親の食文化や価値観によってかなり違いがありますが、ここではアメリカの一般的な離乳食や栄養素の表示、食べさせてはいけないものなどをご紹介します。
アメリカの離乳食の基礎知識
一般的に、赤ちゃんが生後6カ月くらいになったら、母乳や人工乳以外の食べ物や飲み物(離乳食)をあげ始めて良いとされています。
この頃になると、首が座る、座ることができる、体重が誕生時の二倍、最低13ポンド(約5.9kg)になる、食べ物に強い興味を持つなど、離乳食を始めるサインがあります。
米国小児科学会(AAP)によると、子どもの味の好みは9ヵ月までにほぼ決まってしまうそう。つまり、離乳食を始める時は、できるだけいろいろな味、食感、色のものが大切ということになります。
念のためですが、離乳食を始めても、少なくとも1歳になるまでは母乳(breast milk)や人工乳(baby formula)を飲ませる必要があります。
アメリカの一般的な離乳食
離乳食は英語で baby food または solid foods と言います。
赤ちゃんが健康に成長するには、カルシウム、脂質、葉酸、鉄分、タンパク質、炭水化物、亜鉛、そしてビタミン類などを、バランスよく摂取する必要があるんですね。
米国小児科学会(AAP)が提供している「1歳児向けメニュー例」を見てみると、このようになっています。
朝ごはん
鉄分を強化した朝食用シリアル、または調理した卵1個
全乳または2%低脂肪乳
バナナ
イチゴ
おやつ
トースト1枚または全粒粉マフィンにクリームチーズまたはピーナッツバター、またはヨーグルトと切った果物
水、または全乳または2%低脂肪乳
昼ごはん
サンドイッチ:ターキーまたはチキンのスライス、ツナ、エッグサラダまたはピーナツバター
調理した緑黄色野菜
全乳または2%低脂肪乳
おやつ
角切りチーズまたはストリングチーズ1~2オンス、またはフルーツまたはベリー類
水、または全乳または2%低脂肪乳
夕食
ひき肉または角切りの調理済み肉
調理した黄色またはオレンジ色の野菜
全粒粉のパスタまたはジャガイモ
全乳または2%低脂肪乳
赤ちゃんの健康な食事はバランスが大切であり、塩分や糖分を加える必要はないとされています。
アメリカで販売されている離乳食
スーパーマーケットや、Amazon.com などのオンラインサイトでは、瓶詰め、箱入り、袋入りなど、さまざまな離乳食が販売されています。
「すべて手作り」しようとするのもいいですが、それがストレスになったりするようであれば、こうした出来合いのものも利用してみてはいかがでしょうか?
たいていの商品には、強化されている、またはたくさん含まれている栄養やビタミン、ミネラルなどが、こんなふうに書かれていることがあります。
iron fortified: 鉄分強化
protein: タンパク質
3G fiber: 繊維3グラム
100mg Omega-3 ALA: オメガ3 ALA 100mg(植物由来のα-リノレン酸)
35% DV folate: 1日摂取量の35%の葉酸塩(ビタミンB群の一つ)
100% DV of vitamin C: 1日摂取量の100%のビタミンC
※この DV は Daily Valueの略。% DV とは、1日摂取量に占める割合
避ける(または制限する)必要のある食べ物や飲み物
CDC によると、特定の食べ物や飲み物は避ける、または制限する必要があるとされています。その中のいくつかをご紹介します。
- 生後12ヶ月になるまでは、蜂蜜を与えない:12ヶ月未満の子供に蜂蜜を与えると、ボツリヌス症(botulism)という重篤な食中毒を引き起こす可能性があります。食べ物や水、乳児用ミルク、またはおしゃぶりに蜂蜜を加えない。
- 砂糖が添加された食品(added sugars)、低カロリー甘味料(low-calorie sweetners)やカロリーゼロの甘味料(no-calorie sweetners)が含まれた食品は推奨されない:砂糖が添加された食品には、マフィン、フレーバーヨーグルト、クッキーなどがあります。生後24ヶ月未満の子どもには添加された砂糖を避けるべき。栄養成分表示ラベルを確認して、砂糖が添加されていない食品を見つけること。
- 塩分(sodium)が高い食品は避ける:例えば、一部の缶詰食品、加工肉(例:ランチミート、ソーセージ、ホットドッグ、ハム)や冷凍ディナーは避けるべき。一部のスナック食品や市販のパッケージされた幼児食品も塩分が高いことがある。栄養成分表示ラベルを確認して、塩分が少ない食品を見つけること。
- 水銀(mercury)が多く含まれる魚は避ける:どの種類の魚を避け、どの種類の魚を選ぶべきかについて詳しく知ること。FDAの一覧参照。
- 加熱処理をしていない(unpasteurized)飲み物や食品(ジュース、ミルク、ヨーグルト、チーズなど):加熱処理をしていない場合、有害な細菌にさらされるリスクがあり、重篤な下痢を引き起こす可能性がある。非加熱処理の牛乳(unpasteurized milk)は、生乳(せいにゅう:raw milk)とも呼ばれます。
いかがでしたか?赤ちゃんが新しい味に慣れるには10~15回は食べる必要があるそうなので、気長に対応して、親子共々、食事が苦痛にならないようにしたいですね。