アメリカでは、自分で子どもを見ることができない場合や息抜きをしたい時など、ベビーシッターを雇うことは一般的です。ここでは、子どもを持つ親の体験談とあわせて、ベビーシッターの料金や相場、安心して預けることができる人を見つける方法などをまとめました。
ベビーシッターに必要な事柄
- 親自身が知っている人で、良いコミュニケーションが保てること
- 信頼がおけること(家族・知人・友人・知人や友人の紹介)
- 赤十字や病院などでベビーシッターになるためのクラスを修了し、幼児用・子ども用 CPR(心肺蘇生法)の訓練を受け、資格を取得していること
- 同じ価値観を持っていること(しつけなどの面で)
- 自分の子どもがベビーシッターを気にいること
- 子どもが好きで、遊んでくれること(スマホばかり見て、子どもを見ない人もいる)
- 責任感が強いこと (時間厳守)
- 気がきくこと
- 料金がリーズナブルであること
- 言葉遣いがきちんとしていること
- 近所に住んでいること
- 自立心があること
- 人として成熟していること
ベビーシッターの料金や相場
アメリカは広いので、ベビーシッターの料金や相場は、州や地域、都市によってさまざまです。
ベビーシッター検索サイトの Sittercity.com によると、ナニー、メイド、在宅高齢者介護士など、一般住宅で働く人の時給は、最低賃金以上でなければなりません。
なお、2023年の連邦最低賃金は時給7ドル25セントですが、ベビーシッター検索サイトの Sittercity.com によると、州および/または市が最低賃金を設定している場合は、それらのうち最も高い賃金を支払う必要があります。例えば、州の最低賃金が連邦の最低賃金より高い場合、州の最低賃金が適用されます。
2023年のワシントン州の最低賃金は時給15.74ドル、シアトル市の最低賃金は時給16.50ドルです。
幼児用・子ども用 CPR(心肺蘇生法)と応急処置
米国赤十字や病院、消防署などで、ベビーシッターになる前に幼児用・子ども用 CPR(心肺蘇生法)や応急処置のクラスを受講できます。
こうしたクラスでは、ケガ防止、何か問題がある時の子どもの行動、一般的な病気やケガを認識して対応する方法、9-1-1に通報する方法などを学びます。
良いベビーシッターになるためのクラス
米国赤十字では、ベビーシッターになるためのクラスをオンライン、または対面で提供しています。基本のクラスは11歳以上が対象で、乳幼児のお世話の仕方、安全対策、緊急時の対応、年齢にあった遊び、さまざまな行動の認識と対応、ベビーシッターとして働く場合のヒントなどが含まれます。
シアトル子ども病院では、良いベビーシッターになるためのクラス『Better Babysitters』を提供しています。対象年齢は11歳から14歳で、ベビーシッターとしての責任、子どもの基本的な発達、乳幼児の世話の仕方、安全対策・事故防止、緊急時の対応、年齢に応じたおもちゃ、ベビーシッターとして働くためのヒント、保護者からの期待について学びます。2023年4月時点ではオンラインのみ。幼児用・子ども用 CPR(心肺蘇生法)と応急処置のクラスは含まれていないため、別途受講する必要があります。
さまざまな病院が同様のクラスを開講しているので、最寄りの病院を確認してみてください。
ベビーシッターを雇った体験談
- ロール・モデルになる「お姉ちゃん」と過ごすのもいい経験
初めは知っている相手でないと安心して預けることができなかったため、夫の家族(主に義母)や自分の友達に頼んでいました。でも、子どもがある程度大きくなった時点で、義母の知人の娘さんにお願いしてみました。この娘さんは高校生ですが、年齢のわりにとてもしっかりしている上、真面目で性格もよく、また、何かあれば彼女のご両親もすぐ近くにいるということで、見てもらうことに。上の子が大きくなり、ロール・モデルのような存在になってくれる「お姉ちゃん」と一緒にいるような時間を過ごすのもいいかな、と思ったのもあります(いつも祖母といると、テレビばかり見て終わる、ということもあるので)。実際に子どもたちを見てもらう何日か前に、その娘さん一家にお会いし、安心できました。でも、将来的には、上の子どもが12歳になったら、下の子の面倒をしっかり見ることができるようにしていく方が大事かなと思っています。
- 子育てを共有する重要な役目。経験のある人を雇って良かった
2人目が生まれるまで仕事をしていたので、毎日、ベビーシッターを頼みました。子どもが幼い場合、ベビーシッターというよりも子育てを共有する重要な役割を担ってもらうことになるため、紹介状をもらい、何人か面接をしました。今から考えると、料金の安い学生を雇わず、経験のある人を雇って良かったと思います。
- 保育園が斡旋するベビーシッター・プログラムを利用
長男の通う保育園が斡旋するベビーシッター・プログラムを利用しています。これを使えば、園で顔見知りの先生が直接自宅に来てくれるので、安心して預けることができます。個人でやっているところよりは値段が高くなりますが、安心です。
- 友達のお母さんと交代なら、子どもも「誰かに預けられている」と思わない
クチコミで紹介してもらう方が安心できるので、友人の紹介してくれる人や、知人の娘さんにお願いしています。知人の娘さんには、子どもたちの勉強や遊びにも付き合ってもらい、子どもも楽しく過ごすことができた一方で、彼女もベビーシッターを経験でき、お互いに良かったと思いました。また、子どもたちと仲良しの友達のお母さんと交代で子どもの面倒を見合う場合、子どもたちも「誰かに預けられている」と思わずに楽しく過ごすことができるので、子どもには一番いい方法かも知れません。でも、お互いに負担にならない程度にしています。
- 同い年の子どもがいる友人に、時給か交代制で頼む
いつも同い年の子どもがいる友人のところに預けます。普段から私の子どもをある程度知っている人に預けると、先方でも遊び相手として受け入れてもらいやすく、こちらも安心します。預ける料金は、1時間単位で支払うか、次回に私が友人の子どもを預かるという交代制のどちらかにしています。今年で子どもが4歳になるので、そろそろ近くのコミュニティ・センターのプログラムも利用してみようかと考えています。
- 学校の友達のお母さんなら、スケジュールが合うので都合良し
一番重視することは、まず、ベビーシッターをしてくれる方が、子ども好きであること。そして責任感があること。1~2度お願いしてみて、時間厳守でない方は再度お願いすることはありません。私も仕事をしているので、その関係で出かける時など、遅れて来られては仕事にも響きますし、やはり責任感がないと思ってしまいます。また、言葉遣いが丁寧であるかどうかもチェックしています。子どもたちと遊んでもらっていて、悪い言葉遣いを身に付けられるのは避けたいですね。子どもたちが学校に行き始めてからは、同級生の仲の良いお友達のお母様と交代で子どもの面倒を見合うことが増えました。お互いに助け合うというわけです。すでにお互いの家族のことをよくわかっていますし、子どもの学校のスケジュールやその他のアクティビティのスケジュールなども同じであることが多いため、何か急用の時などもさっと電話して子どもの面倒を見ていただくことができます。