、私が、「ぐらんまが帰っちゃって、マミーは寂しいよ」と言うと、息子は「マミー、寂しいの? xx ちゃんも寂しいよ」と言ってハグしてくれました。

子供の成長って、本当にすごい。

(2013年9月)

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